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ABテストに意味はない? 正しい方法と失敗原因を分析して有意義な改善を行うには

公開日 2024.2.7
ABテストに意味はない? 正しい方法と失敗原因を分析して有意義な改善を行うには

ニジボックスの案件事例をご紹介!


Webサイトやネット広告、ランディングページで効率良く集客・宣伝をする上で、ABテストは欠かせないものとなっています。
しかし、中にはABテストは意味がないという方がいます。

「ABテスト」とは2つのパターンを作成し、より高い成果を得られるパターンを検証するテストです。
ただし、ABテストは当てずっぽうにパターンを作成し、比較すれば良いというものではありません。

本記事では、ABテストを実施する意味や、より効果的にABテストを行うための注意点などを紹介します。
本記事で紹介する内容を、今後のWebサイト運営にご活用ください。

本当に意味がない?ABテストとは?

ABテストとは

ABテストとは、Webサイトや広告などを最適化するために実施するテストの1つで、Webサイトや広告などをAとBの2パターン用意することで「より高い成果を得られるパターンはどちらか」を検証します。
Webサイトを運営する上でABテストは重要ですが、テスト結果を受けて改善と検証を繰り返さなければせっかくのABテストも意味がありません。

しかし、正しいABテストの方法や失敗する原因を把握すればWebサイトの大幅な改善につながります
ABテストを効果的に行うために注意点や失敗原因を分析し、さまざまな企業が提供するツールなども積極的に使っていきましょう。

ABテストやABテストツールについては下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひ併せてご覧ください。

ABテストを実施する際の3つの注意点

ABテストはWebサイトの改善に多くのメリットがある一方で、注意すべき点が3つあります。
以下で紹介する3つの点に注意しつつ、効果的にABテストを行ってWebサイトを改善してみてください。

1. まとまった母数が必要となる

比較検討する際に基準とするのは、Webサイトへの訪問者数や成約者数などのユーザー数です。

基準はテストの方法や目的によって異なります。
しかし、基準が何であれそもそもの数が少ないと正確な効果を検証できません。
何千、何万というまとまったユーザーの母数があることで、はじめてABテストを行う意味が出てくるのです。
母数が100以下など少ない場合は、意味のある検証は非常に難しいかもしれません。

したがって、ABテストは母数となるユーザーをある程度確保する必要があります
そもそもの母数が少ない場合は、一定数以上のユーザー数を獲得するところからはじめましょう。

下記の記事では、ABテストの結果を評価する際に重要となる有意差について解説しているので、ぜひ併せてご覧ください。

2. 複数箇所をテストすると正確な分析ができない

2つのパターンを比較して結果の検討を行うABテストですが、比較する箇所を複数にしては意味がありません。
なぜなら、ABテストによる比較はあくまで1カ所ずつWebサイトを改善することが目的で、大規模な変更による集客を主な目的としていないからです。

ABテストを行う際、変更する箇所は1回のテストにつき1カ所にとどめましょう
複数箇所を同時に変更してABテストを行うと、どの箇所が理由で成果が上がったのかが分からなくなってしまいます。

中には、成果を求めて複数箇所を一度にテストしたくなるかもしれません。
しかし、急がば回れの精神で丁寧にABテストを繰り返しましょう。

複数箇所の検証を行いたい場合は、ABテストを何回も繰り返すことで、効果的な改善につなげてみてください。

3. 事前準備が重要

ABテスト_事前準備

ABテストは広告などの宣伝と違い、手軽に低コストで行える改善手法です。
しかし、手軽に行えるからといって、やみくもにはじめても望んだ効果は得られません。入念な事前準備が重要です。

では、ABテストを行う上でどのような事前準備が必要になるのでしょうか。

ABテストの事前準備で必要となるのは、目的や仮説の設定です。
対象となるサイトの目的は何か? どこに問題があって、何をすべきなのかを分析した上でABテストを行う目的を設定しましょう。

さらに、課題の特定とどうすれば成果が上がるのかなどの仮説を立ててABテストを行うことで、成果が上がりやすくなるでしょう。
Webサイトの目的設定や仮説の立案においても、ユーザー目線で検討することが重要です。

