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AI時代を見据えたUX研修『NIJIBOX College』ニジボックスが考える、企業の生存戦略とは?

AI時代を見据えたUX研修『NIJIBOX College』ニジボックスが考える、企業の生存戦略とは?

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リクルートや大手企業の実績多数!

ニジボックスのUXデザインフローや案件事例をご紹介!


 AIの進化により、プロダクト開発のスピードと生産性が向上する一方で、「何を、なぜ作るのか」という本質的な問いが重要視されています。

こうした背景のもと、ニジボックスが立ち上げたのがUX研修プログラム『NIJIBOX College』です。UXデザイナーだけではなく、マネジメント層をはじめ、マーケターやセールス、エンジニアなど事業に関わる全ての人を対象とし、組織全体でユーザー価値を追求するための土壌づくりを目的としています。

本記事では、ニジボックスが考えるAI時代のUXの重要性と、その実践を支える研修の内容を紐解いていきます。

■イベント動画の紹介

本記事は、2026年3月にニジボックスが開催したオンラインイベント「なぜニジボックスはAI時代にUX学習プログラムを作ったのか?」の内容をもとに執筆しています。

より詳しい内容を動画で見たい方は、こちらからご覧いただけます。

■登壇者の紹介

吉川 聡史
株式会社ニジボックス UX・ディレクション室 室長
横断UX・ディレクション部 部長

株式会社ニジボックスでUXデザイナーとWebディレクターが所属するUX・ディレクション室の室長。 2011年11月にイラストレーターとしてニジボックスに入社し、クリエイティブ領域を中心にアニメーター、デザイナーなど幅広く担当。その後ディレクションに職域を広げていき、Webディレクターや映像ディレクターなどを経て、リクルートの新規事業の伴走や大規模案件においてのマネジメントなど複数経験し今に至る。 前職は漫画家。
X:@yoshikawa5116
note: aiux_unite

永松 健志
株式会社ニジボックス UX・ディレクション室
横断UX・ディレクション部 1グループ グループリーダー

普段の業務は新規事業のサービスデザインから、既存サービスのUX改善、業務システムの開発、品質管理、UXデザインのAI化、マネジメントなどなど多岐にわたる。一方、個人活動としては思想的な方向に興味があり、AI時代のリサーチという営為を考え直す、デザインの可能性、デザインと哲学や人類学などの関係をテーマに、登壇・展示も行っている。 AI時代、思想的なことも実務的なこともどっちも大事と考え、日々noteで発信中。
X:@Dia_Nexus
note: art_reflection

もはや「作ること」ではなく、その先の「価値」について考えるべき

AIの進化は、プロダクト開発の前提を大きく変えつつあります。従来は専門的なスキルと時間を要したデザインや実装工程が、大幅に効率化されたと実感している方も多いのではないでしょうか。実際、ニジボックスでも、ワイヤーフレーム制作で約70%、コーディングで約50%の工数削減を実現したプロジェクトもあると吉川は語ります。

さらに吉川は、「リサーチ業務もAIによって短縮され、制作プロセス全体が再設計され始めています」と述べました。つまり、「作ること」自体の価値が相対的に低下し、一定品質のアウトプットを“誰でも、短時間で”生み出せる時代になりつつあるといえます。

イベント内で吉川は「この変化の中、『何を作るか』により価値が生まれるようになってくると思います」と語り、アウトプット中心の思考から、ユーザーにどんな価値を届けるのかというアウトカム志向への転換が求められるといいます。

続けて「価値を磨くために重要なのがUXであり、これからより必要なものとなります。AIがロジカルな最適解を大量に生成できる時代だからこそ、一次情報を基にしたユーザーの文脈に根ざした価値設計が企業の差別化要因となります」と、その重要性を伝えています。

ただ、UXはあくまで手段であり、それ自体を目的化してはいけません。「価値あるものを作る」ことが目的であり、「今の時代に価値を生み出す手段として重要なのがUX」と捉えるべきだと、吉川は語ります。

AI時代に「UX」について学ぶべき2つの軸

AI時代におけるUXの学びは、単なるツールやプロセスの理解にとどまりません。吉川と永松が考えるのは、大きく2つの軸です。

1つ目は、「AIを活用したUXデザインプロセス」です。リサーチやデザインはAIによって効率化できる領域であり、そのスピードを生かすことで、より多くの時間を価値設計に投資できるようになります。ただし、全てをAIに任せるだけではなく、「良いUXとは何か」を判断する人間の力は今後も不可欠です。

2つ目は、「本質的なUX理解」です。UXとは単なる画面設計ではなく、ユーザーの体験全体を設計する営みです。ユーザーがサービスを知る前から利用後に至るまでの一連の体験を捉え、その中で価値を生み出すことが求められます。AIが生成する情報は平均化されやすいため、ユーザー固有の背景や求めているものへの理解がより重要になります。

