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CMSとは? 基礎知識やメリット、代表的なCMSを分かりやすく紹介

CMSとは? 基礎知識やメリット、代表的なCMSを分かりやすく紹介

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Webサイトを制作する際、本来であればHTMLやCSSといったマークアップ言語、スタイルシート言語などを使用する必要があります。
しかし、CMSの登場によって、マークアップ言語などWeb制作の専門知識がなくともWebサイトの制作や更新ができるようになりました。

本記事では、CMSについて基礎知識やメリットなどを解説します。
CMSという言葉を聞いたことはあっても「何ができる?」「どんな選び方をすれば良い?」と疑問を持っている方も多いでしょう。

ぜひ、この記事を参考にCMSについて理解を進めてください。

CMSとは

CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)とは、Webサイトの制作や運用に必要な機能がパッケージ化されたシステムです。

Webサイトの構築やデザイン設定、コンテンツ追加、画像管理など、Webサイトの運用に必要な作業を、HTMLなどの専門知識がない人でもできるように構築されています。

CMSを使用しない場合、HTMLやJavaScriptなどのマークアップ言語、プログラミング言語を使って、一ページずつサーバーに保存しながら、Webサイトを制作します。

一方CMSでは、CMS上で入力したテキストや画像を、そのままWebサイトとして反映させてくれるのです。
CMSの管理画面も、実際のWebサイトに近い画面で直感的に操作できるようになっており、専門知識がない人でも簡単に操作や編集ができるという特徴も持っています。

また、テンプレートや構築したデザインを利用してコンテンツを作れば、毎回コーディングをする必要もないので、コンテンツ制作にかかる作業を減らせるのも特徴です。

日本で利用されているCMS

2024年7月現在、日本で利用されているCMSは、下記のようになっています。

日本で利用されているCMS

出典:W3Texchs
※グラフは出典元を参考に、1%以下のサービスを省略し独自で作成しています

WordPressが、日本で一番使用されているCMSとなっており、82.8%のシェアです。
その他、ShopifyやAdobe Systemsなどが続いています。

CMSを導入するメリット5点

CMSを導入するメリット5点

CMSの導入は、Webサイトの制作や運用において、メリットがいくつかあります。
ここでは、CMSを導入するメリットをご紹介します。

1.Web制作の専門知識がなくても更新できる

CMSを使わない場合、マークアップ言語やプログラミング言語に精通している人がいないと、Webサイトの制作や運用ができません。
そのため、専門知識がない人がWebサイトの更新をしようとすると、毎回、専門知識のある人やWeb制作会社に依頼する必要があります。

CMSを利用すれば、管理画面上でテキストの入力や画像をアップロードするだけで、Webサイトの更新が可能です。
そのため、専門知識がない人がWebサイトの更新担当になったとしても、問題なくスムーズに更新できるでしょう。

Webサイトの制作や運用に関わる人を増やせるのが、CMSを利用する大きなメリットです。

2.更新頻度を高められる

上述したように、CMSを利用すれば、Webサイトの更新においてWeb制作会社や専門知識を持った人に毎回依頼しなくて済むので、手軽に更新ができます。

さらに、HTMLなどでコーディングする必要もないので、Webサイトの更新にかかる時間や労力も大幅に削減できるのもCMS利用のメリットです。

新着情報の更新、ECショップ内の商品更新、ブログ記事の作成など、頻繁に更新したい場合はCMSの導入を検討してみてください。

3.Webサイトの更新や運用を内製化できる

CMSは、Webサイトの専門家ではなくても運用や更新ができるため、自社での内製化が容易になります。
また、Webサイトの更新担当者を一人に絞る必要もなく、分業することも簡単です。

例えば、企業情報を更新する担当者、商品更新の担当者を分けることもできますし、ブログ記事作成を複数人で担う体制も作れます。
CMSには、アカウントごとに管理権限を付与する機能もあるので、担当者の管理も難しくありません。

4.マルチデバイス対応が簡単

現在は、PC、スマホ、タブレットなどWebサイトを閲覧するデバイスが多様化しています。
そのため、マルチデバイスへの対応が必須とも言えるほど重要です。

レスポンシブ対応しているCMSを利用すれば、こうしたマルチデバイスへの対応も簡単です。
管理画面で更新すれば、CMSが自動的にデバイスごとに最適化したデザインや構造に変換してくれます。

