NIJIBOX

LPOとは?コンバージョンを最大化させるLP改善手法を解説!

LPOとは?コンバージョンを最大化させるLP改善手法を解説!

ニジボックスの案件事例をご紹介!


LPO(ランディングページ最適化)とは、LPからより多くの商品購入・問い合わせをしてもらうための改善手法です。

この記事では、LPOとは何か、そして具体的な手順を実例とともに紹介し、SEO・EFOとの違いや実施する上での注意点、おすすめのツールについても解説します!

LPOとは?

まずは、LPOとは何か、そしてLPOの必要性について解説します。

LPOとは「LPのコンバージョン最大化を目的とした施策」

LPOとは、LP(ランディングページ)の効果を上げるための手法です。
「LPO」は、Landing Page Optimizationの頭文字を取った略語で、ランディングページ最適化と訳されます。

LPとは、こちらのページのように、商品購入や問い合わせといったユーザーアクションを目的としたページです。
商品やサービスの紹介、メリットなどをページ内で訴求し、最終的にはアクションを促す入力フォームなどへ誘導します。

この商品購入や問い合わせなど、LPにおけるコンバージョンを最大化させる施策を、総じてLPOと呼びます

LPについては下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひ併せてご覧ください。

なぜLPOが必要なのか?

LPOは、LPの訪問者をアクションに導き、最終的にビジネスの成果につなげるために必要です。

LPは商品購入や問い合わせといったユーザーアクションという目的を達成するために作るものです。
ユーザーがページを訪問しても、閲覧途中で離脱してしまっては売上などの成果につながりません。
しかし、現実的には「商品のメリットが十分に訴求できていない」「ユーザーのニーズに応えるページ内容になっていない」などの理由で、なかなかアクションまでたどり着かないものです。

LPの訪問数は重要な指標ですが、一般的にこれを増やすには広告費を上げなければなりません。
近年は、訪問数を増やすことよりも、訪問数に対するアクション率(=コンバージョン率)の改善を試みる方が、費用対効果が良くなるケースも多いです。

それゆえ、Webマーケティングにおいて戦略的に重視すべき「コンバージョン率改善」を目的とするLPOへの注目度が高まっているといえます。

コンバージョン率(CVR)については下記の記事で解説しているので、ぜひ併せてご覧ください。

事例を見ながら解説!LPOの手順5STEP

LPOとは_進め方5ステップ


ここからは、LPOを実施するために具体的にどのような手順で進めればよいのか見ていきましょう。

一般的な手順のそれぞれのSTEPを、こちらの実例を基に詳しく解説します。

【STEP1】調査による課題の洗い出し

LPOを実施するにあたって最初にしなければならないことは、「何がユーザー離脱の原因となっているのか」を突き止めることです。
改善すべき課題が不明確なままでは、そもそも何をすれば良いかわかりませんし、当てずっぽうに何かの施策をおこなっても改善に期待はできません。

定量・定性の両観点から調査をおこない、課題を洗い出していきましょう。
手法として、定量調査ではアクセス解析ヒートマップ分析、定性調査ではユーザビリティテストヒューリスティック分析を用いることが多いです。

定量調査では、以下のようなポイントに注目して分析をしましょう。

  • ページのどのあたりまで閲覧されているのか
  • どの情報が見られていて、どの情報が見られていないのか
  • どこで離脱してしまっているのか
  • どのボタンやリンクがクリックされているのか
  • どのようなキーワードで流入しているのか

また、こちらの実例では、ヒューリスティック分析を用いて定性調査を行い、LPの課題を約30件洗い出し、優先順位付けしました。
ヒューリスティック分析では、フォームなど機能面のユーザビリティは問題ないか、デザインはターゲットに合ったものとなっているか、コンテンツはサービスの魅力を正しく伝えられるものとなっているかなど、一つひとつ分析しました。

