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UI UX Camp!2023 – やさしさでデザインする 一人ひとりに理想的な世界

公開日 2023.5.16
UI UX Camp!2023 – やさしさでデザインする 一人ひとりに理想的な世界

世界がデジタルシフトしていく中、「デザインはどうあるべきなのか?」という問いに対して、さまざまな職域の方々と、その本質的な価値・可能性を見つめ直し探求したい。そんな思いからスタートした、ニジボックス主催のイベント「UI UX Camp!」。そして昨年に引き続き、第2回目となる今回のテーマは「やさしさでデザインする 一人ひとりに理想的な世界」です。

不自由のない世界から、便利なものを誰もが使える世界。そして、さらにより快適で特別な体験が得られる世界と、現代に至るまで幾度となく変遷を遂げてきたデザインの目的や意味。そんな中、私たちは「一人ひとり、とりのこさない」ことがこれからの時代に重要になると考えています。

多様な個性の理想的な体験がつながりあうことで、誰もとりのこされない世界を実現するためには何をすべきなのか、国内外のさまざまな領域のエキスパートとともに考えました。

目次

オープニング

uiuxcamp2023モデレーター西村真理子_丸山潤
今回のイベントのナビゲーターは、株式会社HEART CATCHの西村真理子さん。そして、オーガナイザー兼スピーカーは、株式会社ニジボックスの丸山潤が務めました。

「昨年はDXをテーマにやりましたが、2回目となる今回は少し違った形でイベントを実施しようと思っております。そんな中、2023年3月現在、丸山さんからするとUI UXはどのように見えているのでしょうか?」(西村さん)

「デザイン全体としては『Design Ops』という言葉が一気に広がった1年だったなと。本日も登壇してくださるFigmaさんの影響もありすごく盛り上がっていますよね。また、UXという観点では、スタートアップなどでUXの組織を立ち上げました、みたいな事例をよく聞くなと! これまでもUIに注目している方は多かった印象でしたが、昨今はUX側の戦略までを意識されている方が増えたという印象がありますね」(丸山)

「今回のイベントはありがたいことに約2500人の方にご応募いただきまして、いろんな職種の方に参加してもらっていますが、丸山さん、今回のテーマ『やさしさでデザインする 一人ひとりに理想的な世界』を決定した背景を教えてもらってもよいでしょうか?」(西村さん)

「これまではサービスなどを設計する際は、それを使ってもらう人を対象にさまざまな検討を進めてきましたが、文化人類学とデザインを掛け合わせた『デザイン人類学』という言葉が広がってきている昨今、ビジネスターゲット以外も含めて考慮した上でのデザインが必要なのかなと思い、このテーマを選ばせていただきました」(丸山)

「デザイナーだけがリサーチをするのではなく、何か新しいサービスや物を届けたいという方がリサーチに参加しているという世の中になっている今だからこそ、その手法やティップスをお届けしたいと思います」(西村さん)

やさしさが機能する個性をおきざりにしないデザインの時代へ /
株式会社ニジボックス執行役員 丸山潤

(※所属・肩書はイベント開催時のものです)

最初に登壇したのは本イベントのオーガナイザー、丸山。「UI UX Camp!」の開催に至った経緯、そして今回の「やさしさでデザインする 一人ひとりに理想的な世界」というテーマに込めた思いを語りました。

イベントテーマについて

丸山が本イベントに開催にするにあたり、最も大切にしたこと。それは「多様な個性の理想的な体験がつながりあうことで、誰もとりのこされない世界が実現する」ことです。
B.J.パインとJ.H.ギルモアによる著書「経験経済」内で述べられている「経験経済」から「変革経済」へ移行しつつある現在。そんな時代において「変革経済」において重要なことである「一人ひとりに合わせたデザインを提供することで、多様な属性を持つ個人を助け、価値を提供すること」が起点となり、本イベントのテーマを決定したそうです。

ちなみに、今回のゲストの中でこのテーマに最も近いのはChristian BasonさんとAnnie Jean-Baptisteさんのセッションなのだとか。

uiuxcamp注目登壇者

デザインの役割変化

特にこの1年で、デザイン自体に対する考え方が変化していると感じている丸山。その理由は主に4点あると述べました。

  1. 世界の大企業の相次ぐレイオフにより、結果的にデザイナーの仕事が多様化。
  2. Web2.0がHCD(人間中心設計)だとすれば、Web3は人間だけを考えればよい訳ではない。
  3. AIがデザインフローに入り込むことで、クリエイティブ業界は変革の時代を迎えている。
  4. コラボレーションツールFigmaに関するAdobe社の買収意思表明の話題が示すように、デザイン自体コラボレーションしながら作っていくという手法が主流になってきている。

