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アンケート調査とは?進め方や6種類の手法、注意点を解説!便利なツールも紹介

アンケート調査とは?進め方や6種類の手法、注意点を解説!便利なツールも紹介

UXリサーチの進め方をよくある質問を交えて解説!


アンケート調査とは、特定の問題/調査を目的とした、複数人の対象ユーザーからデータを収集する手法です。
アンケート調査に回答した経験はあっても、いざ自分が実施する側になると何から手を付けてよいのか悩まれる方も多いのではないでしょうか。

この記事ではアンケート調査の具体的な進め方について、準備から実施・分析まで分かりやすく解説。
アンケート調査する上での注意点や、質問作成・集計に便利なツールも紹介しています。

アンケート調査とは?

アンケート調査とは、特定の問題/調査を目的とした、複数人の対象ユーザーからデータを収集する手法です。

アンケート調査で収集する情報は、大きく「定量的な調査項目」と「定性的な調査項目」に分類されます。

  • 定量的な調査項目
    数値化できるデータで、「はい/いいえ」または5段階評価などで回答できる質問で調査する
  • 定性的な調査項目
    数値化できないデータで、定量的な調査項目に付随して「なぜそのような回答にしましたか?」といったフリーコメントが必要な質問で調査する

1つの調査に、定量的な質問と定性的な質問が両方含まれる場合もあります。
例えばQ1に「あなたは商品Aのことをどれくらい好きですか?」(定量)、Q2で「Q1の回答の理由を教えてください」(定性)と質問するようなケースです。

定量的、定性的については下記の記事でも解説しているので、ぜひ併せてご覧ください。

■関連記事:

アンケート調査が必要な3つのシチュエーション

アンケート調査はどのような場合に実施するとよいのでしょうか?
それは、主に次の3つのシチュエーションです。

1. 顧客の率直な意見を収集したいとき

アンケート調査では、顧客の考えや望み、製品・サービスに対する感想や評価を聞き出せます。
課題を発見するためのヒントとなる顧客の声を集めたい場合にアンケート調査は有効です。

2. 顧客の意見を数字で裏付けをしたいとき

一人の顧客の意見だけでは、それがその顧客だけのものなのか、他の顧客も同じように感じているのかを判断できません。
しかし、アンケート調査で定量的に集計することで、顧客が満足または不満に感じている点の傾向を知ることが可能です。

また、意見や行動、気持ちといった単体では数値化できないものも、同じ質問を一斉に行うことで数値化することができます。

3. 顧客の変化を知りたいとき

長期にわたって繰り返しアンケート調査を実施することで、変化やトレンドを探ることが可能です。

例えばある商品の売上が以前よりも減っていて、その原因が「顧客ニーズの変化かもしれない」と仮説立てをした際にアンケート調査を実施します。

アンケート調査の手法6種類

アンケート調査_手法種類

アンケート調査には、さまざまな手法があります。

ここでは、代表的な6種類のアンケート調査を紹介します。
それぞれのメリットとデメリットを参考に、自分の行いたい調査にはどれが適しているかを見極めましょう。

1. Web調査

Web調査とは、インターネット上で行うアンケート調査のことです。
簡単な質問を、多くの人へ素早く行いたい場合にWeb調査は向いています。

Web調査のメリット・デメリット

  • メリット
    居住地に関係なく多くの人から回答を得やすい、低コストで時間もかからない
  • デメリット
    Webに不慣れな層が回答しにくい、いたずらや軽い気持ちでの回答も集まりやすい

2. 街頭調査

街頭調査とは、繁華街などの人通りの多い場所で人々に声をかけて協力してもらい、回答を集める調査方法です。
特定のエリアに絞って回答者を集めるのに向いています。

街頭調査のメリット・デメリット

  • メリット
    その場ですぐに回答が得られる、対面調査のため回答の信頼性が高い
  • デメリット
    回答ハードルがやや高め、回答内容が調査員のスキルに左右されがち

3. 会場調査

会場調査とは、調査対象者を同じ会場に集め、その場でアンケートを行う調査のことです。
特に、新商品や新サービスを体験してもらいたいアンケートに向いています。

会場調査のメリット・デメリット

  • メリット
    リアルな反応をその場で観察できる、信頼性が高い回答を一斉に得られる、機密情報の漏えいリスクが低い
  • デメリット
    準備に時間やコストがかかる、リラックスした状態で回答しづらい、会場に直接来られる回答者が限られる

4. 郵送調査

郵送調査とは、アンケート用紙を対象者に郵送し、回答済みのアンケートを返送してもらうアンケート調査のことです。
Webになじみのない世代へのアンケートにも向いています。