課題は洗い出すだけではなく、改善後の効果インパクトや改善にかかる工数を踏まえ、どの課題から優先的に着手するかまでを決めることが重要です。

定量・定性調査や各手法については下記の記事で解説しているので、ぜひ併せてご覧ください。

【STEP2】LP改善のための施策検討

次のSTEPは、STEP1で洗い出した課題に対して何をすれば改善が見込めるかの仮説立てをし、施策内容を決めることです。

例えば、20代女性をターゲットとした、ケーキの新商品を販促するLPがあったとします。
ページ滞在時間が短く、LPを訪問してすぐに離脱してしまう人が多いことから、メインビジュアルに課題があると分析しました。
現状はケーキを開発したスタッフのビジュアルで作り方のこだわりを訴求していました。

しかし、20代の女性を対象としたリサーチをしたところ、彼女たちは特にケーキのビジュアルを重視する傾向にあるという結果に。
そこで「もっとストレートに美味しそうなケーキのビジュアルを見せた方が効果的ではないか」のように仮説を立てることができます。
このように、LPOでの施策検討は、仮説を立てることで、何をすべきかが見えてくるのです。

こちらの実例でも同様に、優先順位の高い課題から仮説を立て~施策内容の決定をするとともに、実装時の実現可能性についても検討しました。

特にフォームのUI(ユーザーインターフェース)といった機能面に関しては、施策を実行するタイミングで実装できないことが判明する、といったトラブルが発生することを防ぐためにも、検討時に技術的にUIが実現できるのかを想定しておくことが重要です。
施策検討時には、エンジニアやテクニカルディレクターも交えておくと以降の工程がスムーズになります。

UI(ユーザーインターフェース)については下記の記事で解説しているので、ぜひ併せてご覧ください。

【STEP3】LP改善施策の実行、テスト

STEP3では、STEP2で計画した施策を実行します。
具体的にはワイヤーフレーム作成やビジュアル・コピーの変更、デザイン変更や機能面の実装などを行います。

また、効果的な改善となっているのかを見極めるためにABテストも実施します。
改善前のLPと、改善後のLPそれぞれのコンバージョン率を見ることで、LPO施策が効果のあるものとなっているかを確認しましょう。

ABテストについては下記の記事で解説しているので、ぜひ併せてご覧ください。

こちらの実例では、状況に応じて施策進行中に要件を変更し、都度新しい施策を実施するなど臨機応変に対応しました。

実際の現場では、クライアントやユーザーを取り巻く環境の変化、ABテストの結果などを受けて方針を変更することも多々あります。
予算やスケジュールの制約がある中で、最も効果的で実現可能なLP改善の施策を考え、実行することが重要です。

【STEP4】改善状況のモニタリング

LPOの目的は、施策を実施することではなく、コンバージョン率を上げることです。
そのためには、改善状況のモニタリングをおこなうこのSTEPが非常に重要な役割を担います
定期的に指標となるコンバージョン率をモニタリングし、更なる改善につなげていきます。

こちらの実例でも、週次の定例ミーティングを設定し、施策後の数値モニタリングをクライアントと一緒に行いました。

【STEP5】モニタリング結果を基にPDCAを繰り返す

STEP4のモニタリングの結果を受けて、再度必要な施策を検討し、実行することでLPOの精度を高めていきます
一度の調査だけでは見えてこなかった課題が施策実行後に発見されることも多いため、短いサイクルでPDCAを回すことがポイントです。
STEP1~4を1ヵ月くらいで1サイクル回せるといいでしょう。

こちらの実例では、モニタリングによってコンバージョン率向上に大きく影響を与える要素を抽出し、より効果的な改善のための施策を実行するというサイクルを繰り返しました。

LPOで押さえておきたい主な検証項目

いざLPOをはじめようとしても、既存LPの何を見て課題を洗い出せばよいのか分からない方も多いでしょう。
そこで、最低限押さえておきたい主な検証項目をまとめました。

LP全体の情報設計

最終的にユーザーにアクションしてもらうためには、LPは常にユーザーの興味を惹き続け、「この商品やサービスこそ私が欲しいものだ」と思ってもらう必要があります。
ユーザーの興味を惹き続け、購入や問い合わせといったアクションを起こしてもらうには、LPの中でどの情報がどんな順番で展開されるのかという情報設計が重要です。

