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海外成功事例を取り入れるには?ニジボックス式ビジネスアイデアの取り入れ方

海外成功事例を取り入れるには?ニジボックス式ビジネスアイデアの取り入れ方

「ビジネスにUXが重要な理由」を事例を交えて解説!


「スタートアップ」や「ベンチャー企業」という言葉がだいぶ一般的になってきました。
新しく会社をおこすのは少しハードルが高いように感じますが、「社内ベンチャー制度」のように既存事業とは別で社内で起案して新規事業を立ち上げる制度を取り入れる企業が増え、ニジボックスでも起案や選考などのお手伝いをさせていただく機会が増えてきたように感じます。

このように新規事業の立ち上げが身近になってきて、誰もが一度は自分も新しいことを始めてみたいと考えたことがあるのではないでしょうか。
しかし、新規事業を立ち上げる際に1番最初に突き当たる壁として、「アイデアがない」ということが挙げられます

ニジボックスでは普段2通りの新規事業の立ち上げフローを採用しています。

1つ目は「マーケットイン」という、ターゲットとなる顧客の課題をユーザーインタビューで明らかにし、その課題を解決するプロダクトを作るというフローです。
2つ目は「プロダクトアウト」という、考えたプロダクトを使いたい、強いニーズを持つ顧客を探すというフローです。

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しかし、ターゲットもプロダクトもアイディアがないという方もいると思います。
そんな方におすすめするのが、今回この記事でご紹介する「海外スタートアップ企業調査」です

そもそもなぜ海外の企業を調査するの?

タイムマシン経営という成功法

「タイムマシン経営」という手法をご存知でしょうか?

タイムマシン経営とは、海外で成功したビジネスモデルやWebサービスをいち早く日本で展開する経営手法のことです。
ソフトバンク創業者の孫正義氏が命名したとされています。

1990年代前期から2000年代初期にかけて、海外、特にアメリカやヨーロッパのインターネットビジネスは先進的でした。
欧米諸国と日本との間にはタイムラグが数年あるため、最先端事例をコピーして日本で同じようなビジネスを展開すれば、タイムマシンで未来からビジネスアイデアを持ってきたかのごとく成功させることができる、というコンセプトに由来しています。

「タイムマシン経営」の事例

タイムマシン経営で成功した事例として有名なのは、靴の通販サービス「ロコンド」です
ロコンドはアメリカの靴通販のザッポスをモチーフとして作られた企業です。
ザッポスは、「24時間365日の顧客対応」「送料・返品無料」「何度でも返品OK」「翌日配送化」など、それまでの靴のECの常識を覆すサービスを提供していました。
特に、サービスレベルが非常に高いことが特徴で、ザッポスで感動するサービスを受けたという評価が多く残されています。
ロコンドは、ザッポスの理念をそのまま日本で展開し、成功を収めています

また、インターネットビジネスが流行するより前にもタイムマシン経営の概念は取り入れられていました。
それは、現在の日本では当たり前になっている「コンビニエンスストア」です。

コンビニエンスストアは、1927年にアメリカ・テキサス州の氷販売店「サウスランドアイス」という店が工場労働者に食料品や日用品の販売を開始したのが始まりとされています。
これがセブンイレブンという屋号でアメリカ全土へ拡大し、アメリカでコンビニエンスストアは一般的な存在になっていきます。
日本ではイトーヨーカドーが1973年に株式会社ヨークセブンを設立し、アメリカのサウスランド本社とライセンス契約を締結しました。
翌年、セブンイレブン第1号店を開店させ、日本におけるコンビニエンスストアの歴史が始まりました。

他にもFacebookやTikTok、Uber Eats、Airbnbなど、これまでも海外発のビジネスモデルが日本で流行するということは多くあります。
このように、海外のビジネスモデルやサービスを日本で展開することは1から新規事業のアイデアを考えるよりハードルは低くなるでしょう。

タイムマシン経営を取り入れる際の問題点

タイムマシン経営はいいところばかりのように感じますが、以下のような問題点もあります。

誰でも簡単に海外のことが調べられるようになった

インターネットが普及したことで、世界中どこにいてもインターネットで情報を入手できます。
ヒットした事業アイデアはタイムラグがほとんどなく、世界中の起業家にシェアされてしまうため、誰も知らないサービスアイデアというのは簡単に見つからなくなってきています

情報が多すぎる

世界中の情報が手に入れられるというのはメリットでもありますが、一方で情報量が多いというのも課題になります。
インターネット上には信頼性の低い情報も多くあります。
特にタイムマシン経営の場合、海外の情報を収集しなければならないため、どの情報を信じて、参考にしたら良いのか判断ができないという人もいるでしょう。

海外調査の専門業者は高い

海外の情報を集めるには専門業者に発注をするという方法もあります。
しかし、一般的に海外の調査会社は市場調査なども含め100万円〜と新規事業のアイデア出しとしては少々高額になる傾向があります。

商習慣や国民性が違う

先ほど紹介した例はあくまで成功した例ですが、そもそも海外と日本では商習慣や国民性が違うため、海外で流行したビジネスモデルを日本でそのまま展開しても受け入れられない可能性があります。