郵送調査のメリット・デメリット

  • メリット
    居住地に関係なく回答を得られる、商品・サービスを自宅で試してもらうことも可能
  • デメリット
    アンケートの配送・回収に時間がかかる、郵送の手間があるため回答率が低い

5. 電話調査

電話調査とは、対象者から電話を通じて意見や感想などの回答を集めるアンケート調査のことです。
回答者の反応に合わせて質問内容を変えたり、掘り下げたりしたい場合に向いています。

電話調査のメリット・デメリット

  • メリット
    調査が短時間で完了する、生の声を聞いて会話できる、回答率が高い
  • デメリット
    視覚的に何かを見せることができない、長時間の通話は回答者の負担になるため質問数を絞る必要がある

6. 訪問調査

訪問調査とは、調査対象の居住地や職場などを調査員が訪ねて、調査の協力を依頼して回答を集めるアンケート調査です。
一人ひとりの回答者にじっくり質問したいときや、商品やサービスを実際に見せながら丁寧な説明がしたい場合に向いています。

訪問調査のメリット・デメリット

  • メリット
    対面調査のため回答の信頼性が高い、質問の多い調査も可能
  • デメリット
    時間的・人的コストがかかる

アンケート調査の進め方6STEP

アンケート調査_進め方6ステップ

ここからは、アンケート調査の進め方について、順を追って解説していきましょう。
次の6STEPに沿って実施すると効率的です。

【STEP1】アンケート調査の目的設定

1つ目のステップは、アンケート調査の目的を設定することです。

漠然とデータを集めても、活用できなくては意味がありません。
効果的なアンケート調査を行うためには、その目的を明確にすることが必要です。

アンケート調査の目的は大きく「実態を把握するための『探索』」「仮説を裏付けるための『検証』」の2つに分けられます
まずは、そのどちらなのかを考えると、目的設定がしやすくなります。
また、ここで目的達成のために必要なデータも併せて考えておきましょう。

アンケート調査の目的設定の例

  • アンケート調査の目的
    自社商品の知名度(探索)
  • 目的達成のために必要なデータ
    商品を知っている人/知っていない人の数と割合

【STEP2】アンケート種類の選定

2つ目のステップは、決定した目的や調査対象に応じて、適切なアンケートの種類を選ぶことです。

アンケート調査の目的が明確になったら、それを基にアンケートの種類を選びます。
また、調査対象者の条件や必要サンプル数なども併せて決めると、どの種類が適切か判断しやすいでしょう。
調査対象者の条件とは、年齢や性別、居住地といったデモグラフィックデータです。

例えば、たくさんのサンプル数が必要であれば、Web調査が適しています。
場所や時間を選ばない配信式のWebアンケートなら、準備や収集に時間がかかる電話調査・会場調査よりも短期間で多くの回答を集められるからです。

現実的には、調査に割ける予算や人員、時間、実施時期なども考慮しながらアンケート種類を決めていきます

アンケート種類選定の例

  • アンケートの種類
    Web調査
  • Web調査の選定理由
    知名度を測る調査目的で、できるだけ誤差を小さくするために1000サンプルほど集めたい。したがって、短期間で多くのサンプルを集められるWeb調査を選定する。

【STEP3】アンケート調査票の設計

3つ目のステップは、アンケート調査票の設計です。

アンケートの手法が決まったら、次は以下の4つを決めて調査票を作成します。

  1. 設問(質問内容)
  2. 設問表示条件(回答者や回答内容によって質問を出し分ける条件設定。主にWebの場合)
  3. 回答形式(単一回答、複数回答、自由回答など)
  4. 選択肢(選択式の質問の場合)

また、求める情報が得られるよう、次の2つのポイントを押さえながら設計していきます。

ポイント1:集計のしやすさ

  • 調査後の分析を見据え、質問内容に統一性をもたせて集計に生かしやすくする。例えば顧客満足度を測るためのアンケートなら満足度に関わる質問のみとし、よく利用するSNSや休日の過ごし方といった関係のない質問項目を入れない。
  • あらかじめ選択肢を用意する。単一回答・複数回答・順位回答方式などを活用すると結果を数値化しやすい。
  • 読む人によって質問文の解釈が変わってしまうと集計に支障が出るので、複数通りの解釈や誤解を生まないよう注意する。

ポイント2:回答のしやすさ

  • 聞きたい内容を絞り込み、質問文の長さや質問の量が適切になるよう心がける
  • 質問文にはシンプルで分かりやすい言葉を用いる

調査票の例

Q1. あなたは商品Aを知っていますか?
(はい いいえ)
※「はい」と回答した方はQ2、Q3にもご回答をお願いいたします。

Q2. 商品Aをいつ知りましたか?
(直近1か月 1か月前~半年前 半年前以上)

