Adobe XDとは?Web制作・アプリ開発に役立つ6つの魅力を紹介
ニジボックスのUIデザインフローや案件事例をご紹介!
Adobe XDは、Webデザインの制作などに使用するソフトとして、Adobe社が提供しています。PhotoshopやIllustratorといったソフトに代わり、Webデザインの制作時にはAdobe XDを使うデザイナーが増えてきているようです。
この記事では、Adobe XDの特徴や人気の理由、他のソフトとの違いなど、Adobe XDの基本情報を解説します。
使い方については下記の記事で解説しているので、こちらの記事もぜひご覧ください!
目次
Adobe XDとは?
Adobe XDとは、Adobe社が開発したソフトの一つで、Webサイトやアプリなどのデザインを制作できるソフトです。
Adobe XDが登場する前は、同社のPhotoshopやIllustratorがよく使われていました。
しかし、Web制作に特化したAdobe XDが登場したことにより、Adobe XDを使うことが多くなりました。
そのため、これからWebサイト制作を始める方は、Adobe XDの機能を使いこなせたほうが便利でしょう。
Adobe XDはプロフェッショナル向けの機能を誰でも使えるように工夫され、初心者でも直感的に操作しやすい仕様になっています。
簡単な操作で思い描いたことをそのまま表現できるため、初めてのWebサイトやアプリの制作でも本格的な仕上がりになるでしょう。
Adobe XDの主な機能3点
Adobe XDは、「デザイン制作」「プロトタイプ制作」「共有・コメント機能」の3つが主軸となったソフトです。ここでは、この3つの機能について解説します。
1.デザイン制作
Adobe XDのメイン機能といえるのが、Webサイトやアプリのデザインの制作です。
Adobe XDでは、ボタンや写真をそのまま動かして配置やサイズ変更ができるため、複雑な操作や手順を覚えなくても、簡単にページ全体のデザインを作れます。
また、Adobe XDには、豊富なUIキットが用意されています。UIキットを使うことで、デザイン設計に必要な手間や時間を大きく削減できます。
2.プロトタイプ制作
Adobe XDでは、プロトタイプを制作でき、制作したWebデザインを実際のWebサイトのように動かせます。
コーディングをしなくてもデザイン通りに動かせるため、動作を確認しながらデザインの制作・編集が可能です。
また、リンク先のページとボタンをつないで、ページの遷移の挙動も確認できます。実際の動きを的確に表現できるため、社内メンバーやクライアントと完成後のイメージを共有しやすくなります。
プロトタイプについては下記の記事で解説しているので、ぜひ併せてご覧ください。
3.データの共有・コメント機能
Adobe XDでは、制作したWebデザインの共有や共同作業が可能です。
さらに、制作しているデータに共有者がコメントを残せるため、関係者からのフィードバックをすぐにもらえます。これにより、確認待ちで作業が進まないような、無駄な時間が削減できるでしょう。
もちろん、デザイン制作の段階から、コーダーとも共有できます。実装可能な機能なのかを検討しながらデザインを制作できるので、作業の後戻りを減らすことが可能です。
Adobe XDが人気の理由6つ
Adobe XDに人気が集まっているのは、Adobe XDにしかない機能があるからです。ここでは、Adobe XDが多くのデザイナーから人気を集める6つの理由を解説します。
1.直感的に操作できて動作も軽い
従来のデザインソフトとAdobe XDの大きな違いが、ソフトの操作性です。
Adobe XDではシンプルなレイアウトと直感的な操作方法により、ツールに関する知識がなくても簡単に扱えます。そのため、Adobe XDを初めて使う人でも、イメージ通りのデザインに仕上げられるでしょう。
また、オフラインでも利用することができ、ソフトの動作が軽いのもAdobe XDが選ばれる理由の一つです。パソコン上でデザインの参考に多くの資料(Webサイト・画像データなど)を展開していても、Adobe XDの操作性が損なわれず作業効率が下がりません。
2.デザインの完成形が伝わりやすい
