BtoBランディングページの特徴とは?基本構成や作成時のポイント
ニジボックスの案件事例をご紹介!
ネットサーフィンをしていれば、誰もが一度はランディングページを見たことがあるでしょう。その場合、BtoCのランディングページを見る機会が多いと思いますが、それとは別にBtoBのランディングページも存在します。
BtoBのランディングページは他のランディングページと比べて何が違うのでしょうか。
この記事では、BtoBのランディングページの特徴と基本構成、作成時のポイントを解説します。弊社が携わったランディングページの改善事例も紹介しますので、よろしければ参考にしてください。
目次
ランディングページとは
ランディングページ(LP)とは、商材やサービスの訴求をして、購入・問い合わせといったコンバージョン(CV:最終的な成果)を促すことを目的としたWebページを指します。
1ページ内に必要な情報をまとめて掲載しているため、ページが縦長であることが特徴です。コンバージョンを最大化するための専用のWebページと考えるとよいでしょう。
ランディングページについてより詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。
BtoBランディングページは大きく2つに分けられる
ここからはBtoBのランディングページに焦点を絞って解説をします。BtoBランディングページは、大まかに2つに分けられます。
1.顕在層向けLP
顕在層とは商材への関心度が高いユーザーを指し、その商材を「欲しい」と考えています。顕在層のランディングページに対する主な流入経路は以下のとおりです。
- リスティング広告
- 自然検索
- 企業SNS など
すでに商材が「欲しい」と考えるユーザーに対して、効果的に販促活動を行うためのランディングページが顕在層向けLPです。
2.潜在層向けLP
潜在層とは顕在層に比べて商材への関心度が低いユーザーを指し、その商材を特別「欲しい」とは考えていません。しかし、潜在層は顕在層よりも人数が多いため、商材に興味を持ってもらい顕在層へと育てることで一定の売上を期待できます。
潜在層は顕在層のように検索キーワードを使った集客はほとんど見込めません。そのため、潜在層向けLPは、主に以下のようなSNSの広告からの流入を想定して作られます。
- Facebook広告
- Instagram広告
- Twitter広告 など
LPで訴求することで潜在層は将来的に顕在層に育てることが可能です。よって、顕在層だけでなく潜在層の獲得も考慮したランディングページづくりが必要となります。
BtoCと比較したBtoBランディングページの特徴3点
BtoCとBtoBのランディングページを比較すると、大きく異なる点が3つ存在します。ここでは、3つの特徴について一つずつ解説します。
1.「CV=商材の購入」ではない
BtoCのランディングページの場合は、一般的にランディングページの閲覧者がそのまま商材購入の意思決定者になります。ランディングページを見て、すぐに購入を決めるケースも少なくありません。
これに対して、BtoBのランディングページの場合は、閲覧者が意思決定者とは限らず、閲覧者がランディングページを見て納得しても購入まで至るかどうか分かりません。
この際にポイントとなる点は、コンバージョンを何に設定するかです。BtoCの場合は、商材の購入をコンバージョンに設定することがほとんどです。
しかし、BtoBの場合は、商材の購入自体ではなく問い合わせや資料請求などにコンバージョンを設定し、そこから商談につなげられるかがポイントとなります。
コンバージョンを何に設定するかによってCVR(コンバージョン率)も大きく変わります。BtoBランディングページを作成する際は、コンバージョンの設定もしっかりと意識することが重要です。
CVRについてより詳しく知りたい方には、こちらの記事もご覧ください。
2.論理的な説明が重要視される
前述のとおり、BtoBのランディングページは閲覧者がそのまま意思決定者になるとは限りません。
BtoBは、個人ではなく法人として、複数人での意思決定プロセスを経て購入の判断がくだされます。そのため、BtoCのように感情に訴えかけるだけでは不十分です。