Q3. 商品Aをどこで知りましたか?
(                )※自由回答

【STEP4】アンケート実施・集計

4つ目のステップは、アンケートの実施と集計です。

アンケートを実施した後は、回答を速やかに集計し、分析用にデータを整えます。
アンケート実施前に、いつまでに集計、データ化、分析するかをスケジュール立てておくとスムーズでしょう。

集計方法には、以下の2種類があります。

  1. 単純集計
    選択式の質問への回答数と回答比率をまとめる方法で、全体の傾向をつかむために行う集計方法です。
    例えば、ある質問に対して「はい/いいえ」を選んでもらう場合、「はい」と答えた人は何人で・全体の何%か、同じように「いいえ」はどうだったか、を表にまとめていきます。
  2. クロス集計
    性別や年齢、居住地などの属性を掛け合わせて集計する方法で、属性ごとの特徴を明らかにするために行う集計方法です。
    例えば「商品Aを知っていますか?」という質問に対して、「はい」と回答した10代は10%、そのほかの年代は全て50%を超えていたという結果だったら、10代の認知度だけ低いことが明らかになります。

【STEP5】結果分析・調査レポートの作成

5つ目のステップは、アンケート調査の結果分析と調査レポートの作成です。

集計が完了したら、集計結果を分析します。
質問にフリーコメント欄を設けておくと、その定性情報から「なぜこのような結果になったのか」を分析しやすいでしょう。

次に、分析した内容を、第三者にも分かりやすいよう調査レポートにまとめていきます。
内容としては以下を押さえておくと良いです。

  • 調査の背景(調査目的)
  • 調査概要(調査方法、調査期間、調査対象、回収状況)
  • 分析結果(集計結果、結果の理由など)

アンケート調査レポートの例

《調査の背景》
1年前に販売開始した商品Aが現時点でどの程度認知されているかを把握すべく、知名度調査を実施した。

《調査概要》

  • 調査方法
    インターネットによるアンケート調査
  • 調査期間
    2022年3月1日~3月10日
  • 調査対象
    10~60代の男女1000人
  • 回収状況
    回答率90%(有効回答数900)

《分析結果》

  • 集計結果
    知っていると回答した人が70%、知らないと回答した人が30%
  • 結果の理由
    知っていると回答した人のみに表示条件付けした設問「商品Aを何で知りましたか?」の回答のほとんどが「TVCM」であった。CMの効果が大きく、発売後1年という短い期間ながらも多くの方に認知していただいたと思われる。

【STEP6】目的を達成できたかの振り返り

最後のステップは、アンケート調査の目的の振り返りです。

調査レポートの作成後は、最初に設定した調査の目的がしっかり達成できたか、アンケート調査の振り返りも行いましょう。
また、アンケート調査の結果から次に必要なアクションが導き出せた場合は、その実施方法についても検討しましょう。

アンケート調査の振り返りの例

  • 調査目的が達成されたか
    900人と十分な数の回答を集めたことで、ある程度正確に知名度調査ができた
  • 調査結果を受けてのネクストアクション
    認知は十分にされているので、次は購入してもらうための広告戦略を立て、実行する

アンケート調査の4つの注意点

アンケート調査においては、注意すべきポイントもいくつかあります。
目的に合った結果を得るためにも、次の4点はぜひ押さえておきましょう。

1. 質問数は回答者の負担にならない範囲におさめる

アンケート調査の質問は厳選して、最低限の数にすることを心がけましょう

回答者の負担になるほど質問数が多いと、回答中に集中力が切れてしまったり、時間不足で全問回答できなくなったりします。
回答形式にもよりますが、目安としては20問以内、15分程度で終えられる数に抑えます。

もし質問数をどうしても減らせない場合には、調査を複数回に分けることも検討しましょう。
あらかじめ、回答者にアンケートの所要時間や質問数を示すのも有効です。

2. 質問の順番は答えやすいように並べる

質問は、内容や数はもちろんのこと「順番」にも気を配ることが重要です。
時系列に沿うようにしたり、関連する質問はまとめたりして、回答者が答えやすい順番に並べましょう。

また、最初の質問は、回答者のアンケートに対するハードルがなるべく低くなるよう、二択などすぐに回答できるものを設定することも有効です。
細かく掘り下げる質問をする場合も、ハードルの低い質問の後であれば答えやすくなります。

3. 個人情報の取り扱いに関する方針を明記する

調査が記名式の場合や、謝礼や商品の発送などで回答者の個人情報を得る必要がある場合には、個人情報保護法に従い、その取り扱いに関する方針を示さなくてはなりません

以下の内容は必ず明示しましょう。

  • 個人情報の利用目的
  • 個人情報の管理方法
  • 本人の同意なく第三者に個人情報を提供しない旨
  • 個人情報に関する問い合わせ窓口の案内(窓口は必ず設置する)