そして、その4点に即したセッションを今回届けてくださるのが以下の方々です。

  • デンマークデザインセンター CEO Christian Bason
  • Aww Inc. Aww Inc. 取締役CMO 佐田晋一郎
  • Figma Chief Product Officer 山下祐樹
  • 『Google流 ダイバーシティ&インクルージョン インクルーシブな製品開発のための方法と実践』著者 Annie Jean-Baptiste
  • 株式会社リクルート プロダクトデザイン室デザインマネジメント部 部長 磯貝直紀
  • 株式会社ニジボックス クリエイティブ室 室長 齋藤光一
  • idiomorph主宰 株式会社ambr CXO 番匠カンナ
  • RKB毎日放送株式会社 メディアイノベーションセンター 地域・海外ソリューション担当 XRコンテンツディレクター 金城らんな
  • THE GUILD インタラクションデザイナー 深津貴之
  • (※所属・肩書はイベント開催時のものです)

uiuxcamp2023登壇者一覧

不確実性こそ、唯一の確実性

「経験経済」から「変革経済」へ移り変わる中、デザインの価値は大きく変わってきています。往々にして、大きな変化が訪れる時は不安が募りますが、丸山はそんな今こそが逆にチャンスなのではないかと語りました。

「不確実性こそが唯一の確実性と言いますが、こんな時こそデザインの在り方であったり正しい姿であったりを再構築する良いタイミングなのではないかと思います。何かを再構築する際って、個人にとしても組織にとしても成長する機会でもありますしね。デザインがさらに広がる時代を楽しみにしています」(丸山)

デンマーク発「デザインの未来」:持続可能で包括的な社会の創造 / デンマークデザインセンター CEO Christian Bason

デンマークデザインセンター CEO Christian Bason

Christian Basonさんが15年のキャリアで模索してきたこと、それは「持続可能で包括的な社会を創る方法」そして、「その時代におけるデザインの役割」についてだと言います。彼のセッションは、一つの事例紹介からはじまりました。

事例:アメリカ退役軍人省に関して

アメリカ退役軍人省に関してのジャーニーマップ

2014年。アメリカ退役軍人省が、退役軍人とその家族を対象に医療・社会福祉サービスを提供するサービスは大きな問題を抱えていました。なんと、診察を受けるには最長18カ月の待機期間があったのです。このシステムを改善するにあたり、アサインされたのは米国の主要な機関初の「最高デザイン責任者」、サラ・ブルックスでした。

彼女のチームはユーザーとシステムの相互作用をマッピングし400以上の個別サイトの存在を把握。そして、システムの簡易化やデジタルサービスの再考、ユーザーを中心に捉えたサービスジャーニーの構築を行い、再設計が必要な一連のプロセスをすべての部署が理解できるように分かりやすくマッピングしました。結果、サービスを一つのサイトに集約することに成功。サービスやユーザーエクスペリエンスが改善したのはもちろんのこと、待機期間も劇的に短縮できたそうです。

「デザイン思考や人間中心デザインは私たちを大きく前進させました。人々の組織の非常に複雑な問題を指摘し、解決可能と示した。しかし、人間中心デザインやデザイン思考にはまだ多くの課題があります。『デザイナーだけに任せるにはデザインは重要過ぎる』という声もあります。多くのツールやスキルにアクセスできるよう、デザインを民主化すべきだという考えです。私がデザインを見直す必要性を感じたのは、コペンハーゲンのある大企業を訪問したときでした」(Christian Basonさん)

本質的なデザイン思考とは?

本質的なデザイン思考とは?についてのスライド

彼が訪問したその企業には、あらゆるテクノロジーやツールがそろっており、デザイン思考を行うための机も椅子もない真っ白な空間もあったそうです。そこは壁に付箋を貼ったりしながら創造力を高める空間です。

「多くの組織がデザインの役割や力を誤解していることに気づいたんです。彼らはデザインの持つ変革の力を単なる方法論にすぎないと考えていたのです。デザイン思考とは方法論やプロセス、空間以上のことを意味します。必要なのは、デザイン思考に意思を取り入れることで、より持続可能で包括的な世界への新しいアイデアや概念を生むイノベーションを推進することなのです」(Christian Basonさん)

彼いわく、現代の私たちはシリコンバレーの技術進歩の考えにとらわれ過ぎているのでは、とのこと。テクノロジーが世界の1か所に集中すると未来へのビジョンは単純で限定的になります。新しいアイデアを生み出すには、世界に視野を広げる必要があります。

デザイン思考や新しいイノベーションを推進する6つの視点

時間の都合上、すべてを紹介いただくことはできませんでしたが、今回はデザイン思考や新しいイノベーションを推進する6つの視点のうち、3つを紹介していただきました。
6つの視点と概要は以下です。

  • 時間軸(タイム):デザインの対象となる時間軸
  • 親密性(プロキシミティ):身近な存在を親密に感じること
  • 生命(ライフ):人々や生物、無生物も含めた生命
  • 価値(バリュー):経済的価値を超えた価値
  • 次元(ディメンション):デジタルと現実世界のつなぎ方
  • 部門(セクター):公共、民間、市民、非政府などを超えた理想的なデザイン

