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ビジネスモデル俯瞰図は事業の活性化や見直しに有効! 具体的な書き方やテンプレートを紹介

ビジネスモデル俯瞰図は事業の活性化や見直しに有効! 具体的な書き方やテンプレートを紹介

ビジネスを円滑に進めるためには、ビジネスモデルの構築が欠かせません。ビジネスモデルはビジネスにおける設計図であり、設計図なくして成功はないといえるでしょう。

ビジネスモデルとは、事業の収益を生み出す、新規事業開発には欠かせない仕組みです。
そんな重要なビジネスモデルをより分かりやすく図解するために用いられるものが「ビジネスモデル俯瞰図」です。
この記事をご覧の方の中には「ビジネスモデル俯瞰図を作成したいが具体的な作成方法が分からない」という方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、ビジネスモデル俯瞰図の書き方やExcelでの作り方を解説します。

ビジネスモデルとは

ビジネスモデルにはさまざまな定義がありますが、一般的には「事業開発において顧客に価値を提供するための設計図」といえるでしょう。

また、ビジネスモデルに関して世界的な権威であるアレックス・オスターワルダーは、ビジネスモデルを以下のように定義しています。

“ビジネスモデルとは、どのように価値を創造し、顧客に届けるかを論理的に記述したもの”

このことからも、ビジネスモデルは事業の収益を生み出す、新規事業には欠かせない仕組みといえるでしょう。詳しくは以下の記事をご覧ください。

■関連記事:
【今さら聞けない】ビジネスモデルとは?作り方や定番パターン、欠かせない3つの条件を詳しく解説!

ビジネスモデルを図解するものが俯瞰図

ビジネスモデルがどういうものかは理解できたが、具体的にどのような形で示すべきか分からない、という方も多いのではないでしょうか。
そこで利用されるものが「ビジネスモデル俯瞰図」です。

ビジネスモデル俯瞰図は、業務全体の構造や流れを把握し、事業の構造や特徴、損益構造などを分かりやすくまとめた図表を指します。
「ビジネスモデル=設計図」とお伝えしましたが、全体を俯瞰できるように可視化した設計図がビジネスモデル俯瞰図といえるでしょう。

ビジネスモデル俯瞰図は金融機関に融資交渉をする際や、事業の後継者に経営の全体像を理解してもらう手段としても有効です。自社のビジネスモデルを、他者へ分かりやすく伝える設計図というわけです。
その他、自社における課題の洗い出しや課題解決のアイデア出し、事業価値の源泉の確認も行えます。ビジネスモデル俯瞰図は事業の活性化や見直しにも利用できるため、必ず作っておきましょう。

ビジネスモデル俯瞰図の書き方5ステップ

ここからは、ビジネスモデル俯瞰図の具体的な書き方を、5つのステップに分けて解説します。ビジネスモデル俯瞰図の作成については、経済産業省の「ローカルベンチマーク(ロカベン)シート」が参考になるため、こちらを用意して進めてみてください。

引用:経済産業省「ローカルベンチマーク(ロカベン)シート」

1.図のゴールをイメージする

はじめに、業務フローと商流を記載します。
イメージとしては、経済産業省のローカルベンチマークシートの「【入力】商流・業務フロー」を参照してください。

自社を中心に仕入先とエンドユーザーを商流の始点・終点として位置づけ、最終的なビジネス俯瞰図のゴールをイメージすることが重要です。
ビジネスモデルによっては、商流の始点・終点が仕入先・エンドユーザーになるとは限りません。

自社のビジネスモデルに合わせて、商流の始点・終点を考えましょう。

2.はじめに大枠となる箱を作成する

ビジネスモデル俯瞰図にはさまざまな情報を入力しますが、まずはその大枠となる箱を作成します。
商流の始点・終点となる仕入先・エンドユーザーと併せて、得意先の情報、自社の情報、外注先の情報などをパーツごとに作成して記入していきます。

各パーツは後のフローでも追加できますが、抜け漏れを防ぐにもはじめに関係各社をリストアップし、情報を記載する枠として箱を作成しておくのがおすすめです。

3.仕入先や外注先の情報を書き込む

ビジネスモデルの関係各社をリストアップし、大枠となる箱を作成したら、詳細な情報を記載していきます。

ここでは、仕入先や外注先の情報として「直近の決算書の外注費と仕入高の情報」「仕入先からの仕入高の情報」を書き込んでいきます。

仕入先や外注先の名称だけでなく、仕入高や外注費なども併せて記載することが重要です。仕入先や外注先の情報は、決算書などを参照して入力していきましょう。
このとき、取引の属性別(消費者・企業等)に記載すると、活用しやすい図になります。

