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「ペルソナマーケティングは古い」は間違い?ペルソナの重要性と効果的な作り方を解説!

「ペルソナマーケティングは古い」は間違い?ペルソナの重要性と効果的な作り方を解説!

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「ペルソナ」は、マーケティングにおいて重要な要素の一つです。ただ、中には「ペルソナマーケティングはもう古い」という声を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。

この記事では、ペルソナマーケティングの概要とペルソナマーケティングが古いといわれてしまう理由とその対策、ペルソナマーケティングのメリットを紹介します。
併せて、ペルソナの作り方やチェックすべきポイントについても解説するので、参考にしてください。

ペルソナマーケティングとは

そもそも、ペルソナマーケティングとは一体どのようなものなのでしょうか。

ペルソナとは、「自社製品やサービスを利用する人」など、特定の属性を持った典型的な顧客像を指します。
幅を持たせたデモグラフィック情報で定義したターゲットに対して、いくつかの属性をもとにより詳細な人物像を設定し、実在する一人の顧客に見立てるのです。

ペルソナ設定時に用いる属性は、以下のように多岐にわたります。

  • 年齢
  • 性別
  • 名前
  • 職業・所属部署
  • 居住地
  • 家族構成
  • 趣味
  • 日頃の行動 など

このような属性を細かく設定したペルソナを活用し、自社のマーケティング分析や施策に反映させることをペルソナマーケティングと呼びます。

ペルソナについては以下の記事でも詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

「ペルソナマーケティングは古い」といわれてしまう理由2点

ペルソナを用いてマーケティング施策を行うペルソナマーケティングは、近年「古い」という声があがることも少なくありません。
では、なぜペルソナマーケティングは古いといわれているのか、その理由はご存知でしょうか?

ここからは、「ペルソナマーケティングは古い」といわれてしまう理由を2点紹介します。

1.AI技術の発達

デジタルマーケティングの分野ではより顕著に、AIによる消費者ごとに合わせたコンテンツの提供サービスや、ターゲティングの精度向上などの技術が発達しています。

AIの発展により、ペルソナを設定しなくても個々のユーザーに適した製品・サービスを提供できるため、近年ペルソナの設定は不要ではないかという意見が出始めてきました。
このような背景が、ペルソナマーケティングは古いといわれる理由の一つです。

ただ、どんなに発達が目覚ましくとも、AIだけでは商品の開発や企画段階の時点で顧客ニーズに応えることはまだ難しいという意見もあります。

そのため、AIが発達している現代であっても、ペルソナの設定は企画・開発などの上流フェーズにおけるマーケティング戦略において不可欠といえるでしょう。

2.製品やサービスとユーザーとの接点の多様化

近年、ユーザーが製品やサービスの存在を知る機会、すなわち接点が多様化していることも、ペルソナマーケティングが古いといわれる理由の一つです。

例えば、広告や宣伝、PRの分野においてはデジタル広告が増えており、テレビや新聞以外にもインターネットやSNSなどを介して製品・サービスに触れるユーザーは少なくありません。

それだけではなく、SNSや口コミの投稿など、ユーザー側から製品やサービスについて発信するケースも増えています。

このようなことから、マーケティングにおいて重要なのは、「誰が買うか」ではなく「どのような場面で買うか」ではないかという考え方も出てきました。

企業側はペルソナ設定に加え、「利用される場面/購入される場面」にも焦点を当てるなど、ユーザーとの接点の多様化に合わせることが求められるでしょう。

ペルソナマーケティングの活用には「ペルソナ」のアップデートが必須

先程、ペルソナマーケティングが古いといわれる理由について紹介しましたが、必ずしも「ペルソナマーケティング=古い」とはいえません。

例えば、AIでは開発・企画段階など上流フェーズにおけるマーケティング戦略のニーズに応えるのはまだ難しい、というのは前述したとおりです。
ユーザー接点の多様化に関しても、「利用される場面/購入される場面」にも焦点を当てることは重要ですが、ペルソナ設定が不要なわけではありません。

