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競合調査とは?調査の進め方や活用されているフレームワークなどを徹底解説!

競合調査とは?調査の進め方や活用されているフレームワークなどを徹底解説!

事業方針の決定や新規事業の立ち上げなどを検討する際、競合企業や自社の状況を把握するために競合調査が行われるケースは多いです。
競合調査を適切に実施することで、自社と競合他社の現状を認識しつつ、市場に対して適切なアプローチを取れるようになります。

しかし、具体的な調査の進め方などを把握していない場合には、「必要な情報が取得できない」「時間やコストが余計にかかる」といった事態が発生するので注意も必要です。
そこで本記事では、競合調査を行うメリットと注意点、調査の進め方や、活用されているフレームワークなどについて詳しく解説します

競合調査とは?

競合調査とは、自社が展開する商品やサービス、競合企業などについて分析調査を行うことです。

調査例として、主に商品やサービス内容、販売戦略などが挙げられます。
もう少し具体的に項目を挙げると商品やサービス内容に関しては、価格帯・商品の種類・接客対応・アフターサービスについて包括的に自社商品やサービスとの比較分析を行います。
販売戦略では、業界シェア・販売方法・販売実績などを比較分析します。

こうした項目で競合調査を実施することで、自社の現状把握や他社と差別化できる戦略を立てることが可能です。

新規事業の立ち上げや事業方針などを検討する場合、競合企業の特徴などを明らかにするだけでなく、競合先の企業に対する自社の強み・弱みの把握や、自社のポジションの調査を行う必要があります。そこで、競合調査が必要になるというわけです。

日本の高度成長期からバブル時代においては、モノを作れば売れる時代でした。しかし、現在の日本では、顧客ニーズの多様化や市場での供給過剰が起きている状態で、商品・サービスの同質化が進行しています。
そのため競合の現状を調査し、どのようにして他社とは異なる価値を提供できるかが問われていることから、競合調査の重要性が増しているといえるでしょう。

競合調査と市場調査で異なる点

競合調査は市場調査の一環として行われる場合があるため、混同されるケースも多いようです。しかし、二つの調査には大きな違いがあります。

競合調査の対象は、自社製品やサービスの競合他社であり、売り上げやビジネスモデルなど多岐に及ぶ項目の比較分析を行います。競合調査の方法としては、調査会社への依頼、競合商品の利用、ネットリサーチなどの手段が挙げられます。

対して、市場調査は自社製品やサービスの関連市場、顧客ニーズの動向を探るための調査です。市場調査の方法はインタビューやアンケート、電話などの手段が挙げられます。調査結果は、既存商品の改善だけでなく、市場ニーズに基づいたサービスや商品開発に活用されます。

このように、競合調査と市場調査では目的だけではなく、調査方法や調査項目にも違いが出てきます。

市場ニーズに沿った戦略や開発をしたいという場合は市場調査が適していますが、競合他社と差別化したい場合や自社の強みを生かしたい場合は、競合調査に力を入れる必要があります。
競合調査を実施する際には、目的や対象に応じて適切な調査を行うことが大切です。

競合調査を行う3つのメリット

競合調査を行うことによる3つのメリットをみていきましょう。他社との差別化だけでなく、自社の強みの再発見や新しいサービスの創出につながるケースもあります。

自社の強みと弱みを把握し、他者と差別化を図れる

競合企業と自社のサービスや商品を比較することで、自社商品・サービスの強みと弱みを理解できます。また、財務面(売り上げや利益など)や購入・利用者の層の違い、サービスや製品の認知度などの情報を比較すれば、競合他社と自社の違いが分かります。

競合調査で得た情報を分析すれば、競合他社にはない独自の戦略を立てられるため、差別化を図ることも可能です。他社との差別化は、自社ファンの増加、新規顧客の創出に必要なものです。
そのため、競合調査は自社の集客や売り上げアップを目指すうえで必要な情報を得られるメリットがあります。

新たな競合他社を発見できる

競合調査は、提供商品や事業規模などさまざまな観点から分析を行える調査です。
会社の所在地や顧客ニーズで競合は変化するため、今まで気付かなかった競合の発見が可能です。

例えば、自社は宅配サービスが人気である地元に根付いたスーパー、競合となるのは同じ地域のスーパーと考えていました。しかし、競合調査の結果、実は宅配をしているネットスーパーや通販事業者が大きな競合だと判明する場合もあります。