時間軸(タイム)に関して

ハーバード・ビジネス・レビューのイメージ

ハーバード・ビジネス・レビューは長期的視点を養うために経営者は特にSF小説を読むべきである、と言っています。映画や小説を通じて想像力を刺激し冒険的に未来を見据えることが重要だからです。

「時間軸を拡大する」とは、それまでの出来事を知ること、サイエンス・フィクションからインスピレーションを得ること、さらに変革の影響が作用する最長の期間を考えることだとChristian Basonさんは言います。10年、20年、50年、または100年の時間軸が必要かもしれないとのこと。

親密性(プロキシミティ)に関して

親密性(プロキシミティ)に関しての解説スライド

親密性(プロキシミティ)とはデザインを人や物に近づけることです。親密度を高めたり、共感を得たりするためには、包括的で協力的な視点を持つ方法や、どのような人たちを視野に入れながらデザインするのかを認識する必要があります。

ステークホルダーやユーザーはどのような人たちか、対象を拡大してデザインするにはどうすればよいか、遠隔地からヒントを得ることは可能か。さらに多くの人たちを対象としたデザインは可能か。自然や他の生物との親密性は必要か。それは気候変動や環境問題、生物多様性を問う、時代が直面する課題です。
人間中心から生命中心のデザインに移行する方法を考えなくてはなりません。

価値(バリュー)に関して

ロバート・ケネディが残した1960年代の言葉の紹介スライド

ジョン・F・ケネディの弟で米大統領候補だったロバート・ケネディが残した1960年代の言葉を紹介します。

「我々は金ですべてを測ることができると思っている。しかし、本当の価値は数字では測ることができない。GDPには子供たちの健康も、教育の質も、遊びの楽しさも含まれていない。国家予算には詩の美しさも夫婦の絆の強さも知的な議論も、役人の誠実さも含まれていない。人生で価値のあるものはGDPで測ることはできない」

これが正解ならば、なぜ私たちはプロジェクトやデザイン、ソリューションやイノベーションをいまだに売上や収益で評価するのでしょうか? 私たちは経済を超えて物事の価値を見直すべきです。私たちは2023年になっても、それができずに苦戦しています。

価値の拡大には経済的な価値だけでなく、社会や環境、ガバナンス、民主的な価値も問うべきです。また、循環型経済に基づいたソリューションにすべきか、協働の価値も視野に入れるべきか。知的財産権についても考えるべきでしょう。

行動への応用に関して

行動への応用に関しての解説記事

このセッションの最後に、Christian Basonさんから先述のフレームワークを実際の行動に活用する方法が紹介されました。一番大切なことは問題を別の視点から見つめ直すことだと彼は語ります。

多角的な視点から問題を問うのはデザインの基本です。次はアイデアをコンセプト開発の原動力にすること。アイデアを刺激して、多くのビジョンを描き、ブレインストーミングの活性化に役立てます。最後に、プロトタイプ検証をすること。長期的なデザインになり得るかの検証や、経済以外の価値を検証することができます。当初の予定よりも多くのユーザーグループに働きかけられているのかを、検証することもできます。

「新しいアイデアで膨らんだ人の心は、もとの大きさに戻らないだろう。これはデザインやイノベーションにとってとても重要なことです」(Christian Basonさん)

人の可能性が開花する。バーチャルヒューマンと共にある未来 / Aww Inc. 取締役CMO 佐田晋一郎

Aww Inc. CMOの佐田晋一郎氏

Instagramのフォロワーは100万人を超え、世界で活躍するアジア初のバーチャルヒューマン、IMMAちゃん。ここではその生みの親であるAww Inc. CMOの佐田晋一郎さんと、西村さんがトークセッションを行いました。

バーチャルヒューマンとは?

バーチャルヒューマンIMMA紹介スライド

「最初に、バーチャルヒューマンとは一体何なのかを教えていただいてもよいでしょうか?」(西村さん)

「簡単にいうと、人間が“HUMAN BEING”だとするならば、バーチャルヒューマンを含むバーチャルな存在は“VIRTUAL BEING”と呼ばれておりまして。いわばもう一つの人類と言えるのではないかと考えています。私たちは彼らの存在を『人の可能性を広げる存在』と定義しておりまして、その特徴は以下になります」(佐田さん)

  • 外見を変更できる
    ※好みの顔や特定の状況に最適な顔を生成できる etc.
  • 中の人が誰でも良い
    ※声や見た目、動きを変換できる etc.
  • セキュリティを保護できる
    ※指紋・虹彩が映らない etc.
  • 人間にはできないことができる
     ※24時間365日働け、言語や場所にとらわれない etc.
  • デジタルデータである
     ※メタバースに行ける etc.