4.得意先の情報を書き込む

前のステップで仕入先などを入力したように、得意先の名称と取引内容や取引額などを入力していきましょう。

ここで記載すべき情報としては直近の「決算書の売上高の情報」「主要取引先別の情報」の2つです。

前述したように、抜け漏れがないようにリストアップすることは大切ですが、中でも今後の取引で重要となる企業や注力したい企業を中心に進めていくとスムーズに進みます。
ここでも、取引の属性別に記載することを意識しましょう。

5.自社の情報を書き込む

自社の情報として、部門ごとに担っている役割をフローチャートにして書き込みます。
フローチャートにすることで、自社でどのような業務を実施し、どのような付加価値によって対価を得ているかが分かるようになります。

加えて、部門の部署や工程ごとに人数・重要人物・主要設備なども記載していきましょう。これらの情報が加わることで、自社のヒトとモノが社内でどう活用されているか、どのように貢献しているかが分かります。

最後に、直近の決算書の人件費や労務費などを転記します。その他の費用に関しては、金額の大きい費目に絞って転記していきましょう。
これにより、社内でどのようなコストが発生しているか、分かるようになります。

ビジネスモデル俯瞰図のExcelでの作り方

ビジネスモデル俯瞰図を作成する際には、Excelを活用すると比較的簡単に作成できます。ここでは、Excelを使った2つの作成方法を紹介します。

ローカルベンチマークのテンプレートを使う

おすすめは、経済産業省の「ローカルベンチマーク(ロカベン)シート」を利用する方法です。企業の経営状況を把握するためのローカルベンチマークシートのテンプレートを、経済産業省が公開しています。

ビジネスモデル俯瞰図を作成する場合には、ローカルベンチマークシートの「【入力】商流・業務フロー」にテンプレートがあるため、こちらを基に情報を入力するとよいでしょう。

Excelのテンプレートを使用する

もう少し柔軟なビジネスモデル俯瞰図を作成したい場合には、Excelのテンプレート機能を利用する方法がおすすめです。Excelでは、さまざまな書類を作成する際に利用できる、便利なテンプレートが多数用意されています。

ビジネスモデル俯瞰図を作成する際は、フローチャートのテンプレートを利用するとよいでしょう。

新しいExcelファイルを作成する際、フォーマットを選択する検索バーで「フローチャート」と入力し検索すると、利用可能なフローチャートのテンプレートが表示されます。

あとは、利用したいテンプレートを選択し、前述の書き方にしたがって必要な情報を入力するだけでビジネスモデル俯瞰図が作成できます。

まとめ

ビジネスモデル俯瞰図は、業務全体の構造や流れを把握し、事業の構造や特徴、損益構造などを分かりやすくまとめた図表です。ビジネスモデルのより詳細な設計書といえるでしょう。

ビジネスモデル俯瞰図があれば、金融機関に融資交渉する際にスムーズに進められたり、事業の後継者に経営の全体像を理解してもらったりするためにも使えます。その他、自社課題の洗い出しや事業価値の源泉の確認などにも利用できるため、ビジネスモデルをより深く理解する上で欠かせない資料といえるでしょう。

本記事にあるビジネスモデル俯瞰図の書き方を参考にしながら、この機会に作成してみてはいかがでしょうか。

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監修者
監修者_丸山潤
丸山 潤
元ニジボックス 執行役員、TRTL Studio株式会社 CEO、その他顧問やエンジェル投資家として活動

コンサルティング会社でのUI開発経験を持つ技術者としてキャリアをスタート。リクルートホールディングス入社後、インキュベーション部門のUX組織と、グループ企業ニジボックスのデザイン部門を牽引。ニジボックスではPDMを経てデザインファーム事業を創設、事業部長に就任。その後執行役員として新しいUXソリューション開発を推進。2023年に退任。現在TRTL Venturesでインド投資・アジアのユニコーン企業の日本進出支援、その他新規事業・DX・UX・経営などの顧問や投資家として活動中。

Twitter:@junmaruuuuu
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