BtoBのランディングページには、論理的な意思決定に必要となる商材の情報を、さまざまな角度からまんべんなく提供する必要があります。
顧客が抱える課題に対して「なぜこの商材が必要なのか」「どのように解決できるのか」「他社と比べてなぜこの商材が良いのか」など、具体的な情報を提供しなければなりません。
また、法人の判断基準として重要視される傾向にあることから、十分な実績を提示することも必要となります。
3.信頼感・安心感のあるデザインが用いられる
BtoCのランディングページの場合は、とにかく興味を持ってもらうことが重要なため、例えば奇抜で印象に残るデザインにすることも戦略の一つです。
しかし、BtoBの場合は興味を引くことよりも、信頼感・安心感を与えるデザインが重要となります。そのため、BtoBのランディングページではシンプルで落ち着いたデザインが用いられやすくなっています。
BtoBランディングページの基本構成
BtoBのランディングページは、主に次の6つの要素で成り立っています。これらの要素は基本構成として外せないものであるため、一つずつ見ていきましょう。
1.ファーストビュー
ファーストビューとは、ランディングページが表示されたときに最初にユーザーに見られる部分のことです。
ファーストビューは、このランディングページがどのような商材を紹介しているのかを一目で判断できる内容にすることが重要となります。一目で判断できるようにするため、長々と商材の詳しい説明をここでは行いません。
BtoBの場合は、意思決定者がはじめにランディングページを見ているとは限らず、確認のフローが複数あることから、選定が慎重になりがちです。
閲覧者が意思決定者に説明するためにも、全ての閲覧者に分かりやすく商材をアピールすることが重要です。
そのため、ファーストビューでこの商材が閲覧者が求めるものであることをはっきりと提示する必要があります。
ランディングページのファーストビューについては下記の記事もぜひ併せてご覧ください。
2.課題・悩み
BtoBのターゲットは、解決したい課題や悩みを持ってランディングページに訪れることが多いといえます。そのため、はじめにターゲットに共感することが重要です。ターゲットが持つ課題や悩みに寄り添い、共感を得た上で具体的な解決策を提示します。
ターゲットが持つ課題・悩みを理解しており、それらを解決できる商材である、と明確に伝える構成にしましょう。
3.商材の特徴
「○○が選ばれる△の理由」や「○○を使う△のメリット」などのように、前述の課題や悩みをどのように解決できるのかを具体的に提示します。ここで注意すべき点は、商材のメリットを説明するだけでは足りない、ということです。
商材を使った上で顧客にとってどのようなベネフィット(利益)がもたらされるのか、という点を明確化して訴求する必要があります。
「悩み・課題が解決できる」というメリットだけでなく、「解決したことで業務の効率化、売上アップにつながる」などの利用者の利益であるベネフィットを明確に記載しましょう。
4.実績・実例
BtoBのランディングページにおいて、実績や実例の掲載は顧客に安心感を与えることができるため、非常に効果的です。
商材の実績数値や導入事例、お客さまの声などを盛り込み、可能であれば導入実績として導入企業のロゴなどを掲載することも検討しましょう。
商材の提供者側の言い分だけでなく、第三者の視点から商材を評価してもらうことで、商材の特長を裏づけることもできます。
5.導入フロー・料金
問い合わせや資料請求から納品(利用開始)に至るまでの流れを、可視化できるように記載します。閲覧者が実際に申し込んでからの流れを疑似体験できるように、利用開始までのイメージを詳細に示しましょう。
料金やプランなどのターゲットが判断を下すための材料も、このタイミングで提示します。利用開始までの不安や疑問点を全て解決できるように、閲覧者が知りたい情報を先回りして提示することが重要です。
6.クロージング
最後に、閲覧者に行動を促すための問い合わせフォームや資料請求ボタンを配置します。この、問い合わせや資料請求などの具体的な行動に誘導することをCTA(Call To Action)と呼び、“行動喚起”と訳されます。