時代に合ったペルソナマーケティングに必要なのは、ユーザーを取り巻く変化や、製品・サービスに触れる機会の変化を取り込んだペルソナといえます。

そのため、時代やニーズの変化に合わせてペルソナ像もアップデートさせることが重要です。そうすることで、市場や需要にマッチした施策につながります。

ペルソナとターゲットの違い

次に、ペルソナと同様にマーケティングにおいて頻出する「ターゲット」と、ペルソナの違いについて解説します。ペルソナを設定する際は、ターゲットとの違いを理解し、混同しないように注意しましょう。

マーケティングにおける「ペルソナ」とは

マーケティング分野におけるペルソナとは、自社の製品やサービスを利用・購入するユーザーを、具体的な1人の人物像として設定したものです。

ペルソナマーケティングでは、このペルソナを活用し、「サービスを利用する人/製品を購入する人」はどのような人なのか、性別・性格・生活環境などを具体的に設定します。

このように設定した人物像をもとに、ユーザーの思考や行動傾向を分析し、施策を最適化することがペルソナマーケティングの特徴です。

「ペルソナ」と「ターゲット」の違い

「ターゲット」は、マーケティングにおいては「想定顧客層」を指す言葉です。年齢や居住地域、業種といった特定の属性や条件によって分類された集団(顧客群)であり、基本的に幅を持たせたデモグラフィック情報のみに限られます。

ターゲットは理想や目標の顧客群であるのに対して、ペルソナはサービスや製品利用者の中心となり得る顧客をより具体的に書き出したものです。

つまり、ターゲットはあくまで利用してほしい複数人以上の顧客が持つ共通の属性であり、ペルソナは実際に利用する一人の顧客像である点が、両者の違いといえます。

ペルソナについては、以下の記事でも詳しく解説しています。

マーケティングでペルソナが必要になるタイミング

「ペルソナについては理解したが、実際にはどのような場面で必要になるのか分からない」と疑問を抱く方もいるでしょう。ここからは、マーケティングにおいてペルソナが必要になるタイミングについて解説します。

ペルソナ設定は、製品・サービスに対してより訴求力の高い広告戦略を見つけたいときに必要です。
ペルソナを設定することで、ユーザーが製品に何を求めているのか、サービスを利用してどのような悩みを解決したいのか、などのニーズが見えるようになります。
そのニーズに訴えかけるような広告を作ると、より効果的な宣伝につながるでしょう。

また、新しい製品やサービスが想定よりも利用・購入されないとき、その原因を知るときも、ペルソナ設定が役立つタイミングの一つです。
新製品やサービスがターゲット層に受け入れられない原因を、ペルソナを用いて「消費者の視点」から探ることで、検証・改善が可能になります。

適切なペルソナマーケティングで得られるメリット

ペルソナマーケティングの適切な設定・運用によって得られるメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。

ユーザー視点を取り入れられる

ペルソナを設定することで、ユーザーの視点に立ってマーケティング施策のアイデアを出せるようになります。

ペルソナの作り方についての詳細は後述しますが、ペルソナとは、自社の商品やサービスを利用・購入する1ユーザー像を、ユーザーデータや意見を集約させて作ります。

具体的なユーザー像であるペルソナを用いることで、アクセス解析の結果や広告成果など、数字のデータだけでは分からないユーザーの視点を取り入れられます。

その結果、ペルソナとしている人物をいかに満足させられるかという観点で、開発・企画・広報などを進めていけるのです。

さらに、ユーザー視点を取り入れることは、企業側の「こういうユーザーに利用・購入してほしい」という考えと、実際のユーザーとのずれの予防・解消にもつながります。

担当者・担当部署間の認識を統一できる

ペルソナを作り、開発・企画・広報など、そのサービスや製品のプロジェクトに関わる部署や担当者間で共有することで、ユーザー視点やニーズの認識を統一できる点もメリットの一つです。