佐田さんによれば、バーチャルヒューマンは2つの種類に分けられます。一つは「アイデンティティ型」。自分の考えや思いを発信することができ、企業広報や配信者、アーティストなどといった活動ができるのだそうです。日本語で言うと「魂がある」という状態が近いとのこと。

もう一つがインターフェイス型。アイデンティティ型と比較するとその目的はやや限定的で、特定の状況下で人々に安心感や信頼感を与えるインターフェイスとしてオフライン・オンライン問わず活躍しています。ファッションサイトの試着機能としての役割や、コンシェルジュ、接客、遠隔医療など、さまざまなシーンで皆さんも目にしたことがあるはずです。

バーチャルヒューマンを扱う上で気を付けるべきこと

Aww Inc. CMOの佐田晋一郎氏
バーチャルヒューマンをつくる上で最も重要なことは「接した人の中に生まれる感情を想像すること」だそうです。佐田さんがバーチャルヒューマン作成時に気を付けていることは以下4点。

  • 不気味の谷。安心できるビジュアルかどうか
  • 性格や行動といったアイデンティティ面での壁
  • 性差・人種問題、文化の盗用問題、各国でのタブーの範囲
  • どういう価値があるか(人間と同じようなことをしても、人間以上の価値は創出できない)

「特に『不気味の谷』をどう解消するのか、とても難しいと思うのですが、そのあたりはどのように対策をされているのでしょうか?」(西村さん)

「そこに対してはクリエイターが不気味の谷を解消するために日夜努力をしています。ただ、それらのスキルもテクノロジーの進歩に伴って民主化される未来がいつか来ると思います。そうなればいろんな人がバーチャルヒューマンを作れるようになるはずですので、そんな未来も楽しみですね」(佐田さん)

「たしかに、誰もがアバターを持つような未来も現実的にありえそうですよね。ちなみに、バーチャルヒューマンの活躍の場がもっと広がるために、現時点で足りていないものなどあるのでしょうか?」(西村さん)

「やはり、ハードウェアやソフトウェアなどの技術的な側面が大きいと思います。今はSNSやサイネージに登場する機会がほとんどですが、それがマックスではないと私たちは考えてまして…。例えば、ハード・ソフトウェアの技術が解消されればホログラムで彼らが現れるなんてこともできますよね」(佐田さん)

バーチャルヒューマンの未来・可能性

AIの進化に世界から注目が集まる中、バーチャルヒューマン領域においても日々面白い事例が世界では生まれているのだそうです。

例えば、AIと組み合わせることでオーディエンスと対話ができるアイデンティティ型のバーチャルヒューマンが現れたり、ChatGPTを組み込んで自律的に動くインターフェイス型バーチャルヒューマンが現れたり。XR領域でもその可能性は広がっているとのこと!

「最近はIMMAちゃんが広告賞をとったり、カンボジアに支援に行ったりしていますよね。彼女のことはグローバルに活躍する日本人として応援したいと思っていますし、こういった一連の活動が日本からの新しいサービスが生まれるきっかけにもなると思いますので楽しみにしています」(西村さん)

Figmaデザイン再設計への挑戦 / Figma Chief Product Officer 山下祐樹

デザインの再設計スライド

デザインという言葉自体の定義が変容しつつある現在。山下さんのセッションでは「デザインの再設計」を促進させているキードライバーは何なのか? という視点で、3つの変化をテーマに行われました。

変化1:「ピクセルを動かす」から「アイデアを動かす」へ

変化1:「ピクセルを動かす」から「アイデアを動かす」へ

「デザイナーの仕事」というと、少し前まではピクセルを動かす作業を想像する人が多かったと思いますが、現在ではピクセル単位での作業は軽減され続け「問題解決」の意味合いが濃くなってきていると山下さんは言います。その理由は以下の通り。

  • 「理由1:デザインシステム」
    自らがピクセル作業を行わなくても、組織全体を見渡した際に誰かが作ったツールチップがあればそれを使おうという機運が世界的に高まっている
  • 「理由2:自動化」
    人間が気づきにくいようなUIの改善点を自動で検知・修正したり、任意の指定をすれば自動でUIを生成したりしてくれるようなシステムがすでに存在している
  • 「理由3:オープンソース」
    内部がわからなくても使用できる状態のAPIが全世界に多く公開されており、少なくともFigmaのコミュニティではデザインもオープン化が進んでいる

変化2:「完成品」から「永遠の未完成」へ

変化2:「完成品」から「永遠の未完成」へ

過去の世界ではデザインのアウトプットは物理的なものが多く、修正には莫大なコストが生じるため、慎重な進行管理が必要でした。しかし、現在では急速なデジタル化によってプロダクトの作成や反復もよりスピーディに、かつクライアントの顔を見ながら継続的に進められる状況になっていると、山下さんは言います。

「デザイン自体を永遠に完成させないものと捉えることが重要だと思うんです。例えば、問題定義の前にアイデアが生まれることってありますよね?先に解決策を思いつくのは良くないことと思いながらも、実態としてはそういったケースはよくある。つまり、デザインはセオリーに反して非直線的なフローで進むんです。その場合、終着点が見えず不安になることもあると思いますがそれがリアルですし、そもそも『完成』を目指さなければそんな不安もない。逆に、つねに”WIP(Work In Progress)”であれば、共有スピードも、チームからもらえるインプットの量も増えるわけです」(山下さん)

