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インタラクションデザインとは? 4つの原則や5つの要素について解説!UXデザインとの違いも紹介

インタラクションデザインとは? 4つの原則や5つの要素について解説!UXデザインとの違いも紹介

ニジボックスのUXデザインフローや案件事例をご紹介!


近年Webサイトやアプリなどのデザイン分野では、「インタラクションデザイン」という言葉を聞く機会が増えています。導入すればユーザビリティやユーザー体験の向上につながるため、デザイン業界でも注目が集まっています。

しかし、「どのようなデザインか分からない」「どのような点に気をつけて作成すれば良いのだろうか」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、インタラクションデザインについて、原則や構成要素、導入のメリットなどを紹介します。

インタラクションデザインについて

インタラクションデザインとは、製品やサービスについて、ユーザーの操作に対応したプロダクトの反応や動作を設計することを指します。
「正しくユーザーに認知されるか」「ユーザーにストレスを与えないか」といった反応を考慮したうえで、ITサービスのデザイン分野で使用される言葉で、主な目的はプロダクトの操作感やユーザー体験の向上です。

製品やサービスが使用される場合、ユーザー側の操作とシステム側の反応はインタラクションデザインによって大きく異なります。

例えば、ノートパソコンの場合、操作するものとしてマウス、タッチパッド、タッチパネルがあります。

  • マウス:マウスを動かすことでカーソルを動かす
  • タッチパッド:板状のセンサーに指で触れてカーソルを動かす
  • タッチパネル:指で直接、画面上のアイコンなどをタッチする

インタラクションはどれも「パソコンを操作する」ことです。しかし、インタラクションデザインが違うため、操作やシステムの反応はそれぞれ異なります。

インタラクションの意味

インタラクション(Interaction)とは、日本語では「相互作用」を意味する言葉です。
IT用語ではユーザーが何か操作をしたときにシステムや機器が応じて反応を返すという意味で使われています。

つまり、インタラクションは機能を通し、人と機器などをつなぐという概念です。
システムや機器は、人が何かをしたときに反応がなければ使えません。
つまり、世の中のシステムや機器は全てインタラクションで成り立っているといえるでしょう。

例えば「スマホの充電」では、スマホを充電器につなぐという行動に対し、「充電マークが画面に出る」というインタラクションが成立します。
このように、IT分野では欠かせない概念といえるでしょう。

インタラクションデザインとUXデザインの違いとは

インタラクションデザインとUXデザインとの違いは、概念の範囲です。
インタラクションデザインは、ユーザーの操作に対応する反応一つ一つのデザインとなります。

一方UXデザインは、ユーザーが製品やサービスを通じて得られる体験全体のデザインです。
操作に対する反応はユーザーの顧客体験にもつながります。

つまり、インタラクションデザインはUXデザインの一部といえます。

UXやUXデザインについては下記の記事で解説しているので、ぜひ併せてご覧ください。

インタラクションデザインにおける4つの原則

インタラクションデザインにおける4つの原則

この章では、インタラクションデザインにおける4つの原則を見ていきます。
どの原則も非常に重要ですのでぜひチェックしてください。

1. 説明不要で操作を行える

操作する際に、説明文を読まなくても直感的な操作ができるデザインは、優れたデザインといえるでしょう。
このようなデザインをアフォーダンスといいます。

直感的な操作は、Webサイトやアプリのデザインにも応用が可能です。
例えば「電話マーク」は、押すと電話をかけられるという認識を持っている方が多いため、多くのWebサイトやアプリデザインに用いられています。

2. 制約事項の設定

雑然としたUIはユーザーを混乱させてしまい、ユーザビリティを低下させる要因となりかねません。
しかし、優れたインタラクションデザインを備えていれば、ユーザーの行動を制限しつつ、効率的にユーザーを導けます。

例えば、ユーザーがコンテンツを見ている際に、複数のリンクやCTAが雑然と並んでいるとしましょう。
ユーザーはどのリンクを押せば、自分の役に立つかが分からないため、サイトから離脱してしまうことや、CTAボタンを押さないままでいることがあります。

