マーケティングフレームワークを紹介!活用方法を理解しよう

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マーケティングのフレームワークには、さまざまなものがあります。
フレームワークを通じて考えることで、市場分析・課題整理・仮説検証などを効果的なものにできます。しかし、闇雲に使っても効果的に活用できません。分析や検証したいものに合わせて適切なフレームワークを使うようにしましょう。
この記事では、マーケティングフレームワークを紹介します。ぜひ参考にしてください。
目次
マーケティングフレームワークとは?
マーケティングフレームワークとは、マーケティングを考える上で活用できる「思考の型」です。フレームワークを活用することで、マーケティング上の課題抽出・市場分析・情報整理・戦略立案などを考えやすくなります。
マーケティングフレームワークがないと、立案する人の経験則に依存することとなり、考えに抜け漏れが生じてしまう可能性があります。また、チームで考える際にもそれぞれがバラバラに考えてしまうと、整理できないでしょう。
マーケティングフレームワークを活用することで、考えるべき項目の抜け漏れが少なくなり、複数のメンバーでも、全員が分かりやすく整理した状態で考えられるようになるでしょう。
マーケティングフレームワークの一覧
本記事で紹介するマーケティングフレームワークを一覧にしました。
こちらから必要なフレームワークを見つけ出して、ぜひ活用してください。
| 分類 | フレームワーク | 特徴 |
|---|---|---|
| 市場分析・選定 | 3C分析 | 市場全体を俯瞰して分析する |
| SWOT分析 | 市場の中での勝ち筋を見つける | |
| STP分析 | 市場においての自社の立ち位置を明確にする | |
| 5フォース分析 | 競合の状況を把握する | |
| 自社事業分析 | ペルソナ | 自社の顧客像を明確にする |
| カスタマージャーニーマップ | 顧客接点を整理する | |
| 4P | 商品・サービスの特徴を整理する | |
| 4C | 商品サービスの特徴を顧客目線で整理する | |
| 事業全体の整理 | ビジネスモデルキャンバス | 自社の事業構造全体を俯瞰して整理する |
| リーンキャンバス | プロダクトとマーケティングを整理する | |
| バリューチェーン分析 | オペレーションとマーケティングを整理する | |
| 仮説検証 | ストーリーボード | アイデアを可視化してユーザーテストする |
| MVP | 実用最小限の製品でユーザーテストする |
「市場分析・市場選定」をするときに使えるフレームワーク
ここでは、市場分析をする際に使えるフレームワークを紹介します。
マーケティングを考える上で、市場や競合の状況を把握しておくことは重要です。これらのフレームワークを活用して整理していきましょう。
【3C】で全体像を捉える

3Cとは、下記3つの視点から市場と自社環境の大枠を捉えるのに便利なフレームワークです。
- Customer(顧客・市場)
- Competitor(競合)
- Company(自社)
各視点において一つ一つ情報を挙げることで、事業環境を整理していきます。
- Customer
・事業の顧客となり得る人はどんな人か
・顧客のニーズはどんなものか - Competitor
・競合の数はどれくらいあるか
・競合のリソース(資本、人員など)
・競合の強み、弱み - Company
・自社のリソース(資本、人員など)
・自社の強み、弱み
競合についての情報を収集するときは、
「直接的な競合」「間接的な競合(価値競合)」
双方を見ることで、より幅広い市場を捉えることができます。
例えば、漫画アプリの新規事業を考えるとき、直接的な競合は既存の他漫画アプリです。
しかし、「可処分時間を楽しく過ごすサービス」の観点で考えると、間接(提供価値)的に「動画アプリ」「ゲームアプリ」なども競合になります。
【SWOT】で勝ち筋を見つける
3Cの観点で整理した情報から、さらに分析を進めます。

SWOTとは、自社と競合・顧客の情報から、事業のKSF(成功要因)を導き出すフレームワークで、下記4つの要素があります。
- Strength(強み)=内部要因×ポジティブ要素
- Weakness(弱み)=内部要因×ネガティブ要素
- Opportunity(機会)=外部要因×ポジティブ要素
- Threat(脅威)=外部要因×ネガティブ要素
「強み」「弱み」は、内部要因のため、自社でコントロールできる範囲の中でのポジティブ・ネガティブ要素を指します。
「機会」「脅威」は、外部要因のため、自社でコントロールできないポジティブ・ネガティブ要素を指します。SWOT分析で整理した後には、それぞれの要素を掛け合わせて戦略を考える「TOWS戦略」という戦略を考えるためのフレームワークもあります。
【STP】で立ち位置を明確にする