CTAエリアは、ランディングページの最後だけでなく、ページの途中に挟むことも有効です。ページの途中に挟んでいれば、資料請求などをしたい閲覧者の行動を即座に促すことができます。
また、CTAエリアは閲覧者の不安を取り除き行動を後押しするような要素を含むと、コンバージョンの向上に役立てられます。
CTAについては下記の記事で解説しているので、ぜひ併せてご覧ください。
BtoBランディングページを作成する際のポイント3点
BtoBランディングページを作成する際や、改善する際に気をつけるべきポイントを3つ紹介します。効果的なBtoBランディングページを作成したいと考えている場合は、これから紹介する3つのポイントを全ておさえましょう。
1.ターゲット・ペルソナを設定する
第一に、ターゲットを明確にすることが重要です。ターゲットが曖昧な状態では、ランディングページに記載する表現方法なども曖昧になり、必要な情報が伝わりづらくなります。
また、ターゲットと併せてペルソナもしっかりと設定しましょう。ペルソナとは、自社の商材やサービスを利用するユーザーを想定した、具体的な人物像のことです。
ペルソナの設定は、マーケティングの方向性を定めるために必要不可欠です。ペルソナを設定しユーザーの明確な人物像を想定できれば、有効な訴求方法を導き出せるでしょう。
ペルソナを設定することで、「どのような人物に自社の商材を利用してほしいのか」という共通認識を、社内の関係者の間で作ることもできます。
ただし、BtoBランディングページの場合は、意思決定者と閲覧者が異なる可能性があるため注意しましょう。
ペルソナを意思決定者と閲覧者のどちらに寄せるのかによって、発信する情報の種類が異なります。
いずれにしろ、まずはLPを目にする閲覧者をペルソナに設定して、LPを作成することが重要となります。
ペルソナについて詳しく知りたい方は以下の記事で解説していますので、ご覧ください。
2.過不足のない情報を盛り込む
前述のとおり、BtoCのランディングページと比べてBtoBの場合は、さまざまな角度から他社の商材と比較検討される機会が多くなります。そのため、同業他社のランディングページをチェックし、自社の商材と比較できるデータを準備することが重要です。
しかし、自社の商材を優位に見せようと情報量を増やしすぎても、何が重要な要素なのか伝わりづらくなるため注意しましょう。
商材の良さを伝える際は、メリットではなくベネフィットに焦点を当て、ユーザーの悩みを解消するとともに、どのような利益をもたらすのかを強調して訴求しましょう。
3.データをもとに改善する
ランディングページをより効果的なものに改善するために、LPO:Landing Page Optimization(ランディングページ最適化)と、EFO:Entry Form Optimization(入力フォーム最適化)が重要となります。
LPOはランディングページをユーザーニーズに合わせて最適なものとしてコンバージョンを最大化させるための手法です。
対して、EFOは入力フォームをユーザーにとって使いやすいものに改善してコンバージョン率(CVR)を上げる手法となります。
両者は取り扱う範囲に違いがあり、LPOの中にEFOが含まれています。「LPOで接客し、EFOでクロージングする」という考え方が基本です。
LPOやEFOを行うためには、CVRやCPA(顧客獲得単価)などのデータ・数値を基に仮説を立て、対策を実施することが必要となります。それぞれの値を求める計算式は以下のとおりです。
CVR(%)=コンバージョン数÷サイト訪問数(セッション)×100
CPA=広告費用÷コンバージョン数
ランディングページを改善する際は、これらのデータ・数値を基にしないとどれくらい効果があったのか分かりません。そのため、事前にこれらのデータを取得しましょう。
ランディングページの改善、入力フォームのユーザビリティについては以下の記事でも詳しく解説していますので、ぜひこちらも併せてご覧ください。
BtoBにおけるLPの改善事例を2つ紹介
弊社ではBtoBランディングページの作成・改善を行っています。今回は、その中から改善事例を2つ紹介します。