そのため、制約事項を適切に設定すれば、ユーザーをコンバージョンにつながるコンテンツに集中させられるでしょう。

CTAについては下記の記事で解説しているので、ぜひ併せてご覧ください。

3. レスポンス時間が適切

応答やデータ読み込みなどに時間がかかりすぎると、ユーザーに不快感を与えてしまいます。

例えば、Webサイトを閲覧しようとしても、読み込みに時間がかかるとユーザーは離脱してしまうでしょう。
また、構造が複雑になるほどレスポンス時間は長くなってしまいます。

Webサイトを作成する際や機能を追加する際には重くなりすぎることがないよう必要最低限の要素を意識することが大切です。

4. 一貫性の維持

UIデザインやインタラクションデザインには、一貫性の維持が重要です。

一貫性がないとユーザーが混乱してしまい、ユーザビリティが低下します。そのため、ボタンやリンクなどWebサイト内で使用される機能のデザインは一貫性を考慮しましょう。

多くの企業では、デザインシステムを構築するなどインタラクションとの一貫性を高めるための工夫を行っています。

一貫性の考え方については下記の記事で解説しているので、ぜひ併せてご覧ください。

インタラクションデザインを構成する5つの要素

インタラクションデザインを構成する5つの要素

ここでは、インタラクションデザインの5つの構成要素(言葉・視覚的表現・物質または空間・時間・行動)について詳しく解説します。
インタラクションデザインを行う際には5つの要素を意識して、ユーザーと製品のインタラクションを検討することが重要です。

5つの構成要素は、イギリスのインタラクションデザイン研究者Gillian Crampton Smith(ジリアン・クランプトン・スミス)氏の研究が元になっており、5Dと呼ばれています。

1. 言葉

言葉は直接的な表現であるため、適切な内容や情報量になるように調整しましょう。
Webサイトなどに載せる言葉は分かりやすくする必要がありますが、同時に、ユーザーに適切に意味が伝わるものでなければなりません。

2. 視覚的表現

画像やアイコン、色やグラフィックなどの視覚的表現もインタラクションデザインで大切な要素です。
言葉を補足して情報へと導く手助けとなるため、ユーザーが操作する際に重要となります。

例えば、スワイプ操作が必要になった際には、モーショングラフィックスなどがユーザーに分かりやすく伝える際に有効です。

3. 物質または空間

ユーザーが製品などを操作するための道具や媒体(物質)や、デザインと触れ合う空間も重要な要素です。
ディスプレイやマウス、スマホやタブレットなどの、デザインと触れ合うための物質とユーザーを取り巻く環境は、インタラクションに大きな影響を与えます。

また、いくら優れたデザインを作成した場合でも、ユーザーがデザインと触れ合う環境が考慮されていなければ、インタラクションは不十分です。

4. 時間

インタラクションデザインにおける時間経過の表現も、ユーザー操作に影響を与える重要な要素の一つです。
例えば、アニメーションやサウンドなど時間をかけて変化するものは、ユーザーが操作を楽しんだり進行状況を把握するのに役立ちます。

時間経過の表現を活用するとユーザーが満足感を得やすくなるでしょう。

5. 行動

インタラクションデザインでは、ユーザーがWebサイトなどでどのように行動や操作をするかに注目しなければなりません。
具体的には、「言葉」「視覚的表現」「物質または空間」「時間」の4つが組み合わさることで、どのようにサービスとユーザーのインタラクションに影響を与えるかに注目する必要があります。

また、その際のユーザーの感情的なフィードバックを分析し、より良いユーザー体験が得られるように改善を行うことも重要です。

インタラクションデザインを改善するメリット

ここでは、インタラクションデザインを改善するメリットを解説します。ユーザー側、企業側のメリットについて知っておきましょう。

ユーザー側における3つのメリット

インタラクションデザインをより良くすれば、ユーザー側は以下のようなメリットを得られます。

1. 簡単に正確な操作を行える

インタラクションデザインによって、表示項目を減らしユーザーの操作性を向上させる、操作が必要な項目を分かりやすく表示するといった工夫を行いましょう。

これらの工夫によってユーザーは簡単に正確な操作を行えるため、サービスや商品の顧客満足度向上につながります。

2. 操作したときに何が起こるか予測できる

なじみのある道具やツールなどと同じような操作性にすることで、次に何が起こるか予測しやすくなります。
デザインの一般性を確保すれば、ユーザーは操作時の反応を予測しながら操作できるため、ユーザー体験の向上が可能です。