部署間や担当者間でターゲットや解決すべき課題の認識がズレていた場合、後々トラブルが発生しかねません。

具体的なペルソナを設定し、誰が見ても分かりやすい顧客像を作り共有することで、認識のズレやトラブルの回避、さらには円滑な業務進行にもつながるでしょう。

製品やサービスの完成度が高まる

ペルソナマーケティングには、製品やサービスの完成度を高めるメリットもあります。

例えば、企画段階において、「〇〇の層にとって便利なもの」のようにあいまいなアイデアしか出せない場合、想定ユーザーのニーズを満たしにくいでしょう。

その結果、製品やサービスが完成しても、思ったように売り上げが伸びない可能性も考えられます。

その反面、ペルソナのニーズを満たすアイデアを取り入れることで、よりピンポイントに需要を満たす完成度の高い製品やサービスを開発できます。

このように、ペルソナが最も望む製品やサービスの開発を目指すことで、実際のユーザーにとって本当に必要なもの、望んでいるものを提供できるのです。

ペルソナの作り方・運用方法

次に、実際にペルソナを作りマーケティングに運用するにはどうすれば良いのか、ペルソナの作り方と運用方法について解説します。

ペルソナをマーケティング戦略に生かしたいと考えている方は、ぜひ以下の3ステップを参考にしてください。

①ペルソナ像に必要な情報を集める

まずは、ペルソナ設計に必要な情報を、製品やサービスの既存ユーザーなどから収集します。

既存ユーザーはすでに自社製品やサービスを利用、購入しているため、既存ユーザーのデータを基にペルソナを設定することが重要です。
既存ユーザーが自社に興味を持った動機や製品・サービスの購入までの要因などの情報を、アンケートやユーザーインタビューで集めるとよいでしょう。

収集する情報は他にも、現在ユーザーが感じている製品やサービスの課題点、製品・サービスを知るまでの認知経路など多岐にわたります。
併せて、サービスや製品を利用・購入しなかった層の情報も収集することで、企画・開発やマーケティング戦略に有効活用できるでしょう。

新しい製品やサービスの場合は、後々ペルソナを見直すことを前提に仮説を立てて、既存ユーザーの情報を基にブラッシュアップしていくのがおすすめです。

②集めた情報を組み立て、ペルソナ像を描く

次に、集めた情報を基に、性別・年齢・氏名・住所などの基本情報に加え、さらに細かい項目を設定し、詳細な人物像を描き出します。

以下は、基本情報以外のペルソナ設定に必要な項目の一覧です。
あくまで一例であり、どのような情報を用いてペルソナ像を組み立てるかによって、必要な項目は変化する点に留意しておきましょう。

【ペルソナの項目例】

  • 名前、愛称
  • 職業
  • 性格
  • 人間関係
  • 経済状況
  • 最終目的・ゴール
  • 生活・仕事に置ける役割
  • 調査対象における知識レベル
  • 商品・サービスの利用経験、頻度
  • 商品・サービスの利用シーン、利用環境 など

また、ペルソナの組み立てには、「ペルソナシート」を作成するのも有効な手段の一つです。

ペルソナシートの作り方についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。こちらの記事もぜひご覧ください!

③運用・効果測定

開発や企画の軸にするのはもちろん、広告につながるコンテンツの情報発信においてもペルソナを軸にして運用することが一般的です。

例えば、企業のオウンドメディアなどは、コンテンツマーケティングとして有効な手段の一つです。
オウンドメディアで更新するコンテンツは、ペルソナ像に沿っているかどうか、ペルソナが製品やサービスのユーザーと異なっていないかを分析しながら作成されます。

また、ペルソナは一度設定したら終了ではありません。実際にペルソナ設定後にどのような効果があったのかを測定し、ペルソナが実際のユーザーとズレていないかを確認しましょう。
製品やサービスの効果測定の方法には、ユーザーへのインタビューやアンケートの実施が挙げられます。またオウンドメディアのような、Webサービスをはじめとした運用の効果測定の場合は、アクセス数などのデータ分析が有効です。