変化3:「デザイナーのもの」から「みんなのもの」へ

3:「デザイナーのもの」から「みんなのもの」へ

「デザインはデザイナーが責任を持つもの」という考えがあったことが問題だった、と山下さんは語ります。さまざまなツールが整備され、誰もがデザインに参加できる時代において、『私のデザイン』という概念は存在しません。

一方、誰もがデザインに参加できるということは、沢山の意見が集まり、プロセスが遅延するリスクが生じてしまうのでは、と思う方もいるかもしれません。しかし、そんなことはないと山下さんは言います。なぜならば、旧来の方法と違い、大量のデザインをチェックするアートディレクターの負荷も軽減できるし、通常コンストレイント(制限)を課す弁護士、エンジニア、財務や法務の担当すらも、「デザイン」のプロセスに巻き込むことで、ユーザーにとって好ましくないコンストレイント(制限)を除外できる可能性が高まるからです。

また、多くの人を巻き込んでいくことが重要なもう一つの理由は、オープンに議論することで自身の問題点もいち早く指摘してもらえ、それゆえに意見を無視したり、忘れるたりすることもなくなることだそうです。

「自分の問題点もオープンになるのが怖いと思う方もいるかもしれません。でも、実はそれはチャンスなんです! デザインへの責任意識をそれぞれが持ち、デザインに対して全員で向き合うことは、きっとユーザーの喜びにつながるはずです」(山下さん)

多様化するデザイナーの価値とキャリア / 株式会社リクルート 磯貝直紀 ・ 株式会社ニジボックス 齋藤光一

株式会社リクルート/磯貝直紀 ・ 株式会社ニジボックス/齋藤光一

このセッションでは西村さんのナビゲーションのもと、ゲスト2名とともにパネルディスカッションが行われました。

デザイナーの役割の変化

株式会社リクルート/磯貝直紀

「お二人はクリエイティブ業界でキャリアを積みつつ、現在はマネジメントする立場にいらっしゃると思うのですが、多様化する社会においてデザイナーの役割の変化などはあるのでしょうか?」(西村さん)

「僕の中では実は昔からずっと変わっていないんですよね。というのも、デザイナーがデザインするものは『価値』だと思っておりまして。逆にいうと『価値』をデザインする者がデザイナーであるというわけなのですが、デザイナーは何らかの目的を達成するための一連の流れをデザインする人だとも考えています。『手段』をつくる人ではないわけです。ですから昨今の事情も、デザイナーの役割が変わっていない中『手段』だけが時代に合わせて移り変わっているという印象ですね」(磯貝)

「磯貝さんと同意見ですね。これまでの社会の認識ですと、プロダクトの設計や課題解決プロセスの中でも、視覚的な領域がデザイナーの責任範囲というイメージが強かったと思うのですが、ここ最近は全プロセスがデザイナーの役割の範囲だという認識が広まってきたんじゃないかなと」(齋藤)

「0→1」を生み出す際のデザイナーの立ち位置とは

株式会社ニジボックス/齋藤光一

「この数年、ユーザー定義もされていないような新規事業の立ち上げが世界的に増えているような気がするのですが、そんな中でのデザイナーの立ち位置などに変化はあるのでしょうか?」(西村さん)

「デザイナーに限らず、より大切になってきたことはチームで協業することだと思うんです。専門性の高い職域間でどうコラボレーションしていくのか。課題もそうですし、打ち手のバリエーションも無限に広がる中、そういったコミュニケーションの重要性が増している気がしますね」(齋藤)

多様化した社会で活躍するデザイナーとは?

株式会社リクルート/磯貝直紀 ・ 株式会社ニジボックス/齋藤光一

「 お二人ともに、組織全体で多くのデザイナーと接することがあると思うのですが、例えば採用時の面接では候補者のどのようなポイントを見ているのですか? 全体を見渡せる人なのか、専門性が高い人なのか、などがあれば教えてください」(西村さん)

「基本的には総合得点だと思っていまして。例えば六角形のチャートがあるとしたら、どんな形であれ全体の面積の広さなのかなと。あとは、僕の場合はですが、その方が自分の役割範囲をどのぐらいに設定されているかが気になりますね。当然、広ければ広いほど介在価値は高まるわけですし。さらに、協業するということにどのぐらいの関心があるのかも大切です。先ほども述べたように、一人で完遂できる仕事は多くないですから」(齋藤)

「うちの場合はさまざまな事業があるので、一点突破型の人にも、バランス型の人にも、その人のタイプに合わせてポジションを提示できることが強みだと思っています。会社の風土としては自身の業務範囲をタテにもヨコにも拡大していく『越境』が前提として根付いているので、そのあたりの積極性は大事なのかなと」(磯貝)

これから必要なデザインスキルとは?