1.株式会社ネクスウェイの事例
株式会社ネクスウェイ様の事例では、BtoB特化LP制作パッケージを採用したリニューアル支援を行いました。
■クライアント課題
株式会社ネクスウェイ様(以下、ネクスウェイ様)の「FAX DM」サービスのランディングページは高いCVRを維持しておりましたが、公開後数年を経ており、この度リニューアルを検討されていました。■ミッション
CVR改善にフォーカスを定めたLPリニューアル■ソリューション
現状のLPのボトルネックを分析し、リニューアル案をご提案・制作いたしました。リリース後も継続してモニタリングを実施。サイト訪問者の行動を把握し、さらなる改善を行いました。
- ヒューリスティック分析
- 制作、公開
- モニタリング、分析
■成果
ニジボックスのBtoB特化LPパッケージを採用いただき、最終的には元のLPからCVR50%増加を達成しました。多面的なアプローチを行ったことで、短期間のうちにLPの勝ちパターンを完成させました。
-株式会社ニジボックス BtoB特化LP制作パッケージを採用したリニューアル支援 より
2.株式会社リクルートスタッフィングの事例
株式会社リクルートスタッフィング様の事例では、BtoB集客ランディングページの改善を行っています。
■クライアント課題
株式会社リクルートスタッフィング様(以下、リクルートスタッフィング様)は、ランディングページ(LP)を活用した、自社派遣社員紹介サービスへの集客を実施されており、その改善を検討されていました。■ミッション
サービスの集客およびCVR改善を実現■ソリューション
クライアントの「BtoB集客LPのコンバージョン(CV)を年度内に最大化する」という目標の達成に向けて、スピーディーな仮説立てと検証を行いました。
また、実装時の制約を踏まえた施策もご提案し、高速なPDCAによる実装を行ないました。
- ヒューリスティック分析
- 技術調査・要件定義
- 施策実行(WF作成~実装)
- モニタリング
■成果
ヒューリスティック分析を用いた高速PDCAによる改修によって、CVRの改善率115%を達成することができました。リクルートスタッフィング様からも、制作スタッフも含めた週次定例ミーティングを始め、現場との綿密なコミュニケーションができたためスムーズにプロジェクトが進行できたと、ご好評をいただきました。
-株式会社ニジボックス BtoB集客ランディングページ(LP)の改善 より
まとめ
BtoBランディングページはBtoCとは異なり、「“CV=商材の購入”ではない」「論理的な説明が重要視される」「信頼感・安心感のあるデザインが用いられる」という特徴があります。
ランディングページを作成する際は、ターゲット・ペルソナの設定が重要です。適切なターゲット・ペルソナの設定を行えば、顧客ニーズを捉えて最適な訴求ができるようになり、CVRの向上が期待できるでしょう。
この記事ではBtoBランディングページの特徴や基本構成から作成のポイントも解説しました。ランディングページの作成や改善を行いたいが対応が難しいと考えられている方は、ぜひ一度弊社にお問い合わせください。
下記資料にて、人間中心設計の考え方をベースとしたUXリサーチ結果に基づいた、ニジボックスのユーザー課題解決型のUIデザインフローや、支援事例を一部紹介しています。
ご興味を持たれた方はぜひ、下記ダウンロードリンクよりご参照ください!
元ニジボックス 執行役員、TRTL Studio株式会社 CEO、その他顧問やエンジェル投資家として活動
コンサルティング会社でのUI開発経験を持つ技術者としてキャリアをスタート。リクルートホールディングス入社後、インキュベーション部門のUX組織と、グループ企業ニジボックスのデザイン部門を牽引。ニジボックスではPDMを経てデザインファーム事業を創設、事業部長に就任。その後執行役員として新しいUXソリューション開発を推進。2023年に退任。現在TRTL Venturesでインド投資・アジアのユニコーン企業の日本進出支援、その他新規事業・DX・UX・経営などの顧問や投資家として活動中。
X:@junmaruuuuu
note:junmaru228