Webサイトやアプリの制作には、複数の人が関わっていることが多く、連携をとりながら制作を進める必要があります。そのため、完成後のイメージや仕様を共有できていないと、その後の工程で大幅な修正や仕様変更が入る場合があります。
その点、Adobe XDでは、制作中のデザインを複数名で共有可能です。さらに、デザインに直接コメントを残せるため、修正箇所や内容がデザイナーに分かりやすくなります。
3.デザインカンプからテキスト情報や画像情報を取得できる
Adobe XDで制作したデザインは、そのままの状態ではコーディングできません。
コーディング作業をするには、あらかじめAdobe XD上で、テキストや画像などの情報を取得しておく必要があります。
そのため、慣れていないとコーディングの手順が難しいと感じてしまうでしょう。
そこで有効なのが、Adobe XDのソフト連携機能です。「Zeplin」などのデザインデータ共有ツールと連携することで、デザインカンプから必要な情報を素早く取得できます。
すぐにコーディングを始められて作業工程のロスなどを防げるうえに、CSSの自動生成やテキストデータなどを簡単に共有できるため、コーダーとの連携もスムーズになります。
以下の記事では、Zeplinの特徴や使い方を詳しく解説しています。
Adobe XDとZeplinを連携させることで作業効率が大きく向上するため、この記事と合わせてチェックしてください。
4.チュートリアル動画や学習キットが用意されている
Adobe XDは、公式サイトにソフトの使い方をまとめたチュートリアル動画や学習キットが用意されています。基礎から応用までしっかり学べるので、簡単にAdobe XDの使い方が身につきます。
Adobe XDの使い方やデザイン方法を学べるため、初めてWebデザインに携わる人も、すでにほかのツールを使ったことがある人でも効率よく学ぶことができるでしょう。
5.デザインを効率化させる機能がある
Adobe XDは、誰にでも使いやすい仕様である一方、デザイナーの業務をサポートする実用的な機能も実装されています。
例えば、同じ要素を複製できる「リピートグリッド機能」や、ボタン制作を簡単にできる「パディング機能」は作業工程の手間を削減します。
また、共通パーツなどを保存して流用できる「アセット機能」は、過去に制作したデザインの流用を簡単にします。
常にゼロから制作する必要がなくなり、Webデザインの制作を効率化することができるでしょう。
6.ほかのAdobe製品との親和性が高い
Adobe XDはデザイナーの作業効率を高めるために、同じAdobe社製のPhotoshop・Illustratorといったソフトとの親和性が高く設計されています。
例えば、XDで配置した写真をPhotoshopに連携して編集し、上書き保存をすることでXDに自動反映するといった使い方が可能です。
作業ごとに各ソフトを使い分けられるため、細部までこだわってデザインしやすくなり、クライアントが望むデザインを作りやすくなるでしょう。
Adobe XDと他ツールとの違い
Adobe XDはできることが多いため、従来のデザインソフトとどのように違うのか気になる人も少なくないでしょう。
ここでは、他のソフトとAdobe XDとの違いを解説します。
下記の記事では、ここで紹介するツール以外にもUIデザインのツールや選び方を紹介しているので、ぜひ併せてご覧ください。
Adobe XDとPhotoshopの違い
Photoshopは、写真・画像の加工を得意としたソフトです。色味の調整や複数の画像の合成など、多様な編集を施すことで魅力的な画像を作り出します。
そのため、写真・画像をメインとしたデザインの制作には、Photoshopの機能が有効です。さらに、文字の入力やデザインの加工などにも対応し、複雑なデザインを制作できます。
一方、Adobe XDは、Webサイトなどのデザインツールのため、写真・画像の細かな編集などは行えません。
つまり、Photoshopは写真・画像編集に特化し、Adobe XDはWebサイト全体のページ作りに特化しているといえます。
Photoshopについては下記の記事で解説しているので、こちらの記事もぜひご覧ください!