これから必要なデザインスキルとは?スライド

「ノンデザイナーやこれからデザイナーになりたいという人で、上記図でいうと表層の部分をデザインスキルと思っている方が多いと思うんです。でも、実際はより深層的な部分が大事。そこがしっかりしていれば時代に合わせてアップデートしていけると思うので」(齋藤)

「それを踏まえ、デザインスキルはどのように鍛えていけばよいのでしょうか? また、会社としてやっていることなどがあれば教えてください」(西村)

「基本はOJTで学んでいくことだと思うんです。という意味では興味を持つことが大事ですね! ニジボックスの場合は幸い、ライトニングトーク的に最近発見したツールなどを共有する文化があるので、自発的に学んでいる方が多いような気がします」(齋藤)

「たしかにOJTで一定の苦労や経験を積んでいくことって、人間のOSを鍛えていくためにも大切ですよね。そういう意味ではマネジメント側も、メンバーたちがチームとして稼働していく中でコミュニケーション力や、ロジカルに伝えるスタンス、目的思考などを学べる機会提供を意識することも非常に大切だと思います」(磯貝)

メタバース空間の体験とデザイン / idiomorph主宰・株式会社ambr CXO 番匠カンナ・RKB毎日放送株式会社 金城らんな

idiomorph主宰・株式会社ambr CXO/番匠カンナ氏
RKB毎日放送株式会社 メディアイノベーションセンター 地域・海外ソリューション担当 XRコンテンツディレクター/金城らんな氏

バーチャル建築家として輝かしい実績を持つ番匠カンナさんと、テック情報の最先端を紹介するテレビ番組「エンタテ!区 〜テレビが知らないe世界〜」を制作し、取材フィールドとしてメタバースを日常的に活用されている金城らんなさん。そのふたりの濃密な自己紹介から、このセッションははじまりました。

メタバースの魅力とは?

idiomorph主宰・株式会社ambr CXO/番匠カンナ氏

「本イベントのテーマが『やさしさでデザインする 一人ひとりに理想的な世界』なのですが、その視点で見た際にカンナさんから見るとメタバースにはどのような魅力があるのでしょうか?」(西村さん)

「インターネットは人と人との距離をなくしたと言われていますが、メタバースはそれに拍車をかけた存在なのかなと。まるで現実世界であるかのように人と人が身振り手振りを交えてコミュニケーションができるわけですから。その魅力という意味では今まで人間が諦めていたことが、可能になる場所であるということが一番だと思います」(カンナさん)

これからメタバース空間に出るために気を付けるべきこと

RKB毎日放送株式会社 メディアイノベーションセンター 地域・海外ソリューション担当 XRコンテンツディレクター/金城らんな氏

「おふたりはメタバースで活躍される中で、しっかりとビジネスを成立させて新しい可能性をつくっていらっしゃいますが、今サービスデザインをWebやスマホでやっているような方やプロダクトをつくっている方が、メタバース空間に来る時に気を付けた方がよいことなどありますでしょうか?」(西村さん)

「空間をつくるとかUIをつくるということはパーツでしかなくて、ユーザーの体験価値があるのかをしっかりと考えるところからスタートすることが大切なんだと思います」(カンナさん)

「すごくよく分かります。私もクライアントや関係者から『とりあえずやりたい』『なんかやって』と言われることが多くて(笑) 現状メタバース上ではWebのADと違ってKPIもとりづらい環境ですし、その中で何を目的にしてどんな結果が欲しいのかを定めてから行動しないと、中々難しいですよね」(らんなさん)

メタバースだからできる価値とは?

「おふたりから見て『これはメタバースでやって良かったな』などの成功事例などがあれば教えてください」(西村さん)

「さまざまな名だたる企業がメタバースにトライしていますが、今時点ではめちゃくちゃうまくいった事例はないですね。メタバースでしかできない体験価値が定まらない限りはこれからも中々難しいとは思いますが、もしかしたらVRチャットの中にはそのヒントがあるのかもしれません」(カンナさん)

「たしかに、VRチャット上にはリアルな人がそこにいて、コミュニティや社会ができていますしね。そういったことを尊重しつつ、どういったコンテンツをメタバース上で組み立てていくのかが必要ですよね」(らんなさん)

「なるほど、いまでもUXデザイナーはリサーチをしてそこに合うものをつくっていくというフローを踏んでいると思うのですが、彼らがメタバースで何かをやるとしたら、そこに存在するコミュニティや社会とコミュニケーションをとって、どういったことが大切なのかを理解した上で行動を移すべきということですね」(西村さん)

メタバースの作り方

「カンナさんは2018年にVRにハマって、その翌年には『ニュートン』をつくられていたと思うのですが、その時はどのように制作されたのでしょう? VR上にコンポーネントのようなものがあるのですか?」(西村さん)

「基本はUnityでつくるんですよね。モデルはもちろんBlenderなどの3Dモデリングツールを使うのですが、単純にものをアップロードするだけであればUnityだけでもできるんです。プログラミングができる人であればVRチャットが提供しているSDKがあればゲームのようなものもつくれたりしますね」(カンナさん)