レスポンシブ対応については、下記の記事もぜひ併せてご覧ください。

5.SEO効果向上につなげられる

CMSは、コーディングやサイト構成、Webサイトを制作する上でSEOにも対応した製品が多いため、SEO効果を向上させることに役立ちます。
SEO対策をするには、適切なタグ設定やサイト構造など、Webサイトの制作上、気をつけるポイントがいくつかあります。

CMSは、これらのポイントを押さえたコーディングを自動的に行ってくれます。
そのため、担当者がSEOに精通していなくても、SEO対策がされたWebサイトの制作ができるでしょう。

また、サイトマップの更新機能、SEO効果の高いテキストが入力されているかの分析機能など、SEOに必要な機能を持っているCMSもあります。
SEOをより意識してWebサイトを制作・運用するのであれば、SEOに関連した機能にも注目してCMS選びを進めると良いです。

SEOについては、下記の記事もぜひ併せてご覧ください。

CMSを導入する際の注意するポイント4点

CMSを導入する際の注意するポイント4点

CMSにはいくつものメリットがありますが、注意点もあります。
CMSの導入前に注意点も理解した上で進めていきましょう。

1.テンプレートから外れたデザインは難しい

一般的にCMSでは、ある程度決められたデザインテンプレートやテーマが提供されており、そのテンプレートを利用してWebサイトの制作を進めていきます。

色やフォントの変更など、テンプレートの改修もある程度できることもありますが、デザインの変更や調整において、難しい点もあることを理解しておきましょう。

ただし、CMSを利用する場合でも、Web制作会社やCMSを提供している会社に依頼すれば、希望を反映したデザイン作りができることもあります。
CMSのテンプレートから、大幅に修正が必要なデザインにしたい場合は、まずはCMSの提供会社やWeb制作会社に相談してみると良いでしょう。

2.CMSにない機能の導入は難しい

CMSには、Webサイトを運用・管理するための機能が備わっています。
コンテンツの管理、編集機能が基本ですが、その他にも、SEO関連機能やデータ分析機能、ABテスト機能など、備わっている機能はCMSごとに違います。

導入したCMSに備わっている機能は使いやすく整備されていますが、CMSにない機能が欲しいとなっても、導入は難しいことが多いです。導入できるとしても開発が必要になり、多額の費用を必要とすることもあります。

CMSの導入前には、将来も考えた上でどんな機能が必要かを洗い出してから検討しましょう。Wordpressのプラグインのように、CMSによっては拡張機能がついているものもあります。基本機能にどんなものがあり、拡張機能としてどんな機能を備えられるかを確認しておくことも重要です。

3.制作時には、制作会社のサポートが必要なケースもある

CMSを使えば、専門知識がない人でもWebサイトの制作が可能です。
ただし、思い描いているWebサイトを完璧に実現するためには、難しいこともあります。

現在は、高品質なWebサイトも増えてきており、競合や他社に負けないサイトを作るためには、CMSを利用するとしてもWeb制作会社のサポートが必要となるケースが多いです。

ただし、一度デザインを決めてWebサイトを制作してしまえば、更新は内製化できることが多いです。
高品質なWebサイトにしたいのであれば、Webサイトの制作や運用において、外注する作業と内製化できる作業をWeb制作会社などと相談しながら決めていきましょう。

4.CMSの移行にはコストがかかる

CMSは、テキストやデザインに必要なコードなどのデータをCMSを通してサーバーに保存しています。
そのため、CMSを移行するとなると、既存の環境からデータ移行をしなければならなく、多くの労力やコストを必要とします。

Webサイトのリニューアル時に、CMSを移行するケースもありますが、基本的には一度決めたCMSは長く使用することを前提として導入したほうが無難です。

CMSの導入に向いているサイト

CMSの導入を検討したほうが良いサイトには、どのようなものがあるでしょうか。

下記ようなサイトは、「Webサイトの更新が多い」「こまめな運用が必要」「統一したデザインで多くのページを展開する」といった共通点があり、CMSを利用して作られているサイトが多いです。