『NIJIBOX College』は現在、「本質的な価値の理解」を強みとしていますが、今後は「開発プロセスの高速化」にも取り組んでいく予定です。「価値あるものを、より速く作る」この両立が、これからの事業の競争力につながります。

UXは「組織全体で」学ぶ必要がある理由

前章では、AI時代に「何を」学ぶべきかを整理しました。この章は、「誰が」学ぶべきかについてを深堀します。

結論から述べると、吉川と永松はUXを「組織全体で」学ぶ必要があると伝えています。「UXデザイン」という言葉から「UXはデザイナーのもの」と認識されがちですが、サービスに関わる全ての人が学ぶべきだといいます。その理由について、順を追って解説します。

UXの正体は「使いやすい画面」ではない

UXという言葉は広く浸透した一方で、多くの場合、「見た目のきれいなUI」や「使いやすい画面」と捉えられがちです。しかし、それはUXの一側面に過ぎません。

永松は「UXは、ユーザーがサービスに触れる前後を含めた全ての体験を指します」と語っています。つまり、サービスを知る前の期待感、利用中の感情、利用後の印象までを含めてUXであり、UXデザインは「理想のUXのサービスを目指し、体験価値を向上させること」と述べています。

この視点が欠けたまま機能開発を進めると、「便利そうなのに使われない」サービスが生まれてしまいかねません。ユーザーの状況を踏まえずに設計された機能は、むしろ体験の質を下げてしまう可能性さえあるといいます。

永松が「UXデザインとは、『便利』と『便利そう』の間を埋める作業と捉えています」と語るように、UXデザインはアウトプットだけではなく「プロセス」でもあります。ユーザー理解から仮説構築、検証、改善までを一貫して回していくことが、本質的なUXデザインの実践だといいます。

「全員がUXに影響を与えている」という自覚を持つべき

ここまで述べてきたように、UXは決してデザイナーだけの仕事ではありません。サービスに関わる全ての人が、UXに影響を与えています。

永松は「ユーザーはプロダクトだけではなく、接客や広告などのあらゆる接点で良いサービスかどうかを判断しています」と語っています。例えば、システムの表示速度が遅ければ、それだけで体験の満足度は下がりますし、広告の伝え方によってはユーザーの期待値を不必要に高めてしまうこともあります。

UXはあらゆる接点の積み重ねによって形成されます。しかし現実には、「自分の業務がUXにどう影響しているか」を明確に意識できている人は多くありません。その結果、UXの取り組みが一部の専門職に閉じてしまい、組織全体としての改善につながらないケースも少なくないと永松は指摘します。

とはいえ、「自分たちの業務がUXに影響している」という認識を組織に浸透させるのは簡単ではありません。職種ごとに役割やKPIが異なる中で、共通の視点を持つには意図的な仕組みが必要です。

そこで有効なのが、職種を超えてUXを学ぶ研修の存在だと吉川と永松は語ります。共通言語としてUXを理解することで、部門間の連携がスムーズになり、結果としてユーザー体験の質を組織全体で高めていくことが可能になるといいます。

そして、そのための具体的な手段として設計されているのが『NIJIBOX College』です。

事業戦略に「ユーザー視点」を組み込む重要性

UXは、デザイン工程だけに留まるものではありません。むしろ重要なのは、事業戦略の段階からユーザー視点を組み込むことだと永松は語ります。

永松は「企業が目指しているもの自体がユーザーにとって不要である場合、サービスやプロダクトもユーザーにとって不要となってしまう可能性が高いです」と指摘し、最上流からUX視点を踏まえて意思決定すべき、と説明しました。

従来の開発プロセスでは、経営や事業側が決めた方針をもとにプロダクトが作られるケースが多くありました。しかしその場合、「それは本当にユーザーに求められているのか」という検証が不十分なまま進んでしまうことも少なくありません。

一方で、UXの視点を戦略に組み込むことで、開発前の段階からユーザーのニーズや課題を検証できます。その結果、不要な機能開発を防ぎ、本当に価値のある領域にリソースを集中させることが可能になるといいます。

また、「ユーザーにとっての価値」を軸に意思決定を行うことで、組織内の判断基準も統一されます。これにより、部門ごとの最適化ではなく、全体最適の視点で事業を推進できるようになる、と語りました。

職種を超えた共通言語を作る『NIJIBOX College』の4つの強み

ここからは、『NIJIBOX College』の強みを4つに分けて紹介します。

【強み1】組織全体へのUXの定着を促すプログラム

『NIJIBOX College』は、特定の専門職だけでなく、経営層やPM、ディレクター、マーケターなど、さまざまな職種が同じ土台でUXを学ぶことを前提に設計されています。

これにより、組織内でUXに対する認識のズレを解消できます。例えば、現場はUXの重要性を理解していても、経営層との認識が合わなければ実行に移せません。本プログラムは、そのギャップを埋める役割を果たします。