メタバース空間でのデザイナーの役割

「一つ聞いてみたかったことがあるのですが、メタバースに造詣が深いふたりから見て、デザイナーがきてくれたら『〇〇ができる』みたいなことってあったりしますか?」(西村さん)

「実はメタバース上にいる方々はすでにデザイナーとして活動している方が多いんです。ただ、メタバース空間においては空間がないことにははじまらないので、空間の生産者がもっと増えてくれたらいいなと思いますね。ちなみに需要としては現実に近いけどファンタジーな世界を創ってほしい、という要望がよくあります」(らんなさん)

「ちょっと引いた目で見てみると、メタバース空間では『歩く』とか『物を持つ』とか『座る』、『人と話す』みたいな、現実世界では当たり前の前提となっていることすらも自由にデザインできるので、デザイナーにとっては面白いこと尽くしなのでは、と個人的に思いますね。例えば、メタバース上では現実にはありえない速度や歩き方が設計できちゃうわけです。最初のアプローチとしては、デザイナーの役割を限定せず、まずは遊んで実際に体験してみることをおすすめしたいです」(カンナさん)

メタバース空間の未来

「最後に、メタバースが一般社会に広く浸透した際に、どのような社会が待っていると思いますか?」(西村さん)

「最初にもお話ししましたが、諦めていたことを諦めなくてよくなる、ということが一番ですかね。あとは、メタバース空間が発達することによって、現実社会に対する問いも生まれてくると思うんです。『そもそもオフィスっているんだっけ?』とか…。リアルのアップデートに働きかける影響もどんどん大きくなっていくのではないかと思っています」(カンナさん)

「性別や年齢、住んでいる場所に関係なく、自分の好きな姿で好きな活動ができるというのがメタバース空間だと思うので、SDGs的なポテンシャルがここにはあると思うんです。リアル世界で発生している社会問題をメタバース空間で解決する、という未来も来るのではないかと思っています」(らんなさん)

AIと共創するデザイン・サービスの可能性 / THE GUILD インタラクションデザイナー 深津貴之

THE GUILD インタラクションデザイナー/深津貴之氏

「UI UX Camp!」最後のコンテンツは、生成AIを利用したアートワークが「SFマガジン 2023年2月号」の表紙になったことでも話題となった深津貴之さんと西村さんのトークセッション形式で進められました。

深津さんが利用されているAIツールに関して

「まず、深津さんが最近注目されているAIツールに関してお話しを聞かせていただいてもよろしいでしょうか?」(西村さん)

「大きく分けると生成系AIの中でも自然言語で画像を生成するものと、もうひとつは人間の言葉で文章を生成できる大規模自然言語モデル“LLM(Large Language Model)”の2種類ですかね。どちらにしても人間の言葉でコミュニケーションができるAIがどんどん台頭してきた、というのが去年ぐらいからの大きなムーブメントかなと思います」(深津さん)

「例えば、前者でいうと、”Stable Diffusion”とか“Midjourney“があると思うのですが、それぞれをどのような形で使い分けているのでしょうか?」(西村さん)

「単体での瞬間的な出力・画質でいうならば“Midjourney“の方が強いのかなと。というのも、”Stable Diffusion”は画像を生成するため、という広い意味でのAIで、“Midjourney“はアートワークを生成するためのAIなんですね。ただ、”Stable Diffusion”はソースのモデルになっている部分が公開されていて、人が手を入れたりプログラムに組み込めるので、より高度なことができるというメリットはあります」(深津さん)

「LLMの方でいくと、最新のものだと”ChatGPT”ですかね? 直近で“GPT-4”がリリースされましたが、深津さん的にはどのあたりが進化したと思いますか?」(西村さん)

「基本的には使えるトークン(AIが覚えられる記憶容量のようなもの)の数が3000~4000文字から8000字ぐらいまで増えたんですね。ですので、長い対話や原稿など複雑な過去のことを覚えながらのやりとりなどの性能が上がったのかなと」(深津さん)

AIがつくるデザインの使用シーン

株式会社HEART CATCHの西村真理子氏

「AIがデザインする、またはサービスを作るといったことに対して、深津さんはどのようにお考えでしょうか? また、具体的にこういったところで『使える』ということがあれば教えてください」(西村さん)

「楽になっていいなと思いますね(笑) AIに関しては、何かをつくる時にデザイナーが使うという時と、デザイナーがつくったAIをユーザーが使う、というシーンがありますよね。前者のメリットとしては、一番大きいのがバリエーションを出せること。もうひとつは自分が考えられなかったアイデアを出してくれることかなと思います。あとはスピードですかね」(深津さん)

AIと人間。それぞれの役割

THE GUILD インタラクションデザイナー/深津貴之氏

「極端な話をすると、例えばプロダクトデザインに詳しくなかった人がロケットをつくれてしまうような未来が来るのでしょうか? また、そうなった時の人間の役割ってどうなるのですかね?」(西村さん)