  • オウンドメディア
  • ECサイト
  • コーポレートサイト

オウンドメディアを例にすると、そのサイトの性質上、同じデザインのブログコンテンツを高い頻度で更新していきます。
また、SEOを意識したリライトや、LPや他の記事へのリンク追加など、こまめなコンテンツの修正・運用が必要です。

こうしたサイトでは、CMSを導入して、簡単に多くの人がWebサイトの運用・更新ができる体制を整えたほうが良いでしょう。

コーポレートサイトについては下記の記事もぜひ併せてご覧ください。

CMSの種類

CMSにはいくつかの種類があります。
ここでは、CMSの種類やそれぞれの特徴を解説していきます。

オープンソース型

ソースコードが一般に公開されており、誰でも自由に使えるものをオープンソース型のCMSと呼びます。
誰でも自由に使えるので、基本的には無料で使用できるのが特徴です。
代表的なオープンソース型のCMSとして、Wordpress、Drupalが挙げられます。

ソースコードが公開されているため、多くの人が利用しており、拡張機能などもさまざまな会社が開発・提供しています。
自由度も高く、要望を反映したWebサイト設計ができる可能性も高いです。

一方で、自由度が高いこともあり、ある程度の専門知識が必要な作業も多いです。
また、公開されているコードのため、セキュリティの脆弱性が発見される頻度が高いものがあるのも注意すべきポイントと言えるでしょう。

公式のサポートがなかったり、一般利用者によるコミュニティでの対応に限られている場合もあるので、手厚いサポートや強固なセキュリティが欲しい場合は、向いていないかもしれません。

独自開発型

独自開発型のCMSは、ベンダーが独自に開発・設計して提供しているCMSです。
オープンソース型と比較して、セキュリティが強固で独自の特徴を持っているCMSが多いです。

独自開発型の中でも、サーバーをCMSのベンダーが管理する(クラウド型)か自社で管理する(オンプレミス型)かで、分類できます。

クラウド型

独自開発型CMSの中でも、CMSベンダーのサーバーを利用して、Webサイトを運用するタイプのものをクラウド型と呼びます。

代表的なクラウド型の独自開発CMSとして、ShareWithやBlueMonkeyが挙げられます。

サイトの種類や目的に応じてカスタマイズされたものも多く、強固なセキュリティを持っているのが特徴です。
また、クラウド型の場合、CMSのアップデートをベンダー側のサーバーで行うため、ユーザー側での作業が不要という特徴も持っています。

基本的には有料で提供されますが、その分サポートも手厚く、誰でも使いやすいUIを実現させています。

オンプレミス型

オンプレミス型は、クラウド型と違い、ユーザー側が自社でサーバーを持ち、その中でCMSを構築していきます。
大規模ページのサイトを構築する場合や、独自の機能を開発したい場合などに向いているCMSです。

代表的なオンプレミス型の独自開発CMSとして、SiTEMANAGEやMovable Typeが挙げられます。

カスタマイズ性の高さや自社サーバーで管理できる点など、メリットもありますが、導入までの費用や時間がかかる、アップデートも自社サーバーでの作業が必要など、デメリットもあります。

現在は、オンプレミス型、クラウド型のどちらも提供しているCMSも多いです。メリット・デメリットを見極めて選んでいきましょう。

CMSを比較する際のポイント5点

CMSを比較する際のポイント5点

数多くのCMSから自社に合ったCMSはどのように選べば良いのでしょうか。
ここでは、CMSを比較する際のポイントを解説します。

1.サイトの種類や目的

CMSはサイトの種類や目的に応じてカスタマイズされたものがあります。
例えば、ShopifyはECサイトに特化したCMSですし、ペライチは一ページ〜数ページのシンプルなWebサイトに向いているCMSです。

Webサイトの種類や目的に応じて、それらに特化したCMSや向いているCMSを選んでいきましょう。

2.デザインや機能の充実度や自由度

CMSごとに、デザインテンプレートや機能が異なります。
CMSを導入してWebサイト制作を進めるのであれば、デザインのイメージもある程度考えた上で、類似したテーマがあるか、類似サイトの実績があるかなどを確認して検討すると良いでしょう。

デザインについては、テンプレートを使ったとしても細かな調整が必要なことが多いです。
また、将来的にデザインを変更したいということもあるでしょう。
そのため、デザインの変更や調整にコストがどの程度かかるのかも、確認しておきたいところです。