ニジボックスの「海外調査プラン」の特徴

ニジボックスではこのような問題点を踏まえて、独自に考案した海外調査プランを提供しています。

Tracxnとの連携

ニジボックスではTracxnというインドのスタートアップ企業を調査するサービスと連携をしています。
Tracxnは投資家向けに世界中のスタートアップ企業の情報収集・分析を行っており、現在300業界以上、2,000万社以上の企業の情報をデータベース化しています。
情報の更新が早いのが特徴なので、まだ市場に出ていないスタートアップを見つけられる可能性があります。

業界選定から伴走

海外企業を調査する際に、「そもそもどのような業界を調べれば良いのか分からない」「自社と親和性のある業界を調べたいけど、具体的に思いつかない」などの悩みをよく耳にします。
ニジボックスでは調査可能な業界のリストを最初にお出ししており、その後もディスカッションをしながら業界や企業の選定を進めていきます。
そのため、気になっている業界はもちろん、まだ日本では盛んになっていないニッチな業界も視野に入れて検討を進めることができます

低価格の理由

ニジボックスの海外調査プランは他の企業様に比べて、安価になっております。
ニジボックスでは、大規模な市場調査など負荷のかかる部分はレポートの範囲から外し、あくまでも弊社の得意としているサービスアイデア創出に関わる部分に絞って調査を行っています。
よって、このような価格設定でのサービス提供が可能となっています。

UXデザイナーによるレポーティング

通常、海外企業の調査はマーケターと呼ばれる職種の方が行うことが多いですが、ニジボックスでは新規事業の立ち上げなどを得意とするUXデザイナーが調査を担当いたします。
大きな特徴としては、サービスを「CPS分析」と呼ばれる分析方法で調査を行うことが挙げられます。

CPS分析を説明した図

「CPS分析」というのは、サービスの

  • C:顧客(customer)
  • P:課題(problem)
  • S:解決策(solution)

を明らかにし、提供価値を分析する際に用いる分析手法です。

この分析手法により、単純に海外のサービスを日本で展開するのではなく、日本に合わせたローカライズが可能になるのです。

「海外調査プラン」の活用方法

このようにニジボックスが独自に提供している「海外調査プラン」ですが、弊社の特徴はプランの独自性だけではありません。
通常の調査はレポートを納品して終了となりますが、ニジボックスでは先ほど説明をした「CPS分析」によって、サービスの「顧客」「顧客が抱えている課題」「それに対する解決策」を明らかにし、それを日本で展開するための検証プランも提供しています。

具体的には、以下の3ステップで検証を行います。

  1. そもそも日本の市場に「顧客」となりうるユーザーが存在しているのか
  2. 「顧客」が存在する場合、その顧客は本当に「課題」を抱えているのか
  3. 顧客が抱える課題を「解決策」は適切に解消してくれるのか

また、スタートアップ企業が注目した「顧客(ターゲット)」と「顧客の抱える課題」を自社が持っているアセットで解決できるか、それを検討することも新規事業を考える第一歩になるかもしれません。

このようにニジボックスでは単に海外企業の調査を行うだけではありません。
UXデザインコンサルティングが主力事業になっているので、実際に検証を重ねながら、事業の立ち上げを行うところまで伴走することが可能になっております。

最後に

ニジボックスは、リクルートの新規事業研究機関から誕生した経緯があります。
今回ご紹介した「海外調査プラン」については、事例についてお話しさせていただくことや、また、実際にどのような調査が可能かのご相談ベースでの対応も可能です。

また、新規事業と聞くと、次のような悩みをお持ちの方は少なくないかもしれません。
・具体的にどのように進めれば良いか分からない
・UXの観点でビジネスを進めた方が良いと聞いたことはあるが、いまいち理由が分からない

下記資料では、新規事業の立ち上げからリリースまでを具体的にどのように進めるべきなのかについて、よくあるご質問を交えながら解説しています。
ぜひUXリサーチを用いた事業推進への理解を深めることにお役立てください。

新規事業創出ステップ資料DLバナー


ニジボックスは、社内新規事業立ち上げのご支援にも携わっています。
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参考記事

■参考サイト:【シマウマ用語集】 タイムマシン経営
■参考サイト:【税理士法人きわみ事務所】 「タイムマシン経営」とは?起業の成功確率を高める経営手法を紹介!

監修者
監修者_丸山潤
丸山 潤
元ニジボックス 執行役員、TRTL Studio株式会社 CEO、その他顧問やエンジェル投資家として活動

コンサルティング会社でのUI開発経験を持つ技術者としてキャリアをスタート。リクルートホールディングス入社後、インキュベーション部門のUX組織と、グループ企業ニジボックスのデザイン部門を牽引。ニジボックスではPDMを経てデザインファーム事業を創設、事業部長に就任。その後執行役員として新しいUXソリューション開発を推進。2023年に退任。現在TRTL Venturesでインド投資・アジアのユニコーン企業の日本進出支援、その他新規事業・DX・UX・経営などの顧問や投資家として活動中。

Twitter:@junmaruuuuu
note:junmaru228