「そういった未来はやって来ると思いますね。シミュレーションもPDCAも、βテストも含め、AIがやってくれるようになるのかなと。人間の役割としては究極的には意思決定をすることが一つ。もう一つは大失敗した時に責任をとるということですかね。おそらく、関わっている人間は全員がデザイナー、という風になっていくのではないでしょうか」(深津さん)

「そうなっていくとチームの人数も今よりも少なくなっていくんですかね?」(西村さん)

「そうですね。プロジェクト自体を少人数で進行できるようになることもありますが、個人が複数のプロジェクトを回せるようになることもメリットですよね。副次的効果としては、会社や個人が、複数のプロジェクトを同予算で進めることができるようになるか、一つのプロジェクトに割くリソースを増やせるということが言えるのかなと」(深津さん)

これからの未来、デザイナーがやるべきこと

THE GUILD インタラクションデザイナー/深津貴之氏

「現状では”Stable Diffusion”などがAPIとしてではなくサービスレベルで使えるようになっていますが、これからのデザイナーはどのような取り組みが必要でしょうか?」(西村さん)

「まずはそういったサービスを使ってみる、ということが大事なのかなと思います。その中でAIの方が優れている点や人間がやった方が優れている点について意識しながらスキルを習得していくことがポイントですね」(深津さん)

「オーディエンスから質問がきておりまして。『自身で手を動かすことが好きなデザイナーは、これからどのように進めばよいでしょうか?』とのことですが、いかがでしょうか?」(西村さん)

「過去を振り返ってみると、例えば車が生まれた時も自分の身体を使って走ることが好きな人はいたと思うんですよね」(深津さん)

「たしかに、今のデザイナーさんの中でもその人のタッチ、というかアウトプットの特徴が良いという方もいらっしゃいますよね。自分が手を動かす代わりに、機械に他の部分を任せるという共存もあり得るわけですね」(西村さん)

「そうですね。デザインという意味だと、いわゆるグラフィックデザインなどのレイヤーで大きく変わるというよりかは、ゲームをつくるとか、映画をつくる、といったようなもっと大きな単位で物事が変わるのだと思います。例えば、ノベルゲームとかアドベンチャーゲームを作る場合、大量の原稿を書いたり、多くのキャラクターや背景が必要になるわけじゃないですか。ストーリー分岐をつくったりフラグを立てたり。AIにそういったものを手伝ってもらえば、個人のインディーズクリエイターが『原作:俺』、『脚本:俺』、『シナリオ:俺』、『その他:俺&AI』という体制でゲームを作れたりするわけです」(深津さん)

これからの未来、デザイナーが向き合うべき課題

「深津さんの視点から、まだ改善が必要だと思われる点はありますか?」(西村さん)

「いくつかの障壁があると思います。現状では、テキストからテキスト生成できますし、テキストから画像も生成できます。ただ、画像から完璧なテキスト生成できるものはまだないんですよね。もし、画像から高い精度でテキストを抽出できれば、画像をテキストに起こして、そのテキストを“LLM(Large Language Model)”に入力することで、例えばゲームの攻略にも役立ちますよね。現在クルマの自動駐車機能を考える際、専用のAIに専用のタスクを学習させていますが、世界を言語化し、言語モデルに答えを聞き、言語モデルが操作までできるのであれば、わざわざ個別のAIを作らなくても良いわけです」(深津さん)

「なるほど、それはすごいですね! 他にも課題のようなものはあるのでしょうか?」(西村さん)

「あとはAIの頭が良くなっても、速度が出ないところも現状の課題ですよね。現状では、AIにマリオをプレイさせようとしても、マリオが一歩目を踏み出す前に敵にぶつかってしまうような状況ですし、他にもリアルタイムでコミュニケーションできる翻訳マシンもまだ出てきていないですよね」(深津さん)

AIの台頭による私たちの仕事の変化

「ここまでのお話を聞いて、私たちの仕事もこれから大きく変わりそうな気がするのですがいかがでしょうか?」(西村さん)

「デザイナー含め、さまざまな職種の人々がディレクターのような役割になっていくんじゃないですかね。一人の人間に対して部下が複数人いるみたいな感じでAIが使われていくのかなと、ツールとしてではなく。そう考えると部下が複数いる前提でのアウトプットが求められるのかもしれないですし、そういった前提での規模の仕事がオーダーされるのかもしれませんね」(深津さん)

「そう考えると、コストの話で言えば、AIを使っているから安くなるというより、複数人分の仕事として成果報酬をもらえたら良いですよね」(西村さん)

「そうですね。おそらく、『絵を納品する』といったことではなく、『世界設定・世界観を丸ごと納品します』といった未来になっていくと思いますしね」(深津さん)

クロージング

株式会社HEART CATCHの西村真理子さん。そして、オーガナイザー兼スピーカー株式会社ニジボックスの丸山潤

クロージングセッションでは、ナビゲーターを務めた西村さんと、オーガナイザーの丸山が今日一日を振り返りました。

「何より、現状の変化をチャンスと捉え、チャレンジし続けることが大切だと感じました。来年のこのイベントのテーマは何になるのか、今から楽しみですね」(丸山)