ロゴを守ることはブランドの信頼を守ること! ロゴデザインのガイドラインを徹底解剖!
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会社設立の際や新ブランドの立ち上げ、新商品や新サービスなどを発表する際には、ブランドの顔ともなるべきロゴデザインも作成されることが多いです。多くのロゴデザインには、使用ルールなどをまとめたガイドラインを各企業が設定しているのはご存じでしょうか。
本記事では、ロゴデザインのガイドラインの目的や詳しい内容、参考企業などを紹介していきます。今後起業する方やブランドを立ち上げる方、既にブランドはあるが新たにロゴデザインを制作する方などはぜひ参考にしてください。
目次
そもそもロゴデザインのガイドラインとは?
ロゴデザインのガイドラインとはどのようなものなのでしょうか。
ロゴデザインのガイドラインを設定する目的や、ガイドラインがないとどうなるのかなどについて詳しく解説していきます。
ロゴデザインのガイドラインの真の目的は?
企業やブランドの顔ともいえるロゴデザインは看板や商品、あるいはバナー広告などさまざまなシーンで使用されます。企業やブランドのイメージが一貫して伝わるようにするためには一定のルールが必要です。
一貫したイメージを伝えるために、ロゴデザインのガイドラインが大切になります。ロゴデザインのガイドラインを設定しておくことで、あらゆる媒体に使用される際にもロゴのイメージやデザインが統一され、企業やブランドのブランディングにもひと役買うことになるのです。
ロゴデザインのガイドラインがないとどうなるのか
ロゴデザインの統一したイメージのためには、ガイドラインが必要です。しかし、中にはガイドラインを用意していないケースもあります。会社やブランドを立ち上げる際にガイドラインの設定まで手が回らなかったり、予算が足らなかったりした場合もあるかもしれません。
他社に印刷物を依頼した際などに、ロゴの縦横比やサイズなどを勝手に変更されてしまうと、本来のロゴデザインとはかけ離れたものにもなってしまいかねません。そのような事態を避けるためにも、ロゴデザインのガイドラインは必要といえるでしょう。
法人ほど標準化が必要?
ロゴデザインのガイドラインを定めることは、ロゴデザインの標準化を図るためでもあります。標準化とは、誰が見ても同じロゴデザインだと認識できるものが表せる基準があることです。そして、基準が順守されることでロゴデザインの一貫性が保たれます。
基準が設けられていない場合、色やサイズ、比率などが少し違っただけでも大きく印象の異なるロゴになってしまいかねません。印象の違うロゴデザインが使われた制作物が複数出回ると、同じ企業のものと認識されない恐れもあります。他社のロゴを模倣したと思われたり、ロゴデザインにこだわりのない企業だと思われたりするのは、企業にとってマイナスイメージです。
ロゴデザインのイメージを明確に共有できている人たちの中で、ロゴデザインを扱うのであれば問題ないかもしれません。しかし、ロゴデザインのイメージを明確に持たない外部の人たちが扱う際には、誤った認識で使用されてしまう可能性があります。以上のことより、人数の多い企業や法人化した会社などではロゴデザインの標準化が重要だと考えられます。
ロゴデザインのガイドラインの内容
ロゴデザインのガイドラインを設定する場合には、どのようなものを盛り込めば良いのでしょうか。以下では、ロゴデザインのガイドラインの内容について詳しく解説していきます。
ブランドのロゴの種類
ガイドラインを設定する際に、まずブランドロゴの基本形を設定します。ロゴデザインには、企業やブランドの理念や伝えたいイメージを盛り込んだデザインが採用されるケースが多く見られます。
基本形のロゴデザインを決定したら、表示パターンとして横組み・縦組み、欧文タイプ・和文タイプなど数種類の組み合わせを設定しておくと掲載する媒体によって使い分けが可能です。
表示パターンをしっかり設定しておくことで、掲載スペースによって表示方法を変更されることも避けられます。
ブランドのカラーの規定
ブランドロゴのカラーを定めておくことも大切です。
ブランドロゴのデザインは、ブランドの世界観を伝えるための大切なアイテムです。そのため、どのような媒体に使われても統一感を損なわないよう明確なカラー指定が必要となります。
ロゴデザインの基本形では、ブランドのイメージカラーを使用するケースが多く見られます。しかし、表示する媒体の背景によって色味が変わらないようCMYKやRGB、モノクロなどいくつかのパターンでカラーの数値を設定しておくことも大切です。
基本形のカラー以外にも使用可能なカラーがある場合には、カラーパレットなどで数値を指定しておくと良いでしょう。
ブランドの最小使用サイズの規定
ブランドロゴを各媒体に表示する際、使用可能な最小サイズも決めておく必要があります。使用サイズが小さすぎて視認性が悪くなってしまうと、ブランドロゴのコンセプトがユーザーに正しく伝わらない可能性もあるからです。
ロゴの視認性や再現性が守られる最小サイズを設定し、順守してもらうことが必要です。掲載される媒体が紙媒体かデジタルかによっても差異が出る可能性があるため、それぞれに対応した最小使用サイズが設定されていることが望ましいと考えられます。
アイソレーションエリア(余白の規定)
サイズのほかにも、アイソレーションエリアを設定することも重要です。アイソレーションエリアとは、ロゴの周りや上下左右に設ける余白のことです。