さらに、複数職種が同時に学ぶことで、「自分ごと化」が促進され、単なる知識としてではなく、自身の業務にどう生かすかを考えながら学べます。

【強み2】UXの意義を解像度高く理解できる

一般的なUX学習プログラムでは、ペルソナやカスタマージャーニーマップなどの手法に焦点が当たりがちです。しかし、それらの手法が「なぜ必要なのか」「どのように価値へとつながっていくのか」を理解しなければ、形骸化してしまう恐れがあります。

『NIJIBOX College』では、UXデザインの全体構造や背景思想を丁寧に解説するため、手法を単なる作業ではなく、価値創出のアプローチとして捉えられるようになります。

また、抽象的な概念を具体例で補足することで、実務に応用しやすい知識としての定着を促します。

【強み3】UXをビジネスとどう接続すればよいか分かる

UXとビジネスの接続は、多くの企業にとって大きな課題です。特にROIやKPIとの関係が不明瞭な場合、UX施策は優先度が下がりがちです。

本プログラムでは、ジェームズ・ギャレットの「UXデザイン5段階モデル」をベースに、UXを事業戦略に組み込む方法や、価値創出との関係性を体系的に解説しています。そのため、UXを単なるデザイン活動ではなく、経営に寄与する取り組みとして位置付けることができます。

また、「UXデザイン5段階モデル」については以下の記事でも詳しく解説しています。気になった方はぜひご覧ください。

【強み4】実績豊富な現場の知見が凝縮

ニジボックスは、多様なプロジェクトでUX支援を行ってきました。その中で蓄積された成功事例だけでなく、うまくいかなかった事例や試行錯誤のプロセスもカリキュラムに反映されています。

これにより、理論だけでは見えにくい現場のリアリティを学ぶことができます。例えば、UX導入がうまくいかない組織の特徴や、推進時の障壁など、実践に直結する知見を提供しています。

『NIJIBOX College』講義の紹介:戦略から表層までを一気通貫で学ぶ

『NIJIBOX College』の講義は、UXの基本概念から始まり、戦略・要件・構造・骨格・表層という「UXデザイン5段階モデル」に沿って体系的に進みます。抽象的な戦略から具体的なUI設計までを一貫して理解できる構成です。

例えば、フードデリバリーサービスを題材に、「誰のどんな課題を解決するのか」という戦略レベルの問いからスタートし、機能や導線、UIに落とし込んでいくプロセスを学びます。「考える」と「作る」のように上流と下流の工程が分断されると、ユーザーにとって使いづらいサービスになるリスクが高まります。そのため、UXデザインの5段階の一貫性を理解することは特に重要です。

また、講義では身近な事例や分かりやすい例えを多用し、直感的な理解を促します。例えば、情報設計の重要性を「見づらいアプリの改善」を通じて体験的に学びます。

さらに、ペルソナ設計やカスタマージャーニー作成に加え、それらを実際の要件定義やUI設計にどう生かすかまで踏み込みます。単なるアウトプット作成に終わらず、「どう使うか」に焦点を当てている点も特徴です。

ワークショップも豊富に用意しており、実際にワイヤーフレームを作成するなど、手を動かしながら学ぶ機会を設けています。これにより、知識を実務に転用する力を養うことができます。

最終的には、組織全体でサービスの戦略からUIの細部までを一貫して設計する力を身につけることが目標です。この一気通貫の視点こそが、AI時代におけるUX人材に求められる重要な能力です。

なお、『NIJIBOX College』講義のご紹介内容全編は以下のイベントアーカイブ動画でご覧いただけます。併せてご覧ください。 

イベントアーカイブ動画『NIJIBOX College』講義のご紹介シーン(YouTube)

AI時代を勝ち抜くための「組織の土壌」作りをサポート

AIによって「作る」ことのハードルが下がった今、企業の競争力は「価値を定義する力」と「価値を実現する力」に移行しています。今回のイベントでは、ユーザーにとって価値あるものを定義し、実現する力の中核にあるのがUXであり、それは個人のスキルではなく、組織全体の文化として根付く必要があるということを、吉川も永松も伝えていました。

『NIJIBOX College』は、その土壌づくりを支援するプログラムです。職種を超えた共通言語を育てることで、企業全体の価値創出力の向上に寄与します。興味をお持ちいただけましたら、以下ページよりお気軽にお問い合わせください。

監修者

監修者
監修者_吉川 聡史

吉川 聡史

株式会社ニジボックス UX・ディレクション室 室長。AIクリエイター。

2011年11月にイラストレーターとしてニジボックスに入社し、クリエイティブ領域を中心にアニメーター、デザイナーなど幅広く担当。その後ディレクションに職域を広げていき、Webディレクターや映像ディレクターなどを経て、リクルートの新規事業の伴走や大規模案件においてのマネジメントなど複数経験し今に至る。 前職は漫画家。最新の技術(ツール)を用いた、AI×UXのあり方について技術検証を行い、それらの取り組みをXやnoteを使って発信。

note: aiux_unite