一般的に効果が出やすいとされるLPの「型」(※)はありますが、ターゲットユーザーによってLPが最適な情報設計になっているかを検証すべきでしょう。

(※)LPの型についてはこちらで紹介しているのでぜひご参照ください。

ファーストビュー

LPの要素でも最も重要なのがファーストビューです。
ファーストビューとは、ユーザーが訪問時最初に目にするメイン画像+キャッチコピー及び、その周辺の情報・デザインのことです。

ユーザーの多くは、ページを見て数秒で「自分に必要なものかどうか」を判断するため、ファーストビューでいかにポジティブな印象を与えるかは、直帰率やコンバージョン率の改善に大きく影響します。

ファーストビューに以下のような改善を施すとコンバージョンアップにつながりやすいので、ぜひ参考にしてください。

  • キャッチコピーをユーザーのメリットとなる要素で訴求する
  • キャッチコピーに具体的な数値や金額を入れる
  • 商品やサービスの内容が一目で分かるメインビジュアルにする
  • コンバージョンボタンを設置する

LPのファーストビューとキャッチコピーについては下記の記事で解説しているので、ぜひ併せてご覧ください。

コンテンツ内容

ファーストビューで「このページを読み進めてみよう」と判断してもらえても、その後のコンテンツがユーザーにとって有用なものでなければそこで離脱してしまいます。
商品を紹介する情報やメリットが、ターゲットユーザーの心に刺さるものかを検証しましょう。

ページデザイン

文字のフォントや色といったデザインも、コンバージョン率に影響を与えます。
例えば、ビジネス商材を訴求するLPがサイケデリックな激しい色使いのデザインであったなら、ページを読み進めてもらえる可能性は低くなるかも知れません。
ページのデザインがLPの目的やターゲットユーザーにマッチしたデザインであるかも重要な検証項目です。

CTA

CTAとは「Call to Action」の略語で、購入や問合せを促すボタン、テキストを指します。
直接的にコンバージョンに影響を与える要素なので、ボタンのデザインやテキスト内容をしっかりと精査する必要があります。

CTAについては下記の記事で解説しているので、ぜひ併せてご覧ください。

フォーム

ユーザーの氏名や連絡先などを入力するフォームも、CTA同様コンバージョンにダイレクトに関わってきます。
フォームに入力する項目が分かりやすいか、入力項目が多く面倒なものになっていないかなど、ユーザビリティが考慮されているのかを検証しましょう。

フォームのユーザビリティについては下記の記事で解説しているので、ぜひ併せてご覧ください。

表示スピード

せっかく興味を持ってもらっても、閲覧しようとしたページが表示されるのに10秒も20秒もかかってしまっては、ユーザーはページを閉じてしまうでしょう。
見落としがちですが、表示スピードもしっかりと確認しておく必要があります。

LPOとSEO・EFOとの違いと関係性

ここからは、LPOとよく比較されるSEO(Search Engine Optimization=検索エンジン最適化)EFO(Entry Form Optimisation=入力フォーム最適化)について、その違いと関係性を解説します。

SEOで集客し、LPOで接客する

SEOとはGoogleなどの検索エンジンによる検索結果で自社のページを表示させ、見込み顧客を獲得することを目的とした手法です。
「検索しているユーザーに有益で高品質なコンテンツを作る」「Googleがページ認識しやすいHTML構造で作る」といった施策によって、検索順位のアップを目指します。

SEOとLPOの一番の違いはその目的です。
SEOはページへの集客を、LPOは集客したユーザーの接客を目的とします

例えば「肌乾燥 ケア」と検索したユーザーに対して、自社の化粧水のLPを表示させることで「こんな商品がありますよ」と認知してもらうのがSEOです。
LPの改善を通して、紹介する化粧水がユーザーにとってより有益であることを理解してもらうのがLPOです。

下記の記事では、UI UXとSEOの関係について解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

LPOで接客し、EFOでクロージング

EFOとは、入力フォームをユーザーにとって入力しやすいものに改善することで、コンバージョン率を上げる手法です。

EFOとLPOの違いは、取り扱う範囲です。
EFOはLPOの中に含まれる手法で、LPOの中でも特にアクションの最終段階に特化した要素の改善を指します

LPを見て購入や問合せを検討してくれるユーザーが、フォームの入力が面倒で離脱してしまうことを避けるためにおこなうのがEFOです。

LPOの3つの注意点

ここからは、LPOを進める上で注意しておきたいポイントを3つ紹介します。

1. テストは「1つずつ」おこなう

LPOでは、「1つの施策に対して1回のテスト」が重要と覚えておきましょう。
これは、複数のテストを同時に実施すると、どの施策が効果的だったのかが分かりづらくなるためです。