CMSの機能も豊富にあるほうがもちろん良いですが、機能が充実したCMSは費用が高くつくということもあります。
自社に必要な機能をある程度洗い出した上で、CMSに備わっている機能かどうかを確認しておくと良いです。

3.導入費用やメンテナンス費用

独自開発型のCMSでは、導入や保守・管理に関して費用が必要となります。
CMSは長く利用するものなので、導入する際の費用だけではなく、メンテナンスや管理の費用も考慮した上で検討することがポイントです。

オープンソース型のCMSの場合、導入に関しての費用はあまりかかりませんが、導入作業や運用に関して、ある程度の知識がないと運用できないこともあります。
自社の人材で運用できるか確認し、外部の人材や会社に依頼するのであれば、どの程度の費用が必要なのかを調べておきましょう。

4.サポートの充実度

サポートの充実度もCMSを選ぶ上では重要なポイントの一つです。
特に、オープンソース型のCMSはサポートが充実していないものが多いので、注意してください。

サポートに関しては、無料の範囲と有料の範囲についても把握しておきましょう。
将来的にカスタマイズすることも考えて、サポートの内容や費用を確認して検討してください。

5.セキュリティ対策

Webサイトはウイルスなど外からの攻撃を受ける可能性もあるため、セキュリティ対策が必要です。
特に、オープンソース型のCMSはセキュリティホールが発見されることもあるので、独自に対策しなければなりません。
オープンソース型のCMSを利用する場合は、セキュリティ対策も合わせて検討しましょう。

独自開発型のCMSでも、攻撃を受けないためにセキュリティ対策やアップデート、メンテナンスの頻度などは確認しておきたいところです。

WordPressの特徴

日本では、WordPressが8割以上のシェアを誇っています。
CMSに詳しくなくてもその名前を聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。

CMSを検討する上で、候補にも上がりやすいWordpressの特徴についてご紹介します。

WordPressはオープンソース型のCMSで、無料で利用できるという点が大きな特徴です。
また、Wordpressは利用者が多いこともあり、プラグインと呼ばれる拡張機能をさまざまな会社や人が開発し提供しています。
そのため、機能やデザインの自由度が高いということも人気があるポイントの一つです。

一方で 公式に受けられるサポートがあまりなく、Wordpressを使いこなすためにはある程度の専門知識が必要です。
そのため、Webに関して知識がない人ばかりで運用するのは難しいかもしれません。

また、セキュリティに関しても、オープンソース型のため外部からの攻撃を受けやすい環境になっています。
セキュリティに関しては独自の対策を取る必要があるでしょう。

ただし、こちらもWordpressの利用者が多いことが関係していますが、Wordpressの専門知識を持った人材は非常に多くいます。
Web制作会社もWordpressを扱えるところがほとんどですし、フリーランスとして活動している方も数多くいます。
費用はかかりますが、外注すればWordpressを扱うこと自体に問題は少ないかもしれません。

自由度が高く、拡張性のあるWebサイトの運用をしたい方にとって、WordpressはピッタリのCMSといえます。

まとめ

本記事では、CMSについてその意味やメリット、種類について解説してきました。

現在では、Webサイトは企業の重要な情報発信の場となっており、最新情報をいち早く更新することも求められています。
それを実現するためには、CMSは非常に有用な製品です。

自社サイトの制作や運用に必要な機能や体制を考えた上で、ぜひCMSの導入を検討してみてください。

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監修者
監修者_丸山潤
丸山 潤
元ニジボックス 執行役員、TRTL Studio株式会社 CEO、その他顧問やエンジェル投資家として活動

コンサルティング会社でのUI開発経験を持つ技術者としてキャリアをスタート。リクルートホールディングス入社後、インキュベーション部門のUX組織と、グループ企業ニジボックスのデザイン部門を牽引。ニジボックスではPDMを経てデザインファーム事業を創設、事業部長に就任。その後執行役員として新しいUXソリューション開発を推進。2023年に退任。現在TRTL Venturesでインド投資・アジアのユニコーン企業の日本進出支援、その他新規事業・DX・UX・経営などの顧問や投資家として活動中。

Twitter:@junmaruuuuu
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