Adobe XDとIllustratorの違い
Illustratorは、図形やロゴなどのグラフィックデザインの制作に使われているソフトです。既存の図形を組み合わせたり、文字の形や色を変えたりするだけでなく、自分でイラストを描いて編集することもできます。
他のデザイナーにはまねできないオリジナルデザインを作れるのが、Illustratorの魅力といえるでしょう。
それに対しAdobe XDは、Illustratorのように、表現力豊かなデザインを制作するのは簡単でありません。
そのため、細かく線(パス)を引くことが可能なIllustratorのほうがロゴ作成には向いています。
Illustratorはグラフィックに特化したデザインを、Adobe XDはWebサイトの構築に適したデザインを作りやすいことが、2つのソフトの違いです。
Adobe XDとFigmaの違い
Figmaは、ブラウザ上でWebデザインを制作できるツールです。ソフトをインストールする必要がないため、パソコンのOSなどを気にせず誰でも使用可能です。
アカウントがあれば他の端末からアクセスでき、会社と自宅の両方でデザインを制作できます。
また、複数のメンバーでデザインの編集ができるのも、Figmaの特徴です。
ブラウザだけで完結するため、ソフトのインストールをしていないメンバーともデザインや仕様の共有が簡単にできます。多くの人のアイデアを集約することで、クライアントの意向に沿ったデザインに仕上げやすくなるでしょう。
Adobe XDとFigmaは、どちらもWebデザインの制作ツールです。共通した機能が多く、同じような使い方ができます。
一方で、Figmaはオフラインでは使えないことが、Adobe XDと異なります。
Adobe XDはほかのAdobe製品(Photoshop・Illustratorなど)との親和性が高いので、それらのソフトを使う人はAdobe XDのほうがよいでしょう。
Figmaについては下記の記事で解説しています。こちらの記事もぜひご覧ください!
Adobe XDの始め方
さまざまなメリットのあるAdobe XDですが、2023年2月現在ではソフト単体のプランはありません。
ただし、複数のAdobe社製ソフトを使える「Adobe Creative Cloud」では、Adobe XDが提供されています。
ソフトサポートも継続されるので、これからAdobe XDを使用する場合は、Adobe Creative Cloudを契約したほうがよいでしょう。
まとめ
Adobe XDは、初心者でも使える操作性の良さと、プロトタイプ制作をはじめとした実用性の高さが魅力のソフトです。
従来のデザイン制作ソフト(PhotoshopやIllustratorなど)よりもWeb制作に特化していることから、Adobe XDへ乗り換えるデザイナーも多いです。
Adobe XDはWebデザインの制作には優れているものの、写真・画像の細かな編集は行えず、デザイン制作の機能は一般的な性能に留められています。そのため、Photoshop・Illustratorなどのソフトと連携させ、それぞれのメリットを活用するのがおすすめです。
Adobe XDや他のソフトを上手に使いこなして、魅力的なWebサイトを制作しましょう。
ニジボックスでは、サイト制作や開発における情報設計やビジュアル設計、デザインガイドライン制作といったUIデザイン面のご支援も行っております。
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元ニジボックス 執行役員、TRTL Studio株式会社 CEO、その他顧問やエンジェル投資家として活動
コンサルティング会社でのUI開発経験を持つ技術者としてキャリアをスタート。リクルートホールディングス入社後、インキュベーション部門のUX組織と、グループ企業ニジボックスのデザイン部門を牽引。ニジボックスではPDMを経てデザインファーム事業を創設、事業部長に就任。その後執行役員として新しいUXソリューション開発を推進。2023年に退任。現在TRTL Venturesでインド投資・アジアのユニコーン企業の日本進出支援、その他新規事業・DX・UX・経営などの顧問や投資家として活動中。
Twitter:@junmaruuuuu
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