ABテストを実施した際のありがちな4つの失敗

過去にABテストをして何かしらの失敗をしてしまったという方もいるのではないでしょうか。
適切に条件を設定しないとABテストを行っても望んだ成果が得られないこともあります。

ここからは、4つのありがちな失敗例を紹介します。

1. サンプル数とテスト期間を適切に設定できていない

ABテストを行う際にありがちな失敗例の1つ目が、サンプル数とテスト期間を適切に設定しなかったことによる失敗です。

ABテストを行う上で母数は非常に重要な要素です。
たとえば、10人から集めたデータより100人、1,000人から集めたデータの方が正確な分析が行えます。
したがって、母数となるサンプル数は可能なかぎり最大化する必要があります。

Webサイトの場合は実施期間ではなく、母数が重要となります。
1日でPV(ページビュー)が何万もあればそれでも構わないのです。
そのためテストするサイトの1日のPV数やUU数を明確化した上で、必要な母数を得られる期間を決めましょう

以上を踏まえ、テスト期間は適切に設定し改善に必要なデータをとりましょう。

2. 仮説を立てずにABテストを実施してしまった

2つ目の失敗例は、仮説を立てずにABテストを実施してしまうことです。

目的と仮説の設定は非常に重要です。
仮説を立てずにテストを行うと、手当たり次第に検証することとなるため、検証項目が膨大になり多大な時間と労力をかけることになってしまいます。

また、仮説を立てずにテストした結果、成果が上がってもなぜそうなったのかを判断しづらくなります。
せっかく成果が上がっても明確な根拠も残せず、次に生かすことができないのです。

以上を踏まえた上で、ABテストを行う際には事前準備として目的と仮説を明確にし、ABテストに臨むことが大切です。

3. 複数箇所のテストを一度に実施してしまった

ABテストを行う際にありがちな失敗例の3つ目が、1回のテストで複数箇所を変更してABテストを行うことです。

なぜなら、複数箇所を変更してABテストを行うと、どの箇所の変更によって成果が上がったのか分からなくなるからです。

成果が上がったものの、なぜそうなったのかを分析できない場合は、テストの内容を見直してみましょう。
複数箇所のテストを1回で行った場合、得られたデータは正確性に欠けます。

以上を踏まえた上で、ABテストを行う際には焦らず地道な改善が重要ということが分かります。

4. 取得したデータを主観のみで分析してしまった

ABテストを行う際にありがちな4つ目の失敗例が、取得したデータを主観のみで分析することです。

目的と仮説を立て、適切なサンプル数とテスト期間を設定しABテストを行えば、目標とするデータを正確に取得できます。

しかし、目標とするデータを正確に取得できたとしても、得られたデータを個人的な主観で分析すると正確な分析結果が得られなくなってしまいますので、注意が必要です。

したがって、取得したデータは客観的かつ論理的に分析する必要があります。
より正確な分析と改善のために、フラットなスタンスで臨みましょう。

まとめ

本記事ではABテストを導入することのメリット、導入する際の注意点などを紹介しました。
みなさんの中には、ABテストは意味がないと考える方もいるでしょう。しかし、正しい手法で行えば、極めて有効な改善手法となります。

ぜひ、本記事で紹介した内容を参考に効率的なWebサイトの改善を行ってみてください。

またニジボックスでも、ABテスト実施による改善のご支援を行っております。下記にて事例を紹介しているので、ぜひこちらのページもご覧ください。

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監修者
監修者_丸山潤
丸山 潤
元ニジボックス 執行役員、TRTL Studio株式会社 CEO、その他顧問やエンジェル投資家として活動

コンサルティング会社でのUI開発経験を持つ技術者としてキャリアをスタート。リクルートホールディングス入社後、インキュベーション部門のUX組織と、グループ企業ニジボックスのデザイン部門を牽引。ニジボックスではPDMを経てデザインファーム事業を創設、事業部長に就任。その後執行役員として新しいUXソリューション開発を推進。2023年に退任。現在TRTL Venturesでインド投資・アジアのユニコーン企業の日本進出支援、その他新規事業・DX・UX・経営などの顧問や投資家として活動中。

Twitter:@junmaruuuuu
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