業界のトレンド発見につながる

複数企業の競合調査を実施することで、今まで気付かなかったトレンドの発見が可能です。
また、競合調査を行って得た情報は、自社の販売戦略に落とし込むことができます。

特に、インターネットやSNSが普及してきた現在では、マーケティング手法やカスタマーサービスの手法も多様化しています。
商品・サービス開発にとどまらず、マーケティングやカスタマーサービスを充実させるうえでもトレンドを把握しておくことは重要です。

競合調査を行う際の注意点

競合調査を行う際には、以下のような注意点があります。

  • 時間と手間がかかりある程度のコストが必要となる
  • 市場のトレンドは常に変化するため、調査で導き出した戦略が使えなくなる可能性もある

競合調査を自社で実施する際には、時間や手間、コストだけでなく、調査を行う人員の確保も必要です。また、調査結果を基に立てた戦略は、市場の変化によって見直しが求められるため、競合調査は1回のみではなく、継続して行う必要があります。

しかし、自社で定期的に調査を行うのが難しい場合には、調査を外注することも可能です。調査を外注すれば、コストはかかるものの、自社のリソースを割かずに調査を行い必要な情報を得られます。

また、環境が変化して戦略が使えなくなった場合でも、その戦略は将来的に活かせる可能性があります。戦略をアイディアとして持っていることが重要なのです。

他社が競合調査を行っている中で、自社だけが行っていなければ、他社に先手を取られ、売り上げ減少などの結果につながるリスクもあります。

注意点を踏まえたうえで、自社が生き残り、発展を遂げるためにも、競合調査を積極的に行いましょう。

競合調査の進め方

競合調査を実施する際の基本的な流れをみていきます。特に、調査目的によって最終的な結果が大きく違ってくることから、目的の決定には入念な話し合いが必要です。

目的を決定する

まずは、調査を行う目的を明確にする必要があります。調査を行う目的には、次のようなものがあります。

  • ビジネスモデルの改善
  • 販売チャネルの見直し
  • 製品・サービスの改良
  • 新製品・サービスの考案
  • 会社の組織改善

目的によって調査項目や対象などが変わるため、目的を定めずに調査を実施すると、時間とコストが無駄になってしまう可能性があります。

そのため、既存製品・サービスの改善、新しいサービスや商品作りに役立てたいといった具体的な目的を定めることが大切です。調査結果をどのように活用したいのか明確にしたうえで、目的を決定しましょう。

調査対象を決める

目的を明確にした後は、調査対象とする企業を3社以上選定しましょう。
調査対象とする企業を決定する際には、「同様の商品・サービスを取り扱っている」「同じ客層を共有している」といった点を考慮する必要があります。
ただし、目的によって調査対象は異なるため、目的に合った企業を選びましょう。

注意点として、調査対象が多すぎると調査だけでなく分析にも時間がかかります。
そのため、戦略立案に時間がかかったり、トレンドを逃したりというリスクも出てきます。
時間とコストを最大限生かすためにも、調査対象を厳選し、必要な企業のみをピックアップしてください。

また売り上げが伸びている企業だけでなく、売り上げが低調な企業の事例を調査することも大切です。
売り上げが低調である企業と似たような戦略を自社が取っている場合、売り上げが伸びている企業にシェアを奪われる可能性があります。そのため、自社を客観的な視点から分析することも意識しましょう。

調査前に仮説を立てる

調査を実施する前に、以下のように自社の特徴や弱点、課題などを洗い出したうえで仮説を立てる必要があります。

例えば、自社は店舗での販売しか行っていないものの、自社よりもシェアが高い競合企業はネット広告への掲載、ネット販売なども行っているとします。そのため、自社もシェア向上のために、店舗での販売だけでなく、ネット販売を導入するなど販売戦略の改善が必要と考えられます。そのため、競合調査によってネット広告や販売がシェアにどの程度影響があるのかを調べます。

このように、事前に仮説を立てて調査を実施すれば、自社の改善点が明確になりやすいでしょう。

競合調査を実施する

調査目的、調査対象、仮説に基づいて競合調査を実施します。調査の方法には、次のようなものがあります。

  • インターネットでの調査
  • 競合他社の製品・サービスの購入
  • マーケット調査

調査後に結果を分析した際に、事前に立てた仮説が成り立たない場合には、その原因についても分析が必要です。仮説が成り立たない要因を詳しく分析すれば、今後のマーケティング判断材料として役立てられるでしょう。

競合調査で活用されているフレームワーク

ここからは競合調査で活用されているフレームワークをみていきます。
フレームワークを活用することで、競合調査で得た情報を分析・整理する際に理解や比較が容易になります。商品・サービスの強み・弱みの理解やビジネスモデルの分析を体系的に行うためにもぜひ活用してください。

ここで紹介するフレームワークについては下記の記事でも詳しく紹介しています。さらに詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