3. 誤操作しにくい

インタラクションデザインを改善してサービスや製品をユーザーに使いやすくすることで、誤操作が少なくなり、エラーが発生しにくくなります。
ユーザーの使い勝手の良いインタラクションデザインならば、Webサイトからの離脱を防げるだけでなく、ユーザーの再訪も促せます。

企業側における3つのメリット

企業側は以下のようなメリットを得られます。

1. 企業側のしてほしい行動をしてもらえる

インタラクションを含め、Webサイトでユーザーに何をしてほしいかを明確にしましょう。
コンバージョン(Webサイトの訪問者が企業側の期待するアクションを取ること)までの工程を分かりやすく設計すれば、企業側が意図した行動へユーザーを促せます。

2. Webサイトの運営を円滑に行える

Webサイトの構造が複雑な場合でも、操作をシンプルで簡単にすればユーザー操作に関連する不具合やエラーを防げます。
不具合やエラーが少なくなるほど管理や問い合わせへの対応の手間が省けるため、Webサイトの運営を円滑に行うことが可能です。

3. 売上や集客につながりやすくなる

Webサイト内の操作が簡単で分かりやすければ、ユーザー体験が向上して再訪を促せます。
また、評判が良くなればユーザーが自然に周囲へ情報を拡散してくれるといった、集客への効果も期待できるでしょう。

集客が増加して売上向上を目的に設計したサイト内導線でユーザーが行動すれば、売上向上につながりやすくなるでしょう。

インタラクションデザイン作成時に求められる能力

優れたインタラクションデザインを作成するには、アイデアを伝えられる能力やデザインソフトまたは映像編集のスキルがあると有効です。
そこで、インタラクションデザインに求められる能力やスキルについて見ていきましょう。

アイデアの伝達能力

優れたアイデアを思いついたとしても、責任者や他のデザイナーなどに的確に伝えられなければ良いデザインは作成できません。
そのため、アイデアの試作品を作成するなど他人に見える形でまとめて伝える能力が求められます。

アイデアを伝える際には、アイデアを図解するなど説明の仕方を工夫しましょう。

デザインソフトや映像編集のスキル

Adobe PhotoshopやAdobe Illustratorなどのデザインソフトの使い方を身につけておけば、アイデアを落とし込む場合やビジュアルイメージを作成する場合に役立ちます。
また、映像編集のスキルがあれば、アイデアを映像化して分かりやすく伝えられるでしょう。

デザインソフトや映像編集に対する高度なスキルは必須ではありませんが、身につけるとアイデアをより分かりやすく伝えられます。

Photoshopの使い方については下記の記事で紹介しているので、ぜひこちらもご覧ください。

インタラクションデザインは専門的な視点が必要

インタラクションデザインは形としてのデザインだけでなく、ビジュアルや動き、サウンドなどさまざまな要素と関係があるため、専門的な視点が必要です。
そのため、自社内で設計することは容易ではありません。

インタラクションデザインを自社で設計することが困難な場合には、専門のインタラクションデザイナーに依頼しましょう。
UI UXデザインを専門に行っている会社であれば、インタラクションデザインについても専門的な知識や視点を持っています。

まとめ

インタラクションデザインとは、主にITサービスのデザイン分野で使用される言葉です。
製品やサービスについて、ユーザーの操作に対応したプロダクトの反応や動作を設計することを指します。

インタラクションデザインはUXにつながるため、顧客満足度を上げるためにも、重要なデザインです。
商品・サービスやWebサイト・アプリを制作する際にはぜひ考慮してデザイン設計してください。

ニジボックスはUI UXデザインの専門家としてUXデザインの改善に多く携わってきました。
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監修者
監修者_丸山潤
丸山 潤
元ニジボックス 執行役員、TRTL Studio株式会社 CEO、その他顧問やエンジェル投資家として活動

コンサルティング会社でのUI開発経験を持つ技術者としてキャリアをスタート。リクルートホールディングス入社後、インキュベーション部門のUX組織と、グループ企業ニジボックスのデザイン部門を牽引。ニジボックスではPDMを経てデザインファーム事業を創設、事業部長に就任。その後執行役員として新しいUXソリューション開発を推進。2023年に退任。現在TRTL Venturesでインド投資・アジアのユニコーン企業の日本進出支援、その他新規事業・DX・UX・経営などの顧問や投資家として活動中。

Twitter:@junmaruuuuu
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