【File.02】新人ディレクターが先輩に聞いた。「ディレクターはデザインを〇〇化せよ!」
みなさん、こんにちは。
ニジボックスでディレクターをしております、タナカです。
ありがたいことに、おかげさまでインタビュー企画第2弾を書かせていただけることになりました。
さて、困りました。
最近、あることで悩んでおります。
きっと、ものづくりをするすべての人に共感していただけるのではないでしょうか。
そう、デザインです。
デザインってなかなか数値化できないし、クライアントさんにとってもユーザーに手に取ってもらえるか、アクセスしてもらえるかの大きなカギの一つを握っているですわけですよね。
ディレクターとしてデザインの扱い方や提案、とにかくデザインを取り巻くあらゆることで、何を大事にしなければならないのか困っております。
そこで、今回はニジボックスのデザインチームのリーダーの行きつけのお店に付いて行って、デザインについてあれこれと学んでいこうと思います。
目次
イラストレーターからデザイナーへ
(写真上:神田さん 写真下:タナカ)
タナカ:本日はよろしくお願いいたします!それにしても、ニジボックスから遠かったですね。
神田さん:よろしくね。
そうだよね。でも行きつけっていうくらいだから絶対、新宿じゃないとと思ってね。
タナカ:なぜ、新宿なんですか?
神田さん:新宿は自分が大学の時に上京してから、初めて触れた東京の街なんだよね。
だから新宿がすごく好きで、今も日曜にはこういう雰囲気のお店とか開拓してるんだよね。
タナカ:なるほど、お店というより街そのものが好きなんですね。
そうだ!忘れてしまいそうでした。改めて自己紹介をお願いいたします。
神田さん:神田です。今はデザインチームのリーダーをしてます。
タナカ:今は、というと昔は別の職種だったんですか?
神田さん:そう。ニジボックスに入社した時は、イラストレーターをしてたよ。
タナカ:え?!そこからどうやってデザイナーになったんですか?
神田さん:イラストレーターとしてニジボックスに入社した当初は、ゲームの背景とかキャラクターを描いてたんだけど、ある時にクライアント窓口に立ったことがきっかけで、イラストレーターからデザイナーの領域で仕事をする機会が一気に増えて、そこから段々とデザイナーって自覚が出てきたかな。
タナカ:すごいですね、そのまますぐデザインチームのリーダーになられたんですか?
神田さん:いやいや、そんなことないよ。
それこそ当時、横についてくれた先輩に毎回できたイラストやデザインのフィードバックをもらってたんだけど、ことごとく採用されない「ボツ」の連続だったよ。
今でも覚えてるのは、丸一日かけてつくったバナーがお蔵入りになったこともあったな(笑)
タナカ:お蔵入り(笑)
神田さんにとってニジボックスでの転機っていつですか?
神田さん:デザインチームのリーダーに就いてすぐ、別の会社に業務委託のゲームのディレクターとして担当を任されたことかな。
タナカ:なぜ、いきなり別の会社でしかもゲームのディレクターにですか?
神田さん:当時、ニジボックスの先輩方に「神田が行くといい勉強になるし、人手が足りてないから行ってこい!」って言われてだったかな。
それから、任期を終えてニジボックスに帰ってきてからも、また別の案件で今度はアートディレクターとして参加させてもらうことになったり…。
今思えば、あの時からずっと”デザイナー+何か”を兼任するような形で仕事をさせてもらってるかな。
タナカ:それはすごく特殊な経験ですね。
神田さん:でも、あの時の経験が今の仕事にすごく生きているって実感するよ。
タナカ:生きているとは?
神田さん:クリエイターにとって必要不可欠な「どんな時も、どんな変化にも柔軟である」ことをその時に身につけられたからだよ。
色んな場所で色んな仕事ができたからこそ人や環境の違いにも気づけた。
デザインの技術以外にもホスピタリティとかコミュニケーション能力を体で実感を持って覚えることができたね。
デザインの力を生かすためには?
タナカ:神田さん、ぜひお聞きしたかったのですが、ディレクターはデザイナーさんとどう手を取り合っていけばいいんでしょうか。
神田さん:難しいなあ…(笑)
それは色んな答えがあるから、これが正しい!って言い切れないけど。
僕が言えるのは、デザイナーをなるべくクライアントに「見える化」してほしいってことかな。
タナカ:見える化とは?
神田さん:普段デザイナーの存在ってクライアントさんからしたら、なかなか目に見えない存在になりがちだし、デザイン一つ一つの意図が伝わらないことって多いと思うんだよね。
だからディレクターさんはデザインの意図やそういうデザイナーの申し送り、熱意をクライアントへ曖昧にせず、しっかりと伝えてほしいなあ。
タナカ:デザイナーさんの制作意図を曖昧にしないためにはどうしたらいいですか?
神田さん:それは出来たものに対して、互いの腑に落ちるまで話をすることじゃないかな。
タナカ:腑に落ちるまで話す?
神田さん:デザインってロジックで組み立てるようにつくることが出来るんだよ。
ただ、デザインって意外とファジーというか感覚的な部分もエッセンスとして大事なんだよね。
ウチのチームでは、特にそのファジーな部分でさえ、しっかりと社内やクライアントにもロジカルに説明してほしいって伝えているんだよね。
その一つのデザインすべての要素が必要なものであることが伝わるためにね。
タナカ:確かに、ロジックで説明してもらうことで誰もが理解できるようになりますよね。
神田さん:だからこそ、ディレクターさんには徹底的に僕たちデザイナーと話し合ってほしいんだよね。
もちろん、僕たちデザイナーももっと前のめりな戦う姿勢を忘れちゃいけないけどね。
そうやって互いに腑に落ちたものでないと世の中に出しちゃいけないと僕は思ってるから。
それに、そうやって魂を込めたものって必ずクライアントやその先のユーザーに届くと僕は信じてるから。
タナカ:わかりました。
僕もデザインをクライアントへしっかり届けるために、デザイナーさんの熱意や意図をもっと「見える化」できるように頑張ります。
デザイナーとして本当に面白いこと
タナカ:最後にニジボックスのデザイナーである神田さんが面白いって感じることって何ですか?
神田さん:僕はつくることそのものよりも、その先にある「リアクション」に面白みを感じるね。
例えば、自分のデザインでサイトのアクセス数が伸びたとか、サイトが使いやすくなったとかの声であったり、そういうリアクションを感じられた瞬間が僕にとってのこの仕事の面白さかな。
タナカ:なるほど、つくったものに対する「リアクション」があることなんですね。
僕も目の前のクライアントさんはもちろん、その先のユーザーへ届けるよう想像してディレクションできるように頑張ります。
ありがとうございました!
今日の振り返り
神田さんの話を聞くことで、デザイナーさんにどう真摯に向き合っていくべきか、ディレクターとしてどう応えていくべきか非常に勉強になりました。
もっとデザイナーさんとのコミュニケーション増やしていきたいと固く決心した新宿の一夜でした。
本日の学び
- どんな時もどんなことにも柔軟であれ
- 互いの腑に落ちるものづくりをする
- リアクションが起きる仕事をする