例えばメイン画像の変更・デザイン変更・コンテンツ追加・フォーム改修の4施策を同時に進めた後にテストをした結果、コンバージョン率がアップしたとしましょう。
結果だけ見ると改善されていますが、4つの施策のうちどれが改善に寄与したのかは不明確となってしまいます。

施策ごとにテストをおこなうことで、影響の大きな要素を絞り込むことができ、結果的には効率よくLPOを進めることができるのです。

2. 改善案の優先順位を決める

LPの全てを改善しようとすると、工数・期間共に膨れ上がってしまいます。
1つの施策に対して「検討→実行→テスト」の工程が発生するため、施策の優先順位を決めて「より低コスト・短期間で高い効果を得られる施策」から実施することが重要です。

特にファーストビューとCTA、フォームはコンバージョン率に大きな影響を与えることが多いので、優先順位が高くなるケースが多いことを覚えておくといいでしょう。

3. 施策の検証期間を十分に取る

現実的にはスケジュールの制約があることも多いかもしれませんが、可能な範囲でテスト~モニタリングの期間を十分取り、結果が有意的であるかを判断できるサンプル数を集めるべきです。

対象とする業種などによっても異なりますが、一般的には2週間~1ヵ月程度は検証期間として確保することが多いです。

おすすめのLPOツール2点

LPOは課題の分析やテストに地道な作業が必要なので、リソースが足りない場合はWebマーケティング会社に依頼をしたり、便利なツールを使うのも手です。
最後に、おすすめのLPOツールを2つ紹介します。

1. DLPO

DLPOは、ツール名にLPOが入っている通り、LPOに特化したツールです。
ツール内でABテストを実施し、その結果からユーザー属性ごとに適切なページを表示させ、コンバージョン率最適化をサポートしてくれます。

2. Visual Website Optimizer

Visual Website Optimizerは、ABテストはもちろん、ヒートマップ分析機能も備わっており、定量・定性双方の観点からLP検証できるツールです。
同じURLで見た目を変更したページを表示させる機能もあるので、実装工数が大幅に削減できるのもポイントです。

まとめ

LPOについての概要から、活用する上で知っておきたいことについて解説しました。
LPは作って終わりなのではなく、改善を重ねて売上や反響を最大化させることが重要なのが理解いただけたのではないでしょうか。
今まさにLPOが必要と感じている方は、ぜひこの記事を参考にしながら改善に着手してみてください。

また、記事内で紹介したこちらの実例のように、ニジボックスでもLPOのご支援を行っております。
課題の抽出から施策の実施、実施後の分析、モニタリングまでご支援可能なので、現状のサイトやサービスに課題感をお持ちの方はぜひお気軽にご相談ください!
お問い合わせはこちら

最後に下記資料では、人間中心設計の考え方をベースとしたUXリサーチ結果に基づいた、ニジボックスのユーザー課題解決型のUIデザインフローや、支援事例を一部紹介しています。
ご興味を持たれた方はぜひ、下記ダウンロードリンクよりご参照ください!

UIデザイン実績資料_ニジボックス

監修者
監修者_丸山潤
丸山 潤
元ニジボックス 執行役員、TRTL Studio株式会社 CEO、その他顧問やエンジェル投資家として活動

コンサルティング会社でのUI開発経験を持つ技術者としてキャリアをスタート。リクルートホールディングス入社後、インキュベーション部門のUX組織と、グループ企業ニジボックスのデザイン部門を牽引。ニジボックスではPDMを経てデザインファーム事業を創設、事業部長に就任。その後執行役員として新しいUXソリューション開発を推進。2023年に退任。現在TRTL Venturesでインド投資・アジアのユニコーン企業の日本進出支援、その他新規事業・DX・UX・経営などの顧問や投資家として活動中。

X:@junmaruuuuu
note:junmaru228