効果測定のデータを定期的にチェックしつつ、必要に応じてペルソナ像の見直し、改善を行うことが重要といえるでしょう。

オウンドメディアの運営とカスタマージャーニーについては以下の記事で詳しく解説しています。

効果を最大限発揮するために重要なペルソナ設定の3つのポイント

最後に、ペルソナマーケティングの効果を最大限発揮するために心がけるべきペルソナ設定のポイントについて3つ紹介します。

①具体的かつリアルな人物像を描く

ペルソナを作る際は、イメージや「こういうユーザーに購入・利用してほしい」などの希望を反映させるのではなく、具体性のある現実的な人物像を設定する必要があります。

そのためには、先程ペルソナの作り方の項目でも解説したとおり、既存の顧客データやユーザーのリアルの声など、根拠のある情報を集めて基準にすることが重要です。

実在するデータに基づき、現実のユーザーに近いペルソナを設定・活用することで、より効果的なマーケティング施策の実施につながります。

②誰にとってもイメージしやすい人物像を設定する

ペルソナは「モデルユーザー」として活用することが目的のため、誰にとってもイメージしやすい平均的なスペック、性格の人物像を設定しましょう。

現実とかけ離れた設定の人物や、感情移入しにくいペルソナ像では担当者やチーム間、部署間で情報が正確に伝わりにくく、情報の共有不足や認識のズレを招きかねません。

ペルソナのイメージしやすさを向上させるためには、イラストや写真などを用いて具体的な外見を設定する方法がおすすめです。イラストや写真によってリアリティが増し、より解像度の高いペルソナ像となります。

③ペルソナに反映させる情報は必要なものだけに絞る

ペルソナに情報を反映させる際は、集めた情報を全て落とし込まないように注意が必要です。ペルソナ像が複雑になってしまい、ニーズの把握がしにくくなる可能性があります。

そのため、ペルソナの設定時には集めた情報の取捨選択を行い、本当に必要な要素だけを設定に反映させることがポイントです。

製品やサービスの構造が複雑な場合や、ターゲット層が幅広い商材など、作成するペルソナが一人分のみでは対応が難しい場合は、ペルソナを複数人分作成して、情報を振り分け設定することも検討しましょう。

まとめ

AI技術の発達や、ユーザーと製品・サービスの接点の多様化により、「ペルソナマーケティングは古い」という声も少なくありません。

しかし、企画・開発段階のマーケティングをAIが担うことは難しいことから、ペルソナの重要性は依然として高いといえます。ユーザーと製品・サービスの接点の多様化に関しても、接点のバリエーションをペルソナ像に組み込むことで、解像度の高いマーケティング施策につなげることは十分可能です。

重要なのは、時代や環境、ユーザーのニーズの変化に柔軟に応えられるペルソナを設定することです。適宜効果測定と改善を繰り返すことで、より高いマーケティング効果を得られるでしょう。

ニジボックスは、リクルートの新規事業研究機関から誕生した経緯があり、ペルソナの作成からサービスの設計、開発まで数多く実施した経験がございます。

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監修者
監修者_丸山潤
丸山 潤
元ニジボックス 執行役員、TRTL Studio株式会社 CEO、その他顧問やエンジェル投資家として活動

コンサルティング会社でのUI開発経験を持つ技術者としてキャリアをスタート。リクルートホールディングス入社後、インキュベーション部門のUX組織と、グループ企業ニジボックスのデザイン部門を牽引。ニジボックスではPDMを経てデザインファーム事業を創設、事業部長に就任。その後執行役員として新しいUXソリューション開発を推進。2023年に退任。現在TRTL Venturesでインド投資・アジアのユニコーン企業の日本進出支援、その他新規事業・DX・UX・経営などの顧問や投資家として活動中。

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