多くのロゴデザインがこの余白も含めてデザインされており、余白を設けることによって他の要素にまぎれることなくロゴデザインが視認できるという効果があります。
カラー適応
ブランドロゴはそのブランドのコンセプトやイメージなどに見合ったカラーで基本形が設定されていることが多いです。しかし、印刷の際の制限やコストの問題、また媒体による制約などでブランドカラーが使用できないこともあります。モノクロ表示とソリッド表示のロゴデザインを設定しておくことで、イメージとは違うカラーの使用も防ぐことになります。
イメージ背景に対する表示の規定
ロゴデザインを掲載する媒体の背景が、必ずしも無地とは限りません。カラー写真や複雑なイラストなどが背景になるケースもあるかもしれません。したがって、ロゴデザインの視認性を確保できるようなカラー設定にしておくことが大切です。
表示色と背景色の規定
掲載する媒体によっては、白背景だけでなくさまざまな背景色となることも想定されます。それぞれ彩度や明度が違う背景色に対し、ロゴデザインの視認性が確保できるようなカラーパターンも設定しておきましょう。
ロゴデザインのガイドラインに明度ごとのカラーチャートを記載し、使用可能か不可能か指示している企業もあります。
使用禁止例
ロゴデザインのガイドラインには、禁止事項もしっかりと記載することが大切です。
ロゴデザインはガイドラインを守ることで、本来のブランドイメージを確保しています。縦横比の変更や規定にはない装飾など、具体的な使用禁止例を分かりやすく表記してゆくことで誤った使用を避けられます。
良いロゴデザインのガイドラインを作るために参考にしたい企業
以下では、良いロゴデザインを作成するためにぜひ参考にしていただきたい企業をいくつか紹介します。
サイボウズ 3つのサークルで企業理念を表現
淡いブルーのサークルが3つ描かれたロゴデザインは、シンプルな中にも配置などのこだわりが感じられるデザインです。ロゴデザインの詳細なガイドラインには、ロゴデザインの基本形や表示パターン、ブランドカラーの数値のほかカラーパレットも記されています。白背景・黒背景の場合に単色で使用できるカラーが設定されており、二次使用の際の規定が丁寧に盛り込まれています。
参考:サイボウズ「コーポレートロゴガイドライン」
Chatwork チャットバブルが企業イメージと重なる
「Chatwork」は、ビジネスシーンでも活用されることの多いチャットツールです。ロゴデザインは4つのチャットバブルが並ぶデザインです。黒いチャットバブルの1つの発言に対し、3つの赤いチャットバブルが連なって会話する様子を表しています。ガイドラインには基本形や表示パターンのほか、明度基準や禁止事項例なども詳しく設定されています。
参考:Chatwork「Chatwork Brand Guidelines」
LINE どこのロゴなのかが明瞭
「LINE」は説明するまでもなく利用者の多い無料チャットツールです。はっきりとしたグリーンのアイコンの中の吹き出しにLINEと書かれ、一目瞭然です。ガイドラインには、禁止事項も分かりやすくイラスト入りの例が挙げられています。また、APP ICONもiPhone用・Android用が記載されています。
参考:LINE「LINE APP ICON GUIDELINE」
PIXTA 2色からなるシンプルなロゴデザイン
ピクスタは、写真やイラストをオンラインで販売している会社です。ブランドカラーはブラックとシンボルマークに含まれているグリーンで、2色からなるシンプルなロゴデザインです。
ガイドラインには、ブランドカラーやロゴに使用するカラーの数値やアイソレーション、禁止例などが分かりやすくまとめられています。
参考:PIXTA「ロゴ使用ガイドライン」
UNIONNET シンプルな中にも独自性を感じる
ユニオンネットは、Webサイト制作やコンサルティングを行っている会社です。シンプルな中にも独自性を感じるロゴデザインとなっています。
ガイドラインには使用カラーの数値や使用パターン、禁止事項などと共に問い合わせフォームもまとめられています。
参考:UNIONNET「LOGO-GUIDELINE」
まとめ
本記事では、ロゴデザインのガイドラインについて詳しく解説しました。
ロゴデザインは、企業やブランドの顔ともいえる存在です。そのロゴデザインがあらゆる媒体に載る際に統一性を失ってしまっては、企業やブランドのイメージがユーザーに正しく伝わりません。ロゴデザインのガイドラインを設定することは、企業やブランドの信頼を守ることにもつながります。
今後起業する方やブランドを立ち上げロゴデザインも制作する方や、既にロゴデザインはあるけれどガイドラインはまだ制定していないという方も、本記事をぜひ参考にしてください。
元ニジボックス 執行役員、TRTL Studio株式会社 CEO、その他顧問やエンジェル投資家として活動
コンサルティング会社でのUI開発経験を持つ技術者としてキャリアをスタート。リクルートホールディングス入社後、インキュベーション部門のUX組織と、グループ企業ニジボックスのデザイン部門を牽引。ニジボックスではPDMを経てデザインファーム事業を創設、事業部長に就任。その後執行役員として新しいUXソリューション開発を推進。2023年に退任。現在TRTL Venturesでインド投資・アジアのユニコーン企業の日本進出支援、その他新規事業・DX・UX・経営などの顧問や投資家として活動中。
Twitter:@junmaruuuuu
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