STPとは、下記3つの頭文字をとって、事業における自社の立ち位置=競合との差別化ポイントを明確にするためのフレームワークです。
- Segmentation=ニーズのグループ化
- Targeting=狙うグループ選定
- Positioning=自社の立ち位置の見極め
STP分析は、上から順に以下のように進めていきます。
【1】 Segmentation
市場全体から、同じようなニーズを持っている顧客を「グループ」にする。
↓
【2】 Targeting
1でグループ化した中から、自社の事業における商品・サービスを最も必要としてくれそうなグループを見つける。
↓
【3】 Positioning
2でターゲットに設定したグループに対して、競合より魅力的に見える戦略を考える
【5フォース分析】で自社を取り巻く脅威を把握する
5フォース分析は、競合や新規参入など、5つの脅威を把握するフレームワークです。
業界内と業界外の脅威を整理することで、どの程度の脅威がありどんな対策をしていくかを考える手助けをしてくれます。
5フォース分析の要素は下記の5つです。
- 業界内の競争業者=直接的に競合となる会社
- 売り手の交渉力=仕入れ先の交渉力(自社製品のコストなどに影響)
- 買い手の交渉力=販売先の交渉力(自社製品の価格などに影響)
- 新規参入者の脅威=業界外からの新規参入者
- 代替品の脅威=従来にはなかった競合となる商品・サービス
5フォース分析の要素は、日々変化していくので定期的に更新していきながら、自社を取り巻く脅威を正確に把握するようにしましょう。
「自社事業分析」をするときに使えるフレームワーク
次は、「事業の価値」を分析するときのフレームワークです。
顧客像や自社の商品・サービスの特徴を理解して、マーケティング活動につなげていくためのフレームワークとなります。
【ペルソナ分析】で顧客像を明確に

ペルソナ分析とは、顧客をより深く分析するためのフレームワークです。
事業の良質なお客様となってくれそうな顧客イメージを明確にすることで、より商品・サービスを効率的にアピールすることができます。
そんな顧客の人物像を描くには、年齢・性別・職業など基本的な要素はもちろん、趣味・愛読書・好きなタレントなどより「個人」に準拠した要素も明確にすることが重要です。
さらには、口癖・悩み・恋愛に対する価値観など、行動や心理傾向も思い描くことで、商品・サービスへの共感ポイントを作りやすくなります。
実際の分析では、
【1】 大まかなターゲット層に対して情報収集
↓
【2】 データ分析、情報のグルーピング
↓
【3】 物語風にペルソナ作成
と、コスト・時間がかかりますが、商品・サービスデザインやマーケティングなど、全てにおいて方針を固めやすくなるメリットがあるので、取り組んでおくべきです。
ペルソナについては下記の記事で解説しているので、ぜひ併せてご覧ください。
【カスタマージャーニーマップ】で顧客接点を整理
カスタマージャーニーマップは、「ユーザーが商品・サービスの購入をするまでの一連のプロセスを可視化したもの」です。
購入過程において、商品・サービスと顧客との接点はあるか、顧客の感情や思考の動きはどうなっているかを整理して、購入過程における自社課題を抽出します。
購入過程は「AISAS(認知・興味・検索・行動・共有)」などの、購買行動モデルをベースに考えることが多いです。
マーケティングでの課題抽出や重点的に力を入れたいことを整理するのに役立つフレームワークとなっています。
カスタマージャーニーマップについて、詳しく知りたい方は下記も参照してください。
【4P】で商品・サービスの特長を整理
4Pとは「自社側の視点」から、事業の商品・サービスの特長を整理するときに使うフレームワークで、下記4つのPを示します。
- 製品(Product)
- 価格(Price)
- 流通(Place)
- 販売促進(Promotion)
【4C】で顧客からの見え方を整理
4Cは「顧客側の視点」から、商品・サービスのメリットを整理するときに使うフレームワークで、下記4つのCを示します。
- Customer Value(顧客価値)
- Cost(顧客にとっての経費)
- Convenience(顧客利便性)
- Communication(顧客とのコミュニケーション)
【4P×4C】で新規事業の魅力を明確に