個人情報とは、氏名や生年月日、住所、電話番号など個人を識別または特定できる情報(文字、音声、録画など)のことです。
メールアドレスや会員IDなど、他の情報と合わせると個人が特定できる情報も含まれます。

4. 回答形式が定性的になりすぎないよう注意

アンケートにおいて、フリーコメント式などの定性的な回答形式は回答者の負担が大きく、また集計も困難です。
定性的な回答形式は避けるか、最小限に絞るよう注意しましょう。

そのための工夫として、尋ねたい内容をシンプルな複数の質問に細分化していく方法があります

例えば「商品Aについてどう思うか、良い点と悪い点について答えてください」という質問では、回答者が時間をかけて考える必要があり、負担が大きくなります。
しかし、「商品Aは100点満点中何点ですか?」「次に示す製品Aの特徴をそれぞれ5段階で評価してください」「良い/悪いと思った点を次の中から選んでください」のように分解したり、選択肢を用意したりすれば、直感的に回答でき数値化も容易になります。

Webアンケート調査を効率的に進めるためのツール3選

アンケート調査を実施する際には、調査をサポートしてくれるツールも活用することで、効率的に進められます。
ここでは、Web調査のための代表的なツールを3つ紹介します。
アンケート調査の作成に慣れていない場合や、作成を急いでいる場合には特に便利です。

1. Googleフォーム

Googleが提供するGoogleフォームは、Googleアカウントがあれば無料で利用可能です。

目的に沿ったテンプレートを使い、選択式・プルダウン形式・評価スケールなど回答形式を選びながら質問を入力するだけで、アンケートフォームが作成できます。

Googleスプレッドシートと連携することで、回答内容がリアルタイムに反映され、自動集計・グラフ化までも簡単に行えます。

こんな人におすすめ

  • アンケート作成がどのようなものか、まずは試してみたい
  • 普段からGoogleスプレッドシートを利用している

2. CREATIVE SURVEY

CREATIVE SURVEYは、アンケートの作成から公開、集計までワンストップで行えるツールです。

機能が豊富で分岐やスコア設定といった高度な設定もできます。
また、使いやすいインターフェースで、初心者でも簡単にアンケートを作成できるのが特徴です。
回答データはWEB上でリアルタイムに閲覧でき、グラフ表示、セグメント機能など分析のための機能も備わっています。

デザイン性と機能性の高いアンケートを作成できるので、回答率の向上やブランドイメージの強化にもつなげられます。

こんな人におすすめ

  • アンケート結果の細かい分析まで実施したい
  • toBビジネスでの顧客アンケートをしたい(Salesforceと連携が可能)

3. Fastask

Fastaskは、日本語入力システム「ATOK」でも有名なジャストシステム社が提供するツールです。
日本語処理技術で培ったノウハウを生かし、リサーチャーが調査上の作法やロジックのチェックまで行ってくれます。

画面に沿って記入するだけで簡単にアンケート作成ができ、集計結果はリアルタイムに確認可能です。
また、同様のサービスの中では低コストで調査期間が短いのも特徴です。

こんな人におすすめ

  • 低コスト、短時間でアンケート調査を実施したい
  • 作成したアンケートの質問内容などに問題がないかチェックしてもらいたい

まとめ

アンケート調査は、数あるリサーチ手法の中でも汎用性が高く、ツールも充実しているので比較的取り組みやすい点が魅力です。
この記事で紹介した手順を参考に、ぜひ実践してみてください。

アンケート調査以外のリサーチ手法については以下の記事で紹介しています。
詳しく知りたい方は、以下の記事をぜひ参考にしてみてください!

■参考記事:

また、ニジボックスでもUXリサーチに関して幅広いご支援を行っております。

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UX実績資料_ニジボックス
監修者
監修者_丸山潤
丸山 潤
元ニジボックス 執行役員、TRTL Studio株式会社 CEO、その他顧問やエンジェル投資家として活動

コンサルティング会社でのUI開発経験を持つ技術者としてキャリアをスタート。リクルートホールディングス入社後、インキュベーション部門のUX組織と、グループ企業ニジボックスのデザイン部門を牽引。ニジボックスではPDMを経てデザインファーム事業を創設、事業部長に就任。その後執行役員として新しいUXソリューション開発を推進。2023年に退任。現在TRTL Venturesでインド投資・アジアのユニコーン企業の日本進出支援、その他新規事業・DX・UX・経営などの顧問や投資家として活動中。

X:@junmaruuuuu
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