■参考記事:
【保存版】知っておくと便利!ステージ別、新規事業立案のためのフレームワーク | 株式会社ニジボックス

3C分析

3cについて説明した図

3C分析はCustomer(市場・顧客)とCompetitor(競合)、Company(自社)の頭文字を取って名付けられた分析手法です。事業の成功要因を抽出して分析を行うフレームワークとなります。3C分析は、一般的に市場・顧客→競合→自社の順で行われます。

まずは、ターゲットとする市場・顧客を規定するところからスタートします。マクロな市場規模を把握しておくと、市場規模や顧客の消費行動、潜在的なリスクなど把握可能です。

次に市場内の競合を分析します。競合企業の売り上げやシェア、特徴やマーケティング戦略などを確認できれば、ベンチマークにできるだけでなく、差別化戦略を立てられます。

このように3C分析は自社のビジネスについて客観的に分析し、プラス面とマイナス面の両方から現状を捉える分析方法といえます。

4C分析

4C分析は、Customer value(顧客価値)、Cost(顧客費用)、Convenience(利便性)、Communication(コミュニケーション)の頭文字を取って名付けられた分析手法で、顧客視点からサービスを評価する点が特徴です。

Customer value(顧客価値)は、顧客が商品やサービスの提供を行っている企業に対し、どのような価値を感じているかを表す指標です。サービスや商品の品質の高さ、企業イメージなどさまざまな視点から価値を見出す必要があります。

Cost(顧客費用)は、商品やサービスの価格が顧客に与える影響や、価格と満足度のバランスについて調査を行います。顧客に発生する価格やコストと、影響・満足度のバランスが不釣り合いな場合、価格帯の見直しが必要です。

Convenience(利便性)は、商品やサービスが契約しやすい仕組みができているか検討します。決済方法・デザイン・サイトへの誘導などを顧客目線から考慮することで、満足度の高い仕組みの構築が可能です。

Communication(コミュニケーション)は、顧客と自社を結びつけるためにどのようなコンタクト方法が適切なのかを考えます。メルマガやSNS、セミナーやイベント開催などの中から、顧客とのコミュニケーションが取りやすいものを選びましょう。

4C分析は顧客視点が求められる分析方法であるため、ユーザー視点でのマーケティングを行いたい場合に有効です。

バリューチェーン分析

バリューチェーン分析とは、製品を顧客に届けるまでの流れ(原材料の調達〜販売)を複数の機能に分類したうえで、価値の連鎖として考える分析手法です。
自社や競合他社の事業を分類し、どの工程で価値が生み出されているかを分析します。

一つの事業を細かく分けたうえで、その事業の強みと弱みを把握し、コスト削減などにつなげていくために実施する分析方法です。ブランディング向上や中長期的な戦略立案に適しています。

ファイブフォース分析

ファイブフォース分析は、競合要因となる5つの脅威(競合他社、供給者、購買者、代替製品、新規参入者)について、どのような環境や状況なのか、自社への脅威がどの程度あるのかといった点を分析する方法です。

自社が属している業界構造を理解し、脅威を洗い出して分析を行います。結果として、業界内での競合他社との敵対関係、供給者と購買者の交渉力の大きさ、新規参入や代替製品の脅威の大きさを判断できるようになります。

特にに自社の強みや弱みを把握する点で優れているため、商品・サービスの展開を行う際の戦略策定に役立つでしょう。

SWOT分析

SWOT分析について図解した画像

SWOT分析は、「内部環境と外部環境」「事業のプラス要因またはマイナス要因」の2×2軸で4つに分類し、事業を取り巻く要因を整理するためのフレームワークです。
SWOTは、Strengths(強み)、Weaknesses(弱み)、Opportunities(機会)、Threats(脅威)の頭文字を組み合わせた言葉です。

Strengths(強み)は「内部環境×プラス要因」で、自社の商品・サービスの特徴や強みを意味します。

Weaknesses(弱み)は「内部環境×マイナス要因」で、自社の商品・サービスの特徴や弱みを意味するものです。内部環境の要因に関しては、自社の努力で変動が可能な領域です。

Opportunities(機会)では「外部環境×プラス要因」の観点から、市場変化などの外的要因が自社にポジティブに作用しているかどうかを分析します。

Threats(脅威)は「外部環境×マイナス要因」で、市場変化などが自社にネガティブに作用している点を分析します。外部環境による効果であるため、自社努力による変動は困難です。

SWOT分析は自社を取り巻いている外部環境・内部環境を整理したものですが、効果を発揮するためにはクロスSWOT分析を行う必要があります。
クロスSWOT分析では、自社の戦略の方向性を洗い出せます。主に次のような4つの戦略にたどりつくケースが多いでしょう。

Strengths × Opportunities
=積極化戦略
自社の強みを生かしつつ、市場の「機会」を生かすための戦略を考える
Strengths × Threats
=差別化戦略
自社の強みを生かしつつ、市場の「脅威」を除くための戦略を考える
Weaknesses × Opportunities
=段階的戦略
自社の弱みで、市場の「機会」を逃さないための戦略を考える
Weaknesses × Threats
=専守防衛・撤退戦略
自社の弱みで、市場の「脅威」にさらされないようにするための戦略を考える


自社と競合企業に関して、内的要因と外的要因に分けて分析ができるため、競合調査に適したフレームワークといえるでしょう。

競合調査を外注するメリット

社内のリソースが足りない場合、自社で競合調査を行うことは困難です。
そのような場合には、調査を外注先に依頼する方法もあります。競合調査を外注すると競合企業の洗い出し・調査だけでなく、事業戦略の仮説立案、戦略立案の提案などを行ってくれます。

競合調査を外注するメリットは、次の通りです。

  • 必要なリソースを自社で確保しなくて済む
  • 知識や経験がなくても競合調査を行える

競合調査を自社で行う際には、調査を行う人材の確保だけでなく、調査前の準備や調査にかかる時間、業界知識が必要です。

外注によって効率よく調査を進められるため、業務に支障が出ないうえ、専門的な視点からアドバイスを受けられます。自社での競合調査が困難な場合は、スムーズに調査を行うために外注を検討してみましょう。

ただし、外注する際にはコストがかかるため、自社のリソースを把握したうえで、検討することが重要です。

競合調査を外注する際の注意点

競合調査を外注する際の注意点をみていきます。競合調査を外注する際でも丸投げしては効果的な分析ができないリスクもあります。
目的に合わせた調査をスムーズに進め、コストを無駄にしないためにもポイントを押さえておくことが大切です。

依頼内容を明確にしてから依頼する

外注する際にも、競合調査を行う目的を明確にしておくことが重要です。目的が不透明な状態で調査を行っても必要なデータを得ることはできません。

また、依頼内容を明確にしていない場合、想定した予算が足りない、追加費用がかかるといった事態が発生する可能性があります。そのため事前に自社で行う作業、外注先への依頼内容は具体的に検討しておきましょう。

調査期間を決定する

競合調査の目的によって調査に必要な時間が異なります。例えば、短期間の調査で必要なデータを収集できるケースもあれば、ある程度の調査期間を設定しなければならない場合もあります。

しかし、具体的な期間を決めていない場合、予算を超えてしまう可能性があるため、発注先と相談しながら適切な期間を設けましょう。

調査する競合先を決める

調査の依頼前に自社で競合先を決めておきましょう。というのも、調査対象が拡大するほど不要な情報が増加し、コストもかかるためです。

予算や情報の観点から競合先は3社程度に絞っておくと効率的な調査が可能となるでしょう。例えば、以下のような選び方が想定されます。

  • 自社と同じような規模・資本金の同業他社
  • 同業で自社よりも売り上げが大きい会社
  • 自社よりもシェア率は小さいが確実に売り上げを伸ばしている会社

このような選び方ならば、自社が注力している業界における強みや立ち位置を明確化できるでしょう。

まとめ

競合調査は、自社や競合企業の特徴、強みや弱みなどを把握するために行われています。競合調査の実施で他社との差別化を図れる、具体的な戦略を立てられるといったメリットがあります。場合によっては、現在の事業をより強化できるでしょう。

しかし、自社で調査に必要なリソースを確保できない、経験がないなどといった場合は、調査を外注する方法も検討しましょう。外注を検討する際には、余計な時間やコストがかからないように依頼内容や調査期間、調査する競合先を決めたうえで依頼することが大切です。

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監修者
監修者_丸山潤
丸山 潤
元ニジボックス 執行役員、TRTL Studio株式会社 CEO、その他顧問やエンジェル投資家として活動

コンサルティング会社でのUI開発経験を持つ技術者としてキャリアをスタート。リクルートホールディングス入社後、インキュベーション部門のUX組織と、グループ企業ニジボックスのデザイン部門を牽引。ニジボックスではPDMを経てデザインファーム事業を創設、事業部長に就任。その後執行役員として新しいUXソリューション開発を推進。2023年に退任。現在TRTL Venturesでインド投資・アジアのユニコーン企業の日本進出支援、その他新規事業・DX・UX・経営などの顧問や投資家として活動中。

Twitter:@junmaruuuuu
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