4Pと4Cの各項目はそれぞれ対応しています。
4Pにおける「事実情報」を、4Cにおける「顧客体験」と照らし合わせながら分析しましょう。
事業を進めていく上で陥りがちな状況の一つに、「自分たちの事業は世界一素晴らしい、絶対成功する!」と思い込んでしまうことがあります。
特に事業の具体的な商品・サービスを開発する際に陥りがちです。
しかし、そこで一度冷静になって、4Pと4Cを掛け合わせて客観的に分析することが重要です。
「素晴らしい」と思っていた商品・サービスが、顧客目線で考えると「意外と魅力的ではない」と見えることはよくあることです。実際に事業化する前にこのことに気づくことができれば、早い段階で商品・サービス内容を見直すことができます。
「事業全体の整理」をするときに使えるフレームワーク
ここで一旦、事業全体の構造を俯瞰して整理してみます。
【ビジネスモデルキャンバス】で事業構造を俯瞰する

ビジネスモデルキャンバスとは、ビジネスモデルを可視化できるフレームワークです。
価値提案を中心に据え、左側が組織体制をはじめとする自社の要素、右側がマーケティングの要素、下2つが収益とコストの構造を示しています。
各要素を記入する順番は決まっていませんが、以下の順で進めると整理しやすいと思います。
ほとんどの要素を、ここまで見てきたフレームワークで出した情報を足掛かりとすることができます。
- 顧客
事業が対象とする顧客
⇒3CのCustomer - 提供価値
顧客に提供する価値
⇒4P×4Cで明確にしたもの - チャネル(販路)
販売経路や、商品・サービスを顧客が認知する流れ
⇒4CのCommunication - 顧客関係
顧客とどのような関係を構築するか
⇒4CのCommunication - 収益
どのように収益を上げるか、利益率はどれくらいか
⇒SWOTやSTPで分析して算出 - キーリソース(カギとなる資源)
ヒト、モノ、カネ、情報などの中から、提供価値を生み出すもの
⇒3CのCompany - 主要な活動
提供価値のためのアクション
⇒STPのPositioningなど - キーパートナー
自社にないリソース・活動を提供してくれるパートナー
⇒SWOTのWeaknessを埋めてくれるもの - コスト
価値を提供するのにかかるコスト
⇒キーリソース、主要な活動、キーパートナーにかかるコスト
ビジネスモデルキャンバスについては下記の記事で解説しているので、ぜひ併せてご覧ください。
【リーンキャンバス】でプロダクト・マーケティングを俯瞰する

リーンキャンバスは、ビジネスモデルキャンバスと同様にビジネスモデルを一枚のシートで可視化できるフレームワークです。
リーンキャンバスには、リソースやパートナーといった、会社がすでに持っている資産の項目がなく、課題やソリューションといったプロダクトと顧客の関係性に注目しているのが特徴です。
そのため、新規事業やスタートアップといった、顧客に新たな価値提供を目指すビジネスモデルに向いているといえるでしょう。
リーンキャンバスにある「圧倒的な優位性」や「独自の価値提案」は、競争が激しい市場の中でマーケティングを行う上でも整理しておくべき項目です。プロダクトと顧客の関係性を整理してマーケティングに生かしていきましょう。
リーンキャンバスは、ビジネスモデルキャンバスと併用することでより効果を発揮します。ビジネスモデルキャンバスはより俯瞰的に、リーンキャンバスは顧客やプロダクトに注目して分析できるため、どちらも効果的に活用していくことがポイントとなります。
リーンキャンバスをより詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。
【バリューチェーン分析】でオペレーション・マーケティングを俯瞰する

バリューチェーン分析は、事業においての仕入れから顧客へ商品・サービスが届くまでのプロセスを事業者主体で整理するフレームワークです。
オペレーションサイドとマーケティングサイドで区切って、それぞれの環境や施策を整理していきます。自社の利益を最大化させて顧客満足度も高めていくには、マーケティングサイドだけではなく、オペレーションサイドも一貫した状態で俯瞰することが重要です。
自社のリソースや関係先も把握した上で、自社の事業規模やフェーズに合ったマーケティング施策を考えるのに役立ててください。
バリューチェーン分析をさらに知りたい方はこちらも参照してください。
「仮説検証」をするときに使えるフレームワーク
商品・サービス自体の価値や優位性を考えることは、マーケティング上でも重要です。
大々的にマーケティング施策を実施する前に、テストや小規模なリリースを行いながら、商品・サービスを磨き込むことで、マーケティングの効果も最大化できます。
ここでは、仮説検証に役立つフレームワークを紹介します。
【ストーリーボード】でユーザーテストする
ストーリーボードとは、商品・サービスを通して顧客が体験する「ストーリー」を、視覚的に描写したものです。
さまざまなシーンで利用できるフレームワークですが、仮説検証においては商品・サービスを実際に作る前に、ユーザーに利用体験をイメージしてもらえるというメリットがあります。
商品・サービスを利用するシナリオを漫画のように見せられるので、単にスペックだけの商品説明よりも、よりリアルなユーザーの声が聞けるのです。
ストーリーボードについては下記の記事で解説しているので、ぜひ併せてご覧ください。
【MVP】で小さくはじめてみる

MVPとは、「Minimum Viable Product」の略で、日本語にすると「実用最小限の製品」を意味します。
まだ仮説しか立てていない段階で、商品・サービスを事業成立後と同様に作ってしまうと、それが市場に受け入れられなかったときに大きな損失となります。
そこで、シンプルな商品・サービスを開発して、それを顧客に使ってもらい、有用性をフィードバックしてもらうのです。
よく実例として挙げられるのが、「車」のMVPです。
車の実用性とは、「徒歩よりも楽に、早く移動ができること」なので、例えばその実用最小限の製品として「スケートボード」を作ります。
これを利用してもらい、顧客に受け入れられたら「車のニーズがあるかもしれない」と判断するのです。
MVPについては下記の記事で解説しているので、ぜひ併せてご覧ください。
マーケティングフレームワークを活用するときのポイント
マーケティングフレームワークを活用する際には、いくつか意識しておきたいことがあります。
ここでは、フレームワークを活用するときのポイントを紹介します。
フレームワークは必要なものを使う
フレームワークは全てを必ず使わなければいけないわけではありません。
フレームワークは、思考を整理する上で有効ですが、労力や時間がかかるものでもあります。そのため、フレームワークを完成させるために労力を割くのではなく、現状の課題や状況を整理したいときに活用するようにしましょう。
例えば、商品・サービスの売り上げが下がったときに周りの脅威を把握したいときは5フォース分析を実施すると良いです。また、自分たちが考えているターゲットと実際の顧客が異なると感じたときは、ペルソナを再度作り直すなど、状況に応じてフレームワークを活用してみましょう。
フレームワークは万能ではない
フレームワークは、あくまで「思考の型」です。そのため、事業やマーケティングを考える上で完璧なものではありません。
フレームワークに沿って、自社や競合の環境を整理している際に、別の視点も必要だと考えたときには、フレームワークの型を飛び出して整理することが必要になるかもしれません。
ただし、フレームワークを飛び出して議論の方向性がずれてしまうと、効果的な議論ができません。そのため、フレームワークに沿って一度整理した上で、不足している議論を行うという順序で進めていくと良いでしょう。
まとめ
どんな手法やフレームワークでも、ただそれを知っているだけではビジネスの結果には結びつきません。
結果として実らせるためには、実践する中で経験を積み、手法を自分のものにしていく必要があります。
下記資料では、新規事業の立ち上げからリリースまでを具体的にどのように進めるべきなのかについて、よくあるご質問を交えながら解説しています。
ぜひUXリサーチを用いた事業推進への理解を深めることにお役立てください。
また、ニジボックスは、社内新規事業立ち上げのご支援にも携わっています。
新規事業立ち上げ支援にご興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください!
監修者
丸山 潤
コンサルティング会社でのUI開発経験を持つ技術者としてキャリアをスタート。リクルートホールディングス入社後、インキュベーション部門のUX組織と、グループ企業ニジボックスのデザイン部門を牽引。ニジボックスではPDMを経てデザインファーム事業を創設、事業部長に就任。その後執行役員として新しいUXソリューション開発を推進。2023年に退任。現在TRTL Venturesでインド投資・アジアのユニコーン企業の日本進出支援、その他新規事業・DX・UX・経営などの